こんな方におすすめ

歯科材料でのお悩みはありませんか?

・材料について学びなおしたい先生
・なんとなく理解していたことをしっかり把握したい先生
・最新の材料について学んでおきたい先生

今回の動画は、これらの先生方に特に見ていただきたい内容となっております。

歯科材料についてイラストを用いながらわかりやすく学べるようお話しいただきました。 最後までご視聴いただけると幸いです。
 

動画の紹介

本動画では歯科で使用する材料について、さまざまな専門学校で講師をされている歯学博士の片岡有先生に講義していただきました。

今回は材料の分類についてザックリ理解できる内容となっています。

なかなか苦手に感じられている先生も多いと思いますが、知っておくだけで臨床にも良い影響が現れると思いますので、是非ご覧ください。
 

動画内容

歯科材料の基本の“き”


歯科理工学の専門である片岡先生に、歯科材料の基本をご説明いただきました。

先生方の中には「歯科理工学は難しい」「学生時代、悩まされた」とあまり良い思い出のない方も多いかもしれません。ここでは簡単にわかりやすく、噛み砕いてお話していただいております。

少しでも知識をプラスして、日々の診療に役立てていただけると幸いです。

歯科材料は3つに分類できる

歯科材料を考えていくまず第一歩として、材料は大きく3つに分類することができます。その3つとは「金属材料」「セラミック材料」「レジン系材料」です。
歯科材料に限らず、世の中の全ての材料はこの3つに分類できると片岡先生はお話されています。材料を理解することで、臨床もぐっと面白くなるはずです。それぞれの特徴を簡単に抑えていきましょう。

1.金属材料


金属は「原子+自由電子」という構造で成り立っています。自由電子とはその名の通り自由に動き回ることのできる電子のことですが、自由電子というものを難しく考える必要はありません。「油のようなもの」と捉えて考えていきましょう。

「(潤滑の役割として)油があるため、金属は折れることなく曲げることができる」ということが理解できていれば、金属の特徴としてはほぼOKとのことでした。

特徴1.曲げることができる
歯科材料でよく目にする曲げることのできる金属といえば、矯正用のワイヤーなどが思い浮かぶかと思います。金属材料は、自由電子が手を組み換えて自由に動くことで曲がることができます。

特徴2.バネの働きがある
金属材料は曲がるだけではなく、そこから元の状態に戻ろうとするバネの働きも持っています。矯正治療ではこの力を利用して歯を動かしたりしている、というわけです。

特徴3.電気を通す
金属最大の特徴は、電気を通す、ということです。これは他の材料にはない、金属ならではの能力といえます。

特徴4.光を通さない
金属は原子や自由電子がぎっちりと並んでいるため隙間がなく、光を通すことがありません。これも金属材料の大きな特徴です。

2.セラミック系材料


歯科業界ではセラミックスは名詞、セラミックは形容詞、という暗黙の了解があります。ですから、セラミックスのクラウンはセラミッククラウンと呼びます。

セラミック系材料は原子から成り立っており、金属との違いは「自由電子の有無」だと考えることができます。

特徴1.光を通すものと通さないものがある
原子が規則的に並んだものを結晶、バラバラなものを非結晶と呼びます。我々がガラスと呼んでいるものは非結晶のもので、隙間があるため光を通します。ジルコニアなどは結晶ですので、光を通さないのだと片岡先生はお話されています。

特徴2.割れやすい、曲がらない
金属とは違い自由電子が存在しないため、曲げようとする力がかかっても曲がることができません。その結果、耐えきれなくなるとポキッと折れるしかなくなってしまいます。

金属製のワイヤーでも、何度も曲げ伸ばしを繰り返すことで折れてしまうことがあります。これは曲げ伸ばしを繰り返した部分の自由電子が減り、一部がセラミック系材料と同じような構造になってしまうことが原因です。

そう考えると、金属材料とセラミック材料は同じような構造も持っている、全く異なるモノではない、と考えることもできます。しかし、次に説明するレジン系材料には大きな違いがあります。

3.レジン系材料


レジン系材料は、高分子の束によって作られています。鎖状になった高分子がどのように絡み合うかで線状高分子と架橋高分子にわけることができます。レジン系材料は、金属材料やセラミック系材料とは全く違った、鎖から成る材料です。

天然の高分子と合成された高分子が存在します。洋服の生地に例えると、天然の絹や綿といった素材が天然高分子、合成繊維が合成高分子、といった感じです。

特徴1.洋服のようにヨレる
鎖の束が絡み合っているレジン材料では、洋服が何度も洗濯しているとヨレるのと同じように、鎖が片寄るとヨレてしまいます。

特徴2.洋服のように破れる
ヨレが強くなってくると、着古した洋服と同じように最終的には破れてしまいます。


歯科材料のなかで線状高分子に含まれるものには、義歯や即時重合レジン、アライナーなどがあります。加熱すると柔らかくなる、つまり熱で変形してしまうというのが特徴です。

架橋高分子に含まれるものは、コンポジットレジンなどがあります。熱で変形してもらっては困るものなどに使用されています。

最後に

片岡有先生の「歯科材料基本の”き”」は、パート2へと続きます。パート2では材料についてさらに詳しくお話いただいております。

引き続き、動画をご視聴いただけると幸いです。

【次の動画】
歯科材料基本の”き”
材料の大分類と特徴2 前編
https://ortc.jp/detail_movie.php?id=453
講師 片岡有先生
 

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