こんな方におすすめ
「そもそもインビザラインGoとは?」
「なぜGPにインビザラインGoがお薦めなのか」
「どんな症例から始めるべきなのか」
今回は歯科医師の野田先生に GPのインザラインGOを活用するということで、審美や補綴とのコンビネーションについて解説して頂きました。 前回でも好評だった野田先生の『GPのためのインビザラインGO取り入れた矯正実践論』に続きまして、ここでは『インビザラインGOはどのような症例時に使えるのかや、審査や信頼度に関して説明してくださいます。
マウスピース矯正のインビザラインGOやそのメリットデメリット、始めやすい症例などをお話ししていただきました。矯正専門医でなくても、インビザラインGOに補綴や審美を組み合わせる事により、インビザラインやインビザラインGOのニーズはもっと高まると先生はお話しされています。具体的な審査・診断方法も説明されているので、ぜひインビザラインGOを取り入れて、治療に生かしていただければと思います。
動画の紹介
●インビザラインGOについて学びたい先生
●日々の診療で困っている事がある先生
●マウスピース矯正を取り入れている先生
動画内容
インビザラインが主流となっている現在、GPにとって部分矯正はまだあまり認知されていない傾向があります。
ですが野田先生は「GPは矯正をやっていく予定がない中でもニーズがでてきます」と話しました。
インビザラインGOについて説明していただいた上で、顎関節症がある患者さんに対してのアライナー矯正を踏まえたアプローチを紹介。
その症例の後、アライナーと補綴のコンビネーションの症例を3ケース解説して頂きましたのでご覧ください。
野田歯科医師について
歯科医師の野田和秀先生は、2007年に愛知学院大学歯学部を卒業され、 ペリオやインプラントのような局所的な治療に興味を持たれ臨床を経験を積まれたそうです。
その中で、矯正や咬合の治療に対して興味を持ち、 義歯の勉強をされました。同時に学術発表を多数経験されています。
野田歯科医師にとっても矯正の敷居は高かった
GPを行い矯正というのは敷居が高いと思われる歯科医師の方は多いでしょう。
野田先生もそのひとりであったそうです。
「初めは補綴全矯正下顎前歯のクラウディングを直したり、咬合平面を直したりMTMを行うところからスタートしました」とのこと。
小児からの予防治療も重要と考え、小児矯正にも力をいれている野田先生。
専門医が行うようなワイヤー矯正は便利ですが、歯科予防治療を同時に行い成果を出すには難しいと感じていたそうです。
「インビザラインをはじめとしたアライナー矯正への進歩により、 専門医と同等の矯正がインビザラインでできないかを考えた時に、アライナーの勉強を重ね、小児歯科医療に生かす方法はないかと考えていました」とのことでした。
インビザラインとインビザラインGOのちがい
インビザザインGOは20ステージまでの治療が可能です。
つまりおよそ5ヶ月から6ヶ月程度の範囲で前歯から小臼歯までの移動が期待できます。
対してインビザラインのように全顎すべて矯正ができるものは、 基本的に歯牙移動の制限がありません。
ワイヤー矯正治療と同等に歯牙移動させる事が可能です。
ではインビザラインGOとインビザラインの大きな違いを以下で解説します。
大臼歯の移動を視野に入れなくていい
インビザラインGOは、大臼歯を動かすことは基本的に考える必要がありません。
インビザラインGOでは大臼歯を動かさないことから妥協的な治療になってしまうというイメージを持つ歯科医師の方もいらっしゃるでしょう。
ですが、矯正において大臼歯は固定源という考え方が重要になります。
その上で大臼歯を動かさず、固定源として使いながら矯正治療をすることは可能です。
コストの削減が可能
インビザラインGOとインビザラインでは料金も大きく変わります。
野田先生は「僕の場合はインビザラインGOとインビザラインの両方においてライセンスを持っているので、患者さんに合った治療法を選択し提案しています」とのこと。
