こんな方におすすめ

●エンド治療のスキルアップを望んでいる先生
●最新の治療方法を学ばれている先生
●基礎知識を高めたい先生

 

 

動画の紹介

日本歯内療法学会専門医である、小道先生が教えるエンド病変について講義いただきました。

歯科治療における各分野の専門家と新進気鋭の歯科医師達が集まった「MeLoS」の講師である小道俊吾先生。
MeLoSで活躍するメンバーはそれぞれが専門性を身に付けており、且つ、全国の歯科クリニックにて専門教育の実施を行い歯科クリニックの発展に日々貢献していらっしゃいます。
この動画は、「MeLoS」のサービスを受けている先生向けにスキルアップを目的とした動画コンテンツです。

動画内容

見えない病変により歯科治療が思うように進まない…そんな悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

このような場合には、歯内で何が起きているのか、イメージを掴むことが重要です。

 

イメージが掴めれば、

 

・診断が確実になる

・処置の計画を立てやすくなる

 

といったメリットがあります。

ここでは、歯内療法の専門家である小道先生をお招きして見えない病変が見えてる臨床的エンド診断PulとPerについてエンド病変の捉え方を解説頂きます。

歯内療法の専門家小道先生

 

小道先生は西宮北口ライズ歯科というところで院長をしております。

2012年に大阪大学を卒業して、大阪大学の中の歯内療法の専門家である保存科というところに入学されました。

 

現在の肩書きとして、歯内療法学会の専門医ゾーン学会の認定医をお持ちです。

知られていない歯内療法について

 

エンド病変とは、歯科の中で全く見えないところになります。見えないからこそ、その歯内で起きている炎症が非常に分かりにくいのです。

その上で小道先生は「2009年より以前の治療の失敗症例の累計があります。この中で抜髄の1.24倍、感染根管処置に問題があったという結果があるのです」と話しました。

 

ここで歯科医師の小道先生が参考にされたデータは、歯科医院のホームページによく使われるものとのこと。

要約すると、抜髄は論文的に成功率90パーセントと言われています。

 

ですが日本では、そうではないということになるのだそうです。

根管治療の現状

抜髄と感染根管処置の比率というのは、この10年間、いろいろなエンド療法のコンセプトが変わって進化してきました。

ですが2023年現在、全く変化がありません。

 

根幹治療を成功させるためには 3つのコンセプトがあります」と小道Dr。

 

その3つのコンセプトとは、

 

①感染源の除去

②感染源の除去中の術中感染防止

③感染源を除去し再感染を防ぐ感染経路の遮断

 

とのことです。

上記3つの輪が交わり、初めて歯内療法が成功すると言えるのですが、現状はこれらのコンセプトの中の、1部分しか占めていないとのこと。

 

「歯内療法の成功率が上がっていない現状は、処置方針と治療方針が決定して初めてこのコンセプトが生かされてきます」と小道先生。

このことからも、3つのコンセプト以前に根管治療において診断はとても重要と言えるでしょう。

エンド療法は革新的に変化しているのに感染根管症は倍に

2009年から現在の2023年の間で エンド療法は大きく変わりました。

 

・マイクロスコープの普及

・CTの普及率向上

・使う器具の質や衛生問題の改善

・根幹、充填における治療法の向上

 

これら4つの点から見ても変化は著しいと言えます。

 

これに対して感染根管処置が何件だったかというと、56万件。

抜髄の何倍かというと、綺麗に1.24倍なのだそうです。

ここで治療方針を決めるのに役立つエンド療法

 

 

「治療方針を決めるためにも、まずは最初に審査、診断というものが大前提になって参ります。ここでは、審査と診断について詳しく解説していきます」と小道先生。

 

小道先生による審査と診断の話はPulまたはPerかという話になりやすい現場での診断の前に、このPulなのかPerなのか審査する前に、 エンド病変をどう捉えるかということにあるのだそうです。

 

つまり、 どの組織が炎症を起こしているかということをイメージできるかに尽きてくるのです。

原因は歯髄組織か歯周組織かどちらか

エンド病変で炎症を起こす組織というのは、以下の2つになります。

 

・歯髄組織

・歯周組織

 

歯髄組織が炎症を起こしているものに対してはPul、 歯周組織または根尖性の種に対してはPerと呼ばれます。

 

「注意して頂きたいのはこのPuかPerというのは、それぞれ歯髄組織と歯周組織、根尖性の歯周組織のことについての、その炎症の状態を表しているのであって、PulでありPerであることもあり得るということです」とのこと。

 

Pulだったら絶対Perはないとは言い切れないというのが小道先生の見解です。

 

「アメリカのエンド学会(AAE)では、エンド病変に診断をつける時に、1つの歯に対して2つの診断をつけます」と小道先生。

 

理由として、

 

・その鉗子の歯髄はどうなっているか

・根尖性の歯周組織はどうなっているか

 

に着目する必要があるからです。

 1つの歯に対して2つ病名をつけて診断をする考え方は非常に大事です。

歯髄組織と歯周組織の考え方

 

歯髄組織と歯周組織の考え方は、どこから細菌が入ったかということになります。

そしてこの原因を除去することが歯内治療に繋がるのです。

 

細菌感染がどこから発生したかを明確にし、細菌感染を取り除いて、再感染しないようにすること。

 

しかしここで歯内治療の難しい点は、人間の体で例えると、皮膚の炎症が起こると炎症で腫れますよね。

腫れて伸び、膨らむことによって中の圧力が逃げていくことができるのですが、歯内の場合はそうはいかないところにあります。

歯髄組織は負のスパイラルが起こりやすい

歯髄組織は歯という硬い殻に覆われている状態ですよね。そのため、中で炎症が起こると腫れることができません。だからこそ中の炎症によって 圧力がすごく強くなります

 

ここで分散できない圧力が原因で、別の新しい炎症が起こるという負のスパイラルが歯内療法では多数発生します。

 

「歯髄組織においては、まず原因除去をして その炎症をした歯髄が元に戻るのか戻らないのかというのを診断します。そこから歯髄処置をして温存療法なのか、抜髄なのかを判断していく必要があります」とのことでした。

まとめ

小道先生による#1の動画はいかがでしたでしょうか。

エンド病変についての流れを再確認しましょう。

 

①炎症を起こしているのは歯髄または歯周周組織のどちらか、あるいは両方かを診断

②炎症がなぜ起きたのかの原因を把握する

③原因除去

 

こちらが基本治療の流れになります。

 

私たちの体は原因除去によって治癒する力を持っています。

ですが歯髄は硬い組織の中にあるので 、一度炎症が起こると壊死をしていく可能性があります。

 

なのでこの歯髄の炎症に関しては、原因除去した上で、歯髄が元に戻るのか、壊死していくのか診断を行っていくのです。

元に戻るのであれば歯髄温存療法、元に戻らなければ、 歯髄処置を行っていく必要があります。

 

次の動画では、歯髄組織の炎症について見ていきます。

 

・それらの原因として何があるのか

・どういう診断をすればいいか

・原因除去した結果、歯髄が元に戻るのか

・その歯髄診断はどのようにして行っていくのか

 

上記を小道先生がより詳しく解説して下さいます。

ぜひ次の動画もご覧くださいませ。

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