公開クリンチェック_新渡戸先生_002

30代女性 叢生の改善を主訴とした患者さんの症例1

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講師
新渡戸康希
医療法人社団杏壬会 池袋みんなの歯医者さん 矯正歯科・こども歯科
院長

こんな方におすすめ

ORTC onlineの人気企画の症例相談をしている模様を見れるコンテンツです。

多くのパターンを見ていくことで、先生のクリンチェック作成および診断力も高まります

今回の動画は、主訴が叢生の改善ということでクリンチェックをチェックを行っていく過程です。

新渡戸先生が的確にアドバイスをしていきます。

動画の紹介

・インビザライン治療を学びたい先生 

・様々な症例を見たい先生 

・クリンチェックの動かし方を見たい先生

動画内容

ORTC恒例企画、ベテラン歯科医師に症例について相談するこの企画は大変好評をいただいております。

 

今回は、『池袋みんなの歯医者さん』の院長を勤める新渡戸先生をお招きし、悩みを抱える歯科医師の方の症例を一緒に診て解決していきましょう!

【症例相談】30代女性の叢生改善

 

今回ご相談対象の症例のご紹介です。

 

・30歳の女性

・【主訴】叢生の改善したい

 

とのことで来院されたそうです。

歯科医師の所見

 

ご提示のクリンチェックはエンジニアの方から受け取ったものになります。

 

今回相談をされた歯科医師の方の第1計画の所見は次の通りです。

 

・バイトはCRにより構成咬合

・右側の側切歯が早期接触があり

・ 下顎がスライドしている状態

・全体嵌合するような形

 

エンジニアの方から受け取った時点のクリンチェックの枚数は35枚

 

しかし実際は黒マルが多く点在することから、現実的ではないと判断されたようです。

全突下顎をからしても現実的ではありませんとのことでした。

 

このことから、非抜歯を検討

しかし臼歯からの遠心移動を考慮するステージ数が多くなってしまったところです。

【第2計画】歯科医師の所見

 

ここで抜歯も計画に入れて再検討

第1計画よりは黒マルが改善されましたが、まだ点在する状態です。

 

「このバイトはCRで取ってるっていうことをどのように考慮し、 考えに入れて計画に組み込めばいいのか。この点を教えていただけたらと思います」と歯科医師は新渡戸先生に仰いました。

新渡戸先生の見解

 

相談されている