こんな方におすすめ
舌診断から未病を防ぐ・今回は舌の色「白色」・「赤色」編です。
舌の色味や形態により現わしていることが異なります。実際の舌の写真を紹介いただきながら解説をしていただきました。
ぜひ患者さんが来た際にそのようなお色の方がいましたらぜひ参考にしていただきたいです。
舌は全身を映す鏡。
舌には全身から発せられるシグナルが現れることをご存じでしょうか。
中国で発展してきた中医学の考え方であり、皆さんも色や形態に違和感を覚えることはないでしょうか。
このコンテンツでは、そんな舌に現れる情報を見逃さず日々の診療に活かせるよう、
全国のクリニックで教鞭をとられているイ・リナ先生に、舌診断についてケースごとにご紹介いただきました。
先生に限らずスタッフの方もご覧いただけますと、
患者さんの情報を得やすくなったり状況の判断ができたり、患者さんとの信頼関係を気付く上でも活用できるのではないでしょうか。
患者さんとのコミュニケーションも取りやすくなるなど知っていて損はない内容です。
動画の紹介
●患者さんとのコミュニケーションに困っている
●舌について学んだことがない方
●スタッフにも同時に学んでもらいたい先生
動画内容
歯科医院向けのセミナー配信サイト「ORTC online」では歯科医療従事者が専門的な知識と技術を習得することを目的に様々な診療科目のセミナー、動画の配信を行っております。
今回ご紹介するセミナー動画は、国際TCHケアオフィス株式会社代表取締役イ・リナ講師による「舌」のお話です。このセミナー動画を見ると、
✔︎ 舌から分かる全身状態
✔︎ 舌の見方と舌の色調
✔︎ 薬膳について
の3つの項目を理解することができます。
なぜ舌を見たら全身状態がわかるのか
舌の表面粘膜は新陳代謝が盛んです。約3日で新しい組織と交換されると言われているため、病気のサインが迅速に出ます。
また、舌の粘膜は非常に薄く、血管がよく見えるため血液の状態がわかりやすいです。この血液の色が舌の色として映し出されます。
舌の状態から分かる全身状態
舌を見ると、
✔︎ 血液・栄養の状態
✔︎ 熱や冷えの状態
✔︎ 体調の程度
などがわかります。
これらは舌の「舌先・舌の両脇・舌の中央・舌根」から「舌質(色調・形状・状態)・舌苔・舌下部静脈」を見ることで体調の変化を判断することができます。
舌の見方について
患者さまに「舌を出してください」とお伝えすると舌に力を入れてまっすぐに出される方がいます。
しかし、舌に力が入っていると的確な判断ができませんので、力を抜いてリラックスした状態で舌を出していただくことをはじめにお伝えしましょう。
また、食後ですと色の濃い飲食物が舌に残っている場合がありますので、主訴が舌の異常という患者さまには、なるべく食前に来院していただきましょう。
加えて、術者側が気をつけることとしては、自然光で観察することです。
明るすぎるところや暗すぎるところで観察しても患者さまの舌の異変に気付かないかもしれません。
また、寒さ・暑さなどにも考慮し、患者さまの唇の色などにも注目してみましょう。
注目すべき舌の色調
✔︎ 白っぽい
✔︎ 赤い
✔︎ 濃い赤
✔︎ 紫
特にこの4つの色調をしている場合は注意しましょう。今回は「白っぽい舌」と「赤い舌」に注目します。
赤みが薄く白っぽい舌の場合は、次のような全身状態の場合があります。
✔︎ 栄養不足
✔︎ 疲れやすい状態
✔︎ 顔色が悪い
✔︎ 元気がない
また、全体的に赤みを帯びている舌の場合は、
✔︎ 身体のどこかに炎症がある
✔︎ 余分な熱がこもっている
✔︎ 水分の不足
✔︎ 熱を冷ます力が弱い
✔︎ ストレスが溜まっている
舌の色からこのように判断することができます。
このような舌の色は漢方薬を服用することで改善することができますが、漢方は苦く飲みにくいことから全ての患者さまに受け入れていただけるわけではありません。
薬膳の考え方
薬膳は中国料理の底流にある医食同源という考え方です。全ての食べ物は薬としての効能を持つと考え、食事を見直すことで健康増進を図ることが大切です。
例えば、赤みを帯びている舌が見られる場合は、熱を冷ます食べ物である「きゅうり・ゴーヤ・ナス・スイカ・そば」などを摂取することで舌の色調改善に繋がりますので、患者さまに一言アドバイスをするのも良いでしょう。
舌診断のまとめ
舌の異常は私たち歯科医療従事者が1番に発見することができます。診療の際には患者さまの舌にも注目するようにしましょう。