こんな方におすすめ
今回は、PMC株式会社 代表取締役会長兼CEOを務める中野善夫講師による講義です。
前半では日本の財政状況や医療費について詳しくお話しています。
昨今、医療費の逼迫だけでなく人口減少は大きな問題になっており、国も施策を打ち出し始めています。
そうした背景を踏まえて、今後安全な歯科医院経営をするためにどのような対策をとるべきか、今回の講義で学んでいきましょう。
ぜひ、最後までご覧ください。
動画の紹介
?今後の歯科医院経営に頭を悩ませている先生
?自費診療を取り入れようと考えている先生
?か強診(かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所)を取り入れたい先生
動画内容
まず、現在の日本の財政状況を表した図をご覧ください。
令和元年と令和2年度の財政図です。
一般会計歳入は国の収入を示しており、一般会計歳出は国のコストを表しています。
ここで注目していただきたい場所が、歳入欄にある公債金です。
公債金とは、国が借金をすると入ってくるお金のことを示しています。
やや金額が大きいことからピンとこない方のために、財政状況を家計で例えてみましょう。
このスライドを見て、みなさんはどう思いますか?
収入に比べて支出が上回っているばかりか、赤字を埋めるためにサラ金から借金をして穴埋めをしている…。
つまり、この逼迫した状態が現在の日本の財政状態になります。
まさに日本はこの「サラ金で借金を穴埋めしている」状態なのです。
ということは、日本の財政状態は火の車であることがおわかりになるでしょう。
ちなみに、このような財政状態は昭和50年頃からはじまっているとされています。
借金を補い続けた結果、国の借金が1,000兆円を超えてしまったのです。
ここで主要7カ国の債務残高を見ると、日本の債務残高があまりにも高すぎることがわかります。
なぜ、日本はこんなにも借金積み重ねているのでしょうか。
実は、国を運営するための金額のなかでダントツに多いのが社会保障費です。
グラフを見ると、社会保障費だけで2020年度は約135兆円まで借金が膨れ上がっています。
このままだと4年後には150兆円にまで到達する見込みです。
解決策としては社会保障費を抑えることが望ましいですが、そのなかでも抑えることができないのが「医療」と「介護」です。
この2つが財政を圧迫しているといってもいいでしょう。
では、ここから国民医療費について詳しく見ていきます。
年々医療費が上がる一方で、医療支出がものすごいスピードで上がり続けていることがわかります。
内訳を見ていくと、外来コストや入院コストが伸び続けているなかで、一際伸び率が大きい項目があります。
それが薬局調剤医療費です。
この薬局調剤医療費に関しては、アメリカの2倍にもあたる費用だといわれています。
アメリカの人口が日本の約2.5倍と考えると、いかに大きな数字かおわかりになるでしょう。
対して、歯科医療費は横ばいを保っています。
なぜ30年間変化がないのかというと、保険診療収入としての医療費が30年間なにも変化がないためです
歯科では、新たな診療が組み込まれていない背景もあることから、診療収入ベースが変わっていません。
さらに年齢別で見た医療消費率の割合を見ていくと、0~44歳で20%未満、64歳まで組み込むと約40%、65歳以上では6割を占めています。
生活習慣病と合併症による医療費の増大が7割といわれているため、これらの医療費を抑えたいというところが国の本音なのです。
現在、日本の人口はどんどん減少の一途を辿っています。
人口減少や医療費の逼迫は、今後の歯科医院経営に悪影響を及ぼしかねません。
では、私たちが安全な歯科医院経営をしていくために、どのような対策をしていけばいいのでしょうか。
その答えが以下のキーワードです。
さらに「か強診(かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所)」も対策の1つに加えられています。
どうしても申請のハードルが高いこともあり、いまだに普及率が伸びていないことが実情ですが、か強診(かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所)を取り入れることで歯科衛生士の機能が最大限に生かされるといえるでしょう。
かかりつけ医の観点から見ても、メンテナンスをする歯科衛生士の存在は必要不可欠です。
国としては医療費削減のために、重症患者を減らしていきたいという思惑があります。
そのためにも、訪問診療を拡大させたい狙いがあるのです。