こんな方におすすめ

●難症例な義歯にお悩みな方
●義歯に審美性を求めている方
●義歯の予後でお悩みな方

動画の紹介

パーシャルデンチャーにはクラスプは不可欠な存在ですが、義歯の着脱時に鈎歯に側方への揺さぶる力がかかり、予後に悪影響を与えることになります。
そこで着脱時に鈎歯を揺さぶらないシステムとしてW-Lock Dentureが考案されました。

日常の臨床で最も多く使われるエーカースクラスプも少し設計を変更することで、鈎歯の負担を軽減できるのがIBA義歯設計です。
回転着脱は鈎歯の傾斜によってはアンダーカットが得られないときに有効な手段となり得る方法。

この三点は日常よくある症例に対応できるシステムではあり、患者さんのQOLに貢献できるものでであるとされます。
 

Cr-Brに関しては近年著しい進歩がみられる。
こには新しい概念がある。 

 

「義歯にも同じようにあたらしい概念が必要であり臨床例を通じてどのような結果がえられるのかお伝えしたいと思っています」と青柳技工士は話します。

動画内容

W Lock Denture(ダブルロックデンチャー)は、本来1ピースで構成されており、そのまま装着する義歯の構造を分割したものです。

分割して義歯を取り付けるという概念を利用することで、鈎歯へのゆさぶりを軽減し、予後の負担を少なくする画期的なシステムになります。

ここではその考案者である青柳技工士に、改めてダブルロックデンチャーについて解説して頂きます。

青柳技工士について

青柳光技工士は、千代田区神田がご出身。

その後1978年に東京医科歯科大学の科学部付属社会福祉学校に入学されました。

その過程で本科に2年間在籍し、1980年に卒業されたとのこと。


当時の歯科では実習科というものがあり、そこに入学4年間技工に関する知見と技術を学んだ濃密な4年間だったそうです。


卒業後は、個人経営の歯科医院に就職。
こちらの歯科医院は個人経営でありながら、補綴保存や矯正、口腔外科など多様にわたる専門の先生が、曜日ごとに診察されているとのこと。

個人のクリニックとしては非常に充実した医院で経験を積むことができたとのことでした。

W Lock Denture(ダブルロックデンチャー)とは

ダブルロックデンチャーは、2014年に特許を取得したものです。

ダブルロックデンチャーに関して、初めて聞く方も多いかと思いますが、これまで歯科技工士というのは1ピースでの義歯作成が定評でした。


その点のデメリットを改善すべく誕生したものがダブルロックデンチャーとなります。

ダブルロックデンチャーには以下のような特徴が挙げられます。

 

・機能性

・着脱性

・誤飲の危険性

 

特に上記2つの機能性と着脱性に関しては、取り扱う患者様にとっても大きな課題となる点です。

機能性が高く、着脱がしやすければ食事も楽しめますし、洗浄もきちんと行えるでしょう。


このように、義歯を分割するということで、義歯作成、治療に関してもデザイン性が多岐に渡るので治療への柔軟性が格段に飛躍します。


この点こそ、患者様にとってのQRLを挙げる特徴になります。

以下では上記3つに関して、深堀して解説しますのでご覧ください。

ダブルロックデンチャーの機能性

機能性として、パーツごとに修理が可能です。

実際の症例で、糖尿病をお持ちの患者様がいらした際は、外科的手術は行えません。

 

その際に軟組織を扱い、義歯の装着を支援する手段をとって使用したとのことです。

義歯の装着のデメリットとして、必ず鈎歯に揺さぶりがかかり横方向に力が加わってしまいます。

 

ですがダブルロックデンチャーを用いることでこの負担は大きく軽減が可能です。

W Locu Dentureの着脱性

着脱性は、使用者となる患者様でも気軽に行えるように設計されていることが特徴です。

「毎日使うものなので、取り付けしやすく外しやすい設計をとっています」と青柳技工士。

 

ダブルロックデンチャーは分割して義歯を作成しているため、取り付けるのにステップは要しますが、それでも大きな負担にはなりません

 

「しっかりとした構造を与えることにより機能性が高まります。これまで20数種でやってきましたけれども、装置がバラバラになってしまうというようなトラブルは起きていません」とのこと。

 

ダブルロックデンチャーの設計時にマグネットを取り入れることによって 双方が自力で引き合い、自然と正確な位置に収まります。

ですので、着脱に困ることはないということです。

ダブルロックデンチャーの誤飲の危険性

パーツが分割されている義歯という意味では、極小の義歯パーツを誤飲をしてしまう危険性は免れません。

これはダブルロックデンチャーのデメリットではあります。この点は留意した上で、禁忌の扱いとして設計します。

 

禁忌とした条件に適用される場合は、主に幼児が対象となります。

子どもの誤飲が1番危険なことは、歯科医師の方であれば皆さんお分かりかと思います。

ダブルロックデンチャーの応用

ダブルロックデンチャーによる義歯を分割するという発想には、以下のメリットが挙げられます。

 

1.鈎歯から着脱する際の揺さぶりがかからない

2.神秘性に優れている

3.フレームアウトしてしまった歯列にも対応可

4.レジンの使用で口腔内に直接修理が可能

5.残存歯とのスペース間を防ぎ、食物酸化が軽減

 

退縮した歯肉部分を回復させるので、違和感がないことから、非侵襲的な補綴が可能な点も魅力の1つと言えます。

 

半面デメリットもあります。

 

前述した誤飲の危険性が主に挙げられるデメリットとなりますが、この点は設計から作成まで歯科技工士と歯科医師が連携を取り入念なチェックを行うことで改善が可能です。

 

詳しくは動画の中で青柳技工士がご説明されていますので、ぜひご覧くださいね。

まとめ

ここまで青柳先生の講義の中で重要な内容をかい摘んで概要としてまとめさせて頂きました。

ダブルロックデンチャーは機能性と着脱性に加えて審美性も高いことから、これから多くの患者様に利用される機会が増えていくかと思います。

 

処置方法や義歯の設計、また実際の症例までを動画の中で青柳技工士がまとめて解説してくださっているので、ぜひスライドを見比べながら使える症例は日頃の診断に活かしていただければ幸いです。  

 

ぜひ動画と概要を合わせて目を通して頂くと身になると思いますのでご参考にしてくださいませ。

担当講師

青柳光

青柳光 先生

代表
ほてつやAPL

技工士として38 年、日々臨床に取り組む。 義歯着脱時の問題の解決には抜本的な改革が 必要と考え、W-Lock Denture を考案。 ウイングロックデンチャーとリムーバブルウ イングデンチャーで難症例に挑む。

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