こんな方におすすめ
新渡戸康希先生のマウスピース矯正シリーズ。
今回は、抜歯基準についてお話しいただいています。
中でも重要なのは、 IPRや遠心移動、犬歯間拡大がマウスピース矯正の最大の特徴です。
治療の失敗を避けたいのは多くの症例を担当している歯科医師の方々なら思うことでしょう。
元々一般歯科医である新渡戸先生が経験してきた失敗をもとに、これさえ守れば失敗しない内容をまとめました。
これがすべてできれば先生のスキルが上がる事間違いなしですよ!!
ぜひご覧ください!
動画の紹介
●マウスピース矯正を始められる先生
●マウスピース矯正で不安や悩みがある先生
●マウスピース矯正関連でクレームなどに悩みを抱えている先生
動画内容
「マウスピース矯正をするからには抜歯はつきもの?」と考えている歯科医師の方は多いでしょう。
しかしそのようなことは一切ありません。
ここでは新渡戸歯科医師が抜歯を行う前に必ず検討して欲しいIPRについて解説しています。
上手にIPRができれば、抜歯をしなくてもスペースを作ることが可能です。
是非ご覧ください!
【新渡戸先生基準】IPRから考えるマウスピース矯正
マウスピース矯正は、抜歯が必ずしも必要となるわけではありません。
新渡戸先生はその前置きの後に以下のことを述べられました。
その内容は次のとおりです。
・IPRの適切な量と部位
・犬歯間歯列の拡大の重要性
詳しくは以下で解説いたします。
IPRの適切な量と部位
マウスピース矯正においてIPR(Interproximal Reduction:隣接面削合)を行う場合、一度に0.5mmずつ入れるのが適切です。
まずは、IPRを上下の歯列で合計11箇所に対してIPRを行って考えていきましょう。
ただし、7番の歯に関しては、インビザラインによる遠心移動を優先的に考えます。
上顎では4mm、下顎では3mmの遠心移動が可能です。
この数値以上を検討すると、クリンチェックに手慣れている方はご存じかと思いますが予測実現性が低くなります。
このようにIPRを適切に行うことで、歯の配列を整えるためのスペースを確保することができます。
IPRをして確保できたスペースをみてから抜歯を考える方が患者様のためにもなりますよ。
犬歯間歯列の拡大の重要性
マウスピース矯正で歯列の拡大を行う際、特に犬歯間の拡大は重要です。
一般的に、1mmの拡大が安心して行える範囲とされています。
3mmもの拡大を行うと、マウスピースによる歯の脱落や移動の失敗につながる恐れがあるので注意しましょう。
1mmの拡大により、0.6mmのスペースを確保することができます。
このスペースを利用して、歯の配列を改善していきます。
遠心移動による小臼歯抜歯の回避
マウスピース矯正では、遠心移動を活用することで小臼歯の抜歯を回避できる可能性があります。
小臼歯1本分のスペースを確保するために、遠心移動を行うことができます。
患者様にとって、歯を抜くことは最善の選択肢ではありません。
マウスピースによる矯正治療では、IPRや犬歯の拡大、遠心移動を組み合わせることで、抜歯のリスクを削減することが可能です。
まとめ
新渡戸先生の話をまとめますと、次のことがいえます。
・マウスピース矯正において、IPRは0.5mmずつ、上下合計11箇所に行うのが適切
・7番の歯は遠心移動を優先し、上顎で4mm、下顎で3mmの移動
・犬歯間の拡大は1mmが安心で、0.6mmのスペースが確保可能
・遠心移動により小臼歯1本分のスペースを作ることで、抜歯を回避できる可能性向上
繰り返しますが、患者さんにとって抜歯は最善ではありません。
私自身も、歯科医院に行ってすぐに抜歯処置となったら怖いです…。
IPRや犬歯の拡大、遠心移動を組み合わせ、リスクを削減することが重要になっていきます。
マウスピース矯正では、これらの要素を適切に組み合わせることで、効果的な治療を行うことができるでしょう。
新渡戸先生のこの動画『絶対に失敗しないマウスピースの矯正33のこと』シリーズはまだまだ続きます。
ぜひORTC限定の新渡戸歯科医師特別講義を引き続きご覧ください!
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ここまでお読みくださりありがとうございました。
動画の方も是非ご視聴ください!
編集・執筆
歯科専門ライター 萩原 すう