インビザラインとインビザラインGOの矯正治療の知見を持っている野田先生。
なぜGPにインビザラインGOがおすすめなのでしょうか。
「経営面で見たメリットとしてインビザラインを主流にしている医院が中都市でも多くなっています。技工料費も高くなってしまうため、利益を考えるとインビザラインのみの矯正治療だけでなく、インビザラインGOとの併用が効果的になると考えています」と野田先生は話しました。
インビザラインGOのメリット
インビザラインGOのメリットとして、次の2つが代表的です。
・インビザラインGOによる他院との差別化
・他の治療との組み合わせが可能
野田先生は加えて「費用面や工程数削減の時間の確保ができる」ということも仰っています。
インビザラインGOによる他院との差別化
2023年現在でインビザラインとの差別化をするには、インビザラインGOを取り入れることも視野に入れると良いでしょう。
中には歯科医師だけでなく歯科衛生士の方と連携して行うことで時間にゆとりが生まれ、スタッフとの連携が強固となる意味でも他院との差別化になります。
他の治療との組み合わせが可能
まずインビザラインGOは妥協治療では決してありません。
このことは野田先生も強く仰っています。
今回のテーマでもあるGPにとって、矯正しか手がないということはありません。
補綴という大きい武器があるので、補綴と組み合わせることでコンサルテーションの幅が広がり、 補綴だけで考えていた患者さんに対して矯正を絡めることにより高いゴール設定ができたりするのです。
インビザラインGOとGPは相性が良い
ある程度軽度なケースの場合には大臼歯を動かす必要がないことがあります。
その場合、およそ5ヶ月から6か月で設定したゴールにたどり着くことも可能です。
「症例によってインビザラインGOかインビザラインを使い分けることができれば、インビザライン専門の矯正医との差が出にくいということもあると考えています」 と野田先生は話しました。
実績を積んだ矯正歯科医師に近づいた治療ができる
矯正の治療経験が少ない先生においてはとくに、歯牙移動が制限されてたり、期間が制限されてる方が治療がスムーズにできることもあります。
「症例さえ絞れば失敗する可能性は格段に低くなるでしょう」と野田先生は仰います。
インビザラインGOができれば補綴に加えた治療が可能に
「経営面でメリットがあることから、インビザラインGOと補綴を組み合わせる治療を、僕自身も多用しています」と野田先生。
資料サイトに関しても簡単にまとめると次のようなものになるそうです。
・腔内写真
・顔法写真
・セファロ分析
加えて補綴治療では、
・顎位の診断(下顎位中心)
・口腔内写真を8枚撮影
口腔機能の評価や顎関節の評価、下顎位の審査は重要になります。
「これらの審査の上で、全ての症例に手をつける必要はGPにはないといえるでしょう。
ですから自分ができる範囲で最適な治療を選び組み合わせることが重要になってくるのです」とのことです。
まとめ
アライナー矯正においてコンプライアンスが悪い場合、IPRを許容しない患者さんは当然合わないだろうと野田先生は仰います。
「インビザラインGOでは重度の叢生。その中でも特に抜歯症例開咬3級や歯冠長が短いケースは不向きになってくるでしょう。また、臼歯と犬歯双方が1級関係で下顎位のずれがなかったり、顎関節症がなかったりした場合。叢生が軽度でオーバージェットやオーバーバイトも比較的少ないケースにおいてのわずかな叢生では、アライナー矯正、特にインビザラインGOは有益だと思います」と野田先生は話しました。
臼歯の補綴を受け入れてる患者さんにとってはさらにイージーなケースになると思うので、このような症例からまず始める方は手をつけられるといいかなと思います。
後編では、顎関節症のある症例のケースについて取り上げ、①中心位のスキャン②補綴とのコンビネーション について掘り下げた内容を動画内で解説しています。
詳しくはぜひ次の動画をご覧ください。