公開クリンチェック_横田先生_013

公開クリンチェック_早期の治療を希望された女性の症例

視聴料金
(税込)
980 レンタルする
視聴可能
講師
横田元熙
HIKARI Dental Clinic   MeLoS 代表講師
院長

こんな方におすすめ

●マウスピース矯正を取り入れている先生 

●日々の診療で困っている事がある先生 

●クリンチェックを学びたい先生

動画の紹介

数多くのクリンチェックを手掛ける先生が、「どこを見て」「何を考え」てクリンチェックを作成しているのか?

考えてみたことはないでしょうか。 

 

今回の動画では、皆様に好評の、横田先生による公開クリンチェックをご覧いただきます。

横田先生のクリンチェックの作成過程をご覧になりながら、学べることは多いはずです。

クリンチェック作成に時間がかかったり、どのように治療計画をしたらよいか分からなかったりする先生方にお勧めの動画です。

動画内容

今回は、20歳の女性患者さんのインビザライン矯正治療の症例を通じて、患者さんのニーズに応える効果的なアプローチについて考察していきます。

 

【症例紹介】早期治療完了を希望する20歳女性

横田歯科医師(以下:横田先生)の歯科医院を訪れた20歳の女性患者様は、「早く矯正治療を終えたい」という明確な主訴を持っていました。

 

マウスピース矯正を希望しており、すでに3〜4件の歯科医院を回られた後に横田先生の歯科医院を受診されたそうです。その時点で患者様は矯正治療に関して、かなり詳しい知識を持っており、特に治療期間の短縮を強く希望していました。

 

横田先生曰く、初診時の印象としては、比較的難しくない症例とのこと。

具体的には以下のような特徴があったといいます。

 

1. 骨格性の不調和が少ない

2. 歯列自体の不調和が少ない

3. 左側臼歯部はほぼⅠ級関係

4. 左上の第二小臼歯がやや捻転回転している

5. 第一大臼歯の関係は軽度のⅢ級傾向

6. オーバーバイトは軽度

7. 軽度の叢生がある

 

このような症例は、インビザライン治療の初心者でも取り組みやすいものといえるそうです。

クリンチェックの分析と治療計画

提出されたクリンチェック(治療計画)を分析すると、以下のような特徴がありました。

 

1. 総ステージ数:42ステージ

2. 上顎の動き:

  ・臼歯部全体が遠心方向に回転しながら移動

  ・前歯部は舌側移動とリトラクション

3. 下顎の動き:

  ・ 左下臼歯部から順次遠心移動

4. 上顎第二小臼歯の回転:

  ・ 約45度の回転を単独で矯正

  ・ 30ステージほどをこの回転に割り当てている

 

全体的な印象としては、実現性のあるクリンチェックだと横田先生は判断されました。しかし、患者さんの希望である早期治療完了を実現するためには、いくつかの改善点が必要とされます。

治療計画の改善点

早期治療で終えたい患者様の気持ちを汲み取り治療を行うには以下の点を改善する必要があると、横田先生は仰いました。

 

1. 第二小臼歯の回転補助:

 ・アタッチメントの大きさを変更し、より効果的な回転力を得る

 ・リンガルボタンと歯間ゴムを設定し、回転の補助を行う

 

2. 下顎臼歯の遠心移動に伴う前歯部のフレアアウト防止:

 ・Ⅲ級ゴムを使用(3-6間、16分の5インチ程度のミディアムフォース)

 

3. アタッチメントの調整:

 ・必要最小限のアタッチメント設定を行い、審美性と効果のバランスを取る

 

これらの改善点を実施することで、より効率的な歯の移動が期待でき、結果として治療期間の短縮につながる可能性を高めることができでしょうとのことでした。

 

光加速装置の活用

さらに治療期間を短縮するため、横田先生は女性の患者様に光加速装置の使用を提案しました。

 

従来は光加速装置を使用する際、アライナーの交換間隔を短縮していましたが、最近の臨床経験から新しいアプローチを採用しているとのこと。

 

ご存じの方は多いかもしれませんね。

 

1. アライナーの交換間隔は7日のまま維持

2. 光加速装置を使用することで、アライナーのフィット不良(アンフィット)を減少

3. 結果として、追加のアライナーが不要となり、全体の治療期間が短縮される可能性の向上

 

このアプローチにより、クリンチェックの精度を保ちながら、効率的に治療を進めることができると考えています。

患者さんの希望への対応

患者さんは口元を引っ込めたいという希望も持っていました。

この要望に対しては、通常3つのオプションを提示します。

 

1. ミニマムプラン:IPRを行いながら前歯部を2-3mm程度リトラクション

2. ミディアムプラン:小臼歯抜歯をもとにして5-6mm程度のリトラクション

3. マックスプラン:骨格的な不正がある場合、顎矯正手術を含めた8-9mm程度の大幅なリトラクション

 

この患者さんの場合、歯を抜かずにガタつきを取り、少しでも口元が引っ込むのであれば、それで良いという反応でした。このような患者さんの希望を十分に理解し、それに応える治療計画を立てることが重要です。

 

考察|効果的な矯正治療アプローチ

 

 

この症例から、効果的な矯正治療アプローチについていくつかの重要なポイントが浮かび上がります。あなたはわかりますか?

 

以下で確認してみましょう!

 

1. 患者さんのニーズの理解

治療の速さ、審美性、快適さなど、患者さんが何を最も重視しているかを把握することが重要です。

2. 詳細なクリーンチェック分析

提供されたクリーンチェックを細かく分析し、改善点を見出すことで、より効率的な治療計画を立てることができます。

3. 新技術の適切な活用

光加速装置のような新技術を適切に活用することで、治療期間の短縮と精度の向上を同時に実現できる可能性があります。

4. 柔軟な治療オプションの提示

患者さんの希望に応じて、複数の治療オプションを提示し、最適なプランを選択できるようにすることが大切です。

5. 継続的なモニタリングと調整

治療中も患者さんの反応や進捗を注意深く観察し、必要に応じて計画を調整することが重要です。

まとめ

 

この20歳女性患者様の症例を通じて、インビザライン矯正治療において患者さんのニーズに応える効果的なアプローチについて考察しました。

 

患者さんの希望を十分に理解し、それに応える治療計画を立てること、そして新しい技術や手法を適切に活用することの重要性が再確認できたと思います。

 

今後も歯科矯正の分野では、技術の進歩と患者さんのニーズの多様化が進むと予想されます。この症例のような取り組みを積み重ねることで、より多くの患者さんに満足度の高い矯正治療を提供できるようになるでしょう、と横田先生も仰っています。

 

詳しくはぜひ動画を観て復習してみてくださいね。

お読みくださりありがとうございました!

 

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ここまでお読みくださりありがとうございました!

 

 

編集・執筆

歯科専門ライター 萩原 すう

教えて先生

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