こんな方におすすめ

本動画では、日本顎咬合学会終身指導医である村岡 秀明先生をお迎えして、コピーデンチャー作成における必要な材料と作成の流れについて、詳しくお話していただきました。

臨床的な目線でどこを見てどう考えてやっているのかを、映像を実際に見ながらお話していただいております。是非ご覧ください。

動画の紹介

総義歯の作成でお悩みはありませんか?

・総義歯の技術力を高めたい先生
・総義歯について基礎知識を高めたい先生
・コピーデンチャーについて学びたい先生

今回の動画は、これらの先生方に特に見ていただきたい内容となっております。
最後までご視聴いただけると幸いです。

動画内容

総義歯について

総義歯というものは、50年ほど前から基本的なことは変わっていません。新しい材料や技術、あるいはインプラントの登場により変化した部分もありますが、総義歯を作るうえで気をつけることなどはほとんど変わっていない、と村岡秀明先生はおっしゃっています。

今回の動画では、一般的な総義歯作製の手順ではなく、実際に村岡先生が総義歯を作製するときにどのようにしているか、またどのようなことに気をつけているかについて、臨床的な面でお話いただくことができました。



村岡先生は、患者さまが旧義歯をもっていれば、まずコピーデンチャーを作って、それを咬合堤つき個人トレーとして印象採得・咬合採得を行います。

まれに、旧義歯を持っていない方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は旧義歯があります。壊れていたり、パーシャルデンチャーだったりしても構いません。村岡先生は、「これから患者さまが総義歯を作る」という場合は、100%コピーデンチャーを作っています。

コピーデンチャーとは

コピーデンチャーとは、患者さまが現在使用されている義歯の複製を作る手法です。既に義歯を使っている患者さまが義歯の新製をされるとき、旧義歯を複製し、その義歯を改造していくことで、旧義歯の特徴を活かしたうえで治療を進めていくことができます。

コピーデンチャーに必要なもの



村岡先生は、コピーデンチャーを作製する際、いくつか道具が必要だとおっしゃっています。なかでも金属シェルは、コピーデンチャーの作製に欠かせない道具です。上下それぞれに1つ使用しますので、2つ必要になります。

その他にはアルジネートやコピーデンチャー用のレジンなどを使用し、大き目のラバーカップなどあると便利ということでした。

旧義歯の型をとる



コピーデンチャーはアルジネートで型をとり、作製していきます。このとき、まず計量スプーン5杯分のアルジネートを練和し、取っ手のついている側に入れましょう。

アルジネートに咬合面を押しつけていきます。上顎・下顎ともに同じようにおこなっていきますが、気泡などが入らないよう注意が必要です。



アルジネートが固まったら、今度は反対側にもアルジネートを練和して入れていきます。このときは計量スプーン6杯です。アルジネートをいれたら、粘膜面にもアルジネートもしっかり盛って、蓋を閉めます。

患者さまから入れ歯を30分くらいお預かりさせてもらい、作製用の型をとります。村岡先生はマスクをお渡しして、マスクをした状態で待合室で少しお待ちいただいているそうです。



上下のアルジネートが固まったら蓋を開け、エバンスでデンチャーを取り出します。ここまでできたら、デンチャーを患者さまにお返しし、次回の予約を取って帰ってもらって大丈夫です。

金属シェルの横にある溝に合わせて、エバンスを使ってアルジネートに溝を掘ります。これは後にレジンを流し込んだ時、余剰が流れ出るための溝になるので、きちんと掘るようにしましょう。

コピーデンチャー用のレジンを流し込む



村岡先生がコピーデンチャーを作製するときに使用されているレジンは2種類あり、ひとつはヨシダのコピーデンチャー、もうひとつは松風からでているフロータイプの即時重合レジンとのことでした。

これらは流れの良い即時重合レジンなので、一般的な即時重合レジンよりも操作性がよく初心者でも失敗なくコピーデンチャーを作製できるので使用されている、とおっしゃっています。

村岡先生はレジンを練和するとき、GCのシリコンラバーカップ(ラクソン用)が便利でつかっているそうです。サイズもちょうどよく、ひとつあればずっと使えるので気に入っているとのことでした。

レジンは1色で流す

本来のデンチャーであれば、人工歯は白、床はピンクと使用するレジンを変えます。しかし今回は咬合堤つき個人トレーとしてのコピーデンチャーの作成なので、1色のレジンをざっと流すことで、大幅に手間を省くことが可能です。



印象にレジンを流し込んだら、辺縁にもレジンを塗り蓋を閉じます。そうすると、さきほど作った溝からレジンが流れ出ますので、これが硬化したら(10〜15分程度)、型から外して大丈夫とのことでした。

アルジネート印象からレジンを流し込み蓋をするまでは、手早く進めていく必要がありますが、その先は時間があるときに進めていっても良いそうです。アルジネートが乾燥してしまうと変形する恐れがありますので、デンチャーを取り出したら、手早くレジンを流し込むようにしましょう。

出来上がったコピーデンチャーを改造していく


最終的には、バリを取って完成したコピーデンチャーを改造して、咬合堤つき個人トレーとして使えるようにしていきます。その方法については、続きの動画でお話しされておりますので、そちらの方も引き続きご視聴いただければ幸いです。


続きの動画はこちら
総義歯のコピーデンチャー2
https://ortc.jp/detail_movie.php?id=459
 

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