こんな方におすすめ

レジン系材料でのお悩みはありませんか?

・材料について学びなおしたい先生
・なんとなく理解していたことをしっかり把握したい先生
・最新の材料について学んでおきたい先生

今回の動画は、これらの先生方に特に見ていただきたい内容となっております。
レジン重合についてイラストを用いながらわかりやすく学べるようお話しいただきました。 最後までご視聴いただけると幸いです。
 

動画の紹介

本動画ではレジン系の材料について、さまざまな専門学校で講師をされている歯学博士の片岡有先生に講義していただきました。

モノマーって何?ポリマーって何?果たしてレジンって何?という方を対象に説明していただいております。

材料を知ることでより治療の精度が上がると思いますので、ぜひご覧ください。
 

動画内容

レジン重合の基本のキ

「レジンが硬化した」とよくいわれますが、実際にはレジンは「重合」というかたちで硬化している、ということを念頭に置いておく必要があります。

重合とは、モノマーやポリマーを反応させてつなぎ合わせ合成する化学反応のことです。では、レジン重合の流れについて、みていきましょう。

レジン重合の流れ

片岡先生はわかりやすいように、レジンの原料を「マー君」と「マー君ママ」としてお話をしてくださいました。マー君が小さくて軽いと流動性のある液体(フロー)、大きくて重いとペーストなります。

マー君ママは、マー君たちに指令を出すことができます。マー君ママが何かしらの刺激を受け「横一列に並ぶように」と指令をだすと、マー君たちは逆らうことなくきちんと並ぶことができます。

1本の長い鎖のように伸長したマー君とマー君ママが何組もできあがると、鎖のように絡み合っていきます。鎖同士が絡み合うことでさまざまなかたちに硬化する、というのがレジン重合の流れです。

重合収縮のしくみ

レジンで重合がおきると、重合収縮というものが起こります。どうして収縮が起こるのかというと、マー君やマー君ママは手を繋ぐように伸長しているため、手と手が重なり合う分だけ短くなってしまうからです。

重合収縮はレジン重合を行ううえで避けられない現象である、と先生はお話されています。

レジン重合に関する用語説明

レジン重合に関する用語について、簡単にまとめてみていきましょう

【マー】
レジンの原料となるもの。

【モノマー(マー君)】
モノとは「1」のこと。1つのマー。

【ポリマー】
ポリとは「たくさんの」という意味。
マーがたくさん集まっている状態。

【ポリマーの束】
ポリマーが集まるとレジンとなる。

【重合開始材(マー君ママ)】
マーに対して、一列に並ぶよう指令を出す。

重合開始材にもさまざまな種類があります。「液と粉を混ぜることで重合を開始させる化学反応(常温重合)タイプ」「熱を加えることで重合を開始させる加熱重合タイプ」「光をあてることで重合を開始させる光重合タイプ」などです。

常温重合タイプは、テンポラリークラウンの作製や義歯の修理によく用いられるレジンです。加熱重合タイプはデンチャーなどの専門分野で使用されることが多く、診療室ではあまり見かけることはないかもしれません。

光重合タイプは成形修復材料のコンポジットレジンとしてよく用いられます。また、接着用セメントにも光を当てることで硬化するレジンセメントがあります。

線状高分子と架橋高分子

続いてレジンの種類について、見ていきましょう。レジンの鎖の絡み合い方には2種類存在する、と片岡先生はお話されています。それぞれについて詳しくみていきましょう。

鎖の絡み合い方により、線状高分子を主体にするものと架橋高分子を主体にするものに分けることができます。

【線状高分子とは】

・鎖と鎖がただ絡み合っただけの状態
・主体とするモノマーはMMA
・PMMAレジンとよばれる
・熱可塑性(熱で軟化する性質)がある
・アライナーなどに用いられる
・アクリル酸から作られるアクリルレジンなどが有名

【架橋高分子とは】
・絡み合った鎖同士が手を繋いでいる状態
・主体とするモノマーはBis-GMA、UDMA、TEGDMA
・熱可塑性がない

これらの性質を理解し、先生方が普段使っているレジンとはどういうものなのか、少しでも考えるきっかけになっていただければと思います。

片岡有先生の「歯科材料基本の”き”」は、パート2へと続きます。パート2では、レジンセメントを中心にお話いただいております。

引き続き、動画をご視聴いただけると幸いです。


【次の動画】
歯科材料基本の”き” レジン系材料2
https://ortc.jp/detail_movie.php?id=456
講師 片岡有先生
 

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