その事故は、なぜ起きた? 日常臨床に潜むインシデント

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その事故は、なぜ起きた? 日常臨床に潜むインシデント 高田訓
講師
高田訓
奥羽大学歯学部歯学科口腔外科学講座 教授

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動画時間:01:28:45

講師紹介 高田訓

  • 高田訓
  • 奥羽大学歯学部歯学科口腔外科学講座 教授
  • 日本口腔外科学会認定 口腔外科専門医・指導医をはじめ、口腔顔面神経機能学会 口唇・舌感覚異常判定認定医、日本口腔検査学会認定医、日本口蓋裂学会口腔外科分野認定師を取得、日本歯科医学会や精密触覚機能検査研修協議会の委員を務める。 著書に『標準口腔外科学 第4版(医学書院)』、『口腔内科学(永末書店)』『口腔外科学 第4版(医歯薬出版)』などがある。
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こんな方におすすめ

口腔外科手術を日常的に行う歯科医師

埋伏歯抜歯やインプラント治療を行う歯科医師

医療事故(アクシデント)対策を学びたい歯科医師

動画の紹介

本動画では、大阪歯科大学口腔外科学講座の高田先生が、実際の歯科医療インシデント事例とそのアクシデントへの発展を防ぐための臨床的知識を詳しく解説します。
 

下顎管損傷などの神経麻痺が起きた際の初動対応の重要性を強調。特に、麻痺の状態を数値で客観的に記録できる精密触覚機能検査(SW 近テスター)の臨床的有用性と、研修受講の必要性を具体的に示しています。若手の歯科医師だけでなく、リスク管理を徹底したいすべての歯科医療従事者におすすめの充実した内容です。

動画内容

抜歯時のリスク:窒息の危険性と鉗子の認識

まず、乳歯や過剰歯の抜歯時に歯が咽頭へ落下し、誤嚥や窒息につながる可能性のある「空飛ぶ歯」の事例を提示。抜歯鉗子が「歯を掴むものではなく、脱臼させるもの」という解剖学的・力学的認識の転換を促し、破骨鉗子のような把持力の高い器具の使い分けの重要性を説きます。小児歯科や一般歯科における抜歯処置のリスク意識を高めます。

下歯槽神経麻痺の客観的評価:SW近テスター

インプラントや埋伏智歯の抜歯に伴う下顎管損傷による下歯槽神経麻痺の事例を取り上げ、事故後の隠蔽の禁止と症状の客観的な記録の必要性を強調しています。SW近テスター(精密触覚機能検査)は、麻痺の程度を数値化し、治癒の過程を明確に患者に提示できるため、患者との信頼関係維持と医療紛争の予防に極めて有用です。さらに、ビタミンB製剤や遠赤外線レーザーによる神経回復促進治療についても触れられています。

誤抜歯と術前の情報確認の重要性:知識表記の混在

誤抜歯の事例では、FDI方式とユニバーサル方式(アメリカ式)の知識番号表記の混在が原因となり得る危険性を指摘。国際的な情報共有や外国人患者の診療時において、知識番号だけでなく右下顎第一小臼歯のように部位を明記することの医療安全上の絶対的な必要性を訴えています。また、レントゲン画像の左右の反転ミスという、デジタル時代の新たなインシデントにも警鐘を鳴らしています。

その他の偶発症と鑑別診断の鉄則

皮下気腫の発生メカニズムを、タービンやスリーウェイシリンジから噴射されるエアと水の勢いに関連付けて解説し、圧迫の制御の重要性を示唆。また、抜歯窩への印象材の迷入による異物肉芽腫の形成事例から、局所麻酔下での印象採得の危険性を訴えています。さらに、口腔がんの存在に気づかず抜歯を行うことの危険性を指摘し、「2週間治らないアフタ(潰瘍)」は扁平上皮癌を疑い、速やかに口腔外科へ紹介する鑑別診断の鉄則を強調しています。最後に、術後のうがいや冷罨法が治癒を阻害する可能性にも触れ、創傷治癒を妨げないための術後指導の適正化を提唱しており、エビデンスに基づいた日常臨床の再考を促す内容です。

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