講師紹介 柴田暁晴
- 柴田暁晴
- しばた歯科・可児おとなこども矯正歯科 院長先生
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この動画では、柴田暁晴先生がデジタル技工の実際について詳しく解説しています。デジタル技工を導入することで、診療の効率化やコスト削減、治療の精度向上など、さまざまなメリットが得られる一方で、初期投資や技工士の習熟度の問題など、導入時に考慮すべきポイントも明示されています。
柴田先生は、デジタル技工を導入することのメリットとして、チェアタイムの短縮、患者の負担軽減、データのクラウド保存による模型保管の不要化を挙げています。具体的には、スキャンに要する時間が短縮され、効率的なワークフローが実現されると説明しています。一方で、初期投資のコストや機材の買い替えのタイミングが難しいこと、技工士が不在の場合にその投資が無駄になるリスクについても触れています。
デジタル技工を用いたクラウン・ブリッジの作成方法について、アナログからセミデジタル、フルデジタルの各段階の比較が行われています。アナログでは多くの工程が必要で時間もかかる一方、フルデジタルでは印象をスキャンし、デザイン・研磨・装着といった簡潔な工程で完結します。また、院内で最新のセレックシステムと3シェープのシステムを比較した際の結果についても、セレックの操作のしやすさとコストの高さに触れています。
現在、柴田先生の医院ではジルコニアを主に使用しており、透明度の高いディスクの選定により審美性も向上しています。ジルコニアのコストは金属クラウンに比べて安価であり、耐久性も高いため、患者の満足度向上にも寄与しています。また、ジルコニアの接着が強固であるため、脱離のリスクが少ないことも強調されています。
デジタル技工はインプラント治療との相性が非常に良く、スキャンボディを用いることで正確な位置合わせが可能になると説明しています。従来の印象材を用いた方法ではなく、スキャンによるデータ取得によって効率的なワークフローが実現されています。
柴田先生の医院では、オールオンX治療においてもデジタル技工を導入しており、CTやiOSのデータを組み合わせたシミュレーションによって、精度の高い治療が行われています。インプラントの埋入位置やガイドの作成、上部構造のデザインまですべてデジタル技工で行っていると述べています。
フルマウス治療について、柴田先生は2016年から導入し、2022年にデジタル技工の完全導入を実現しました。特に、治療計画をCADデータに基づいて立てることで、患者への説明もスムーズに行えるようになり、治療の制約率が向上しています。フルマウス治療では、患者の噛み合わせをデジタルデータでシミュレーションし、最終的な形状を正確に再現することが可能になったと述べています。
インハウスアライナーの導入についても説明があり、柴田先生の医院では、独自のソフトウェアを使用してアライナーを作成しています。特に、インビザラインのソフトウェアであるクリーンチェックが優れており、その機能を活用することで治療の精度が向上していると説明しています。
動画の最後では、柴田先生が治療計画を立てる際のポイントについて詳しく解説しています。デジタル技工を用いることで、診断から治療計画、実際の治療までの一貫した流れを構築できることが強調されています。また、治療の過程で得られたデータを患者に提示することで、患者自身の理解が深まり、治療の満足度も向上するとのことです。
この動画は、デジタル技工の導入を検討している歯科医院や歯科医師にとって、非常に参考になる内容です。デジタル技工の具体的な導入手順や使用する機材の選び方、導入後の効果的な活用方法について、柴田先生の経験に基づいて詳しく説明されています。デジタル技工のメリットとデメリットを理解し、自院の導入計画に役立ててください。