こんな方におすすめ

パーシャルデンチャーにはクラスプは不可欠な存在でありますが、義歯の着脱時に鈎歯に側方への揺さぶる力がかかり、予後に悪影響を与えることになります。
そこで着脱時に鈎歯を揺さぶらないシステムとして、W-Lock Dentureを考案されました。

また、日常の臨床で最も多く使われるエーカースクラスプも設計を変更することで鈎歯の負担を軽減できるのがIBA義歯設計です。
回転着脱は鈎歯の傾斜によってはアンダーカットが得られないときに有効な手段となり得る方法でしょう。

この三点は日常によくある症例に対応できるシステムであり、患者さんのQOLに貢献できるものでもあります。

 

Cr-Brに関しては近年著しい進歩がみられる。

そこには新しい概念がある。

「義歯にも同じように新しい概念が必要であり、臨床例を通じてどのような結果がえられるのかお伝えしたいと思っている」と青柳技工士は話します。

動画の紹介

●難症例な義歯にお悩みな方
●義歯に審美性を求めている方
●義歯の予後でお悩みな方
 

動画内容

全床義歯を作成する際、症例によっては義歯を作成できても浮いてしまったり固定できなかったりすることから、患者様の口腔内に負担がかかることがあるでしょう。
 

ここでは義歯を分割して作成し装着するダブルロックデンチャーについての復習と応用編について、青柳技工士が解説して参ります。

ダブルロックデンチャーとは?

ダブルロックデンチャーは、2014年に特許を取得したものです。
 

ダブルロックデンチャーに関して、初めて聞く方も多いかと思いますが、これまで歯科技工士というのは1ピースでの義歯作成が定評でした。

その点のデメリットを改善すべく誕生したものがダブルロックデンチャーとなります。


ダブルロックデンチャーには以下のような特徴が挙げられます。


・機能性

・着脱性

・誤飲の危険性


特に上記2つの機能性と着脱性に関しては、取り扱う患者様にとっても大きな課題となる点です。

機能性が高く、着脱がしやすければ食事も楽しめますし、洗浄もきちんと行えるでしょう。


このように、義歯を分割するということで、義歯作成、治療に関してもデザイン性が多岐に渡るので治療への柔軟性が格段に飛躍します。

 

詳しくはこちらから⇨難症例に適したデンチャーシステム 患者さんのQOLに貢献 前編

 

今回は応用編ということで、青柳技工士がパーシャルベンチャーにおいても優位性が分かるケースを用意して下さいました。


最近のクラウンブリッジにおいては、著しい変化を遂げていますが、インプラント等新しい概念が加わり、そこに伴う技術の進歩が見られていることが特徴とも言えます。

実際に合った難症例にダブルロックデンチャーを使用

以下は動画内で青柳技工士が実際立ち合った、難症例における全床義歯政策における症例の解説になります。

この点は、動画をご視聴されるとスムーズなので、ぜひ動画のご視聴をおすすめします。

主訴

・男性

糖尿病治療中

・管楽器を演奏するため、演奏の際に歯が浮かないようにしてほしい

担当歯科医師の見解

通常であれば、アンダーカットが強いことと下顎隆起であればフラットにしてからデンチャーを作成。


しかしこの患者様の場合、糖尿病をお持ちのため外科的治療(研磨、インプラント等)は避けたほうが良いと判断


全床義歯に関して、ダブルロックデンチャーの知識があったため、青柳技工士に全床義歯をダブルロックデンチャーでできないかと相談。

青柳技工士の見解

ダブルロックデンチャーを作成するにあたって、マグネットの数に関しては、患者様の口腔内状況を確認し普段の生活を理解したうえでないと調整できないと判断。


試作を繰り返し、ここでは3つのマグネットを使用してアッパーパーツとローワーパーツを作成し、患者様の装着時に立ち合う。


患者様は糖尿病を患っていらっしゃるので外科的な処置を避け、ローワーパーツをアンダーカットをして、下顎に滑り込ませて、マグネットを使う方法を検討。

【応用】ダブルロックデンチャーを使用する場合不可欠なこと

ダブルロックデンチャーを使用する際に不可欠なことは以下のとおりです。
 

1.診査と診断

2.配列試適

3.完成
 

各それぞれの段階で確認や必要な問診、データの処理と解析は必須になります。

これは他の歯科治療でも同じですよね。

1.診査と診断

診査と診断では、①マグネットとアッパーパーツが口腔内に入るかどうか②ローワーパーツで咬合床が作れるかどうかの2点を重点的にチェックします。


この難症例において、最も重要な咬合口径における6番。ここには人工歯、マグネットキーパーと本体が入るスペースが必要になります。

僅差はあるのですが、およそ15mmになるでしょう。

2.配列試適

口腔内で2つのマグネットを使い十分な磁力がが発揮できているのかどうかをチェックしつつ、配列を確認します。

ほとんどの場合が一度で完全に完成することはありません。


ここでは必ずローワーパーツから作成します。

そして患者様の口腔内に入れる前に磁力の強度と着脱のしやすさを確認するのです。

3.完成

ローワーパーツが完成したら、まず先にローワーパーツに合わせてトレイレジンで模型にマグネットを仮止め作業をします。

こちらが問題なければ、完成になります。

まとめ

ダブルロックデンチャーに関して基本と応用を二度に分けて青柳技工士に解説頂きました。

ここでダブルロックデンチャー関してまとめますと、
 

・機能性と着脱性、衛生面の向上

・部品が分割されるので、誤飲の危険性

・基本症例はもちろん、今回のような難症例に応用可能
 

ということが特徴として挙げることができます。

ぜひ診察をする上で治療法の1つとして知見を得ておくと良いかもしれません。


より詳しくダブルロックデンチャーに関して知りたいという方は、青柳先生へのお問い合わせをすると良いと思います。


資料請求はメールからとのこと。

クリニック名、住所、電話番号をご記載の上ご連絡くださいとのことです。

連絡先⇨ r1100r@giga.ocn.jp
 

ぜひ動画の視聴と知見を合わせて深めて下さいね。

担当講師

青柳光

青柳光 先生

代表
ほてつやAPL

技工士として38 年、日々臨床に取り組む。 義歯着脱時の問題の解決には抜本的な改革が 必要と考え、W-Lock Denture を考案。 ウイングロックデンチャーとリムーバブルウ イングデンチャーで難症例に挑む。

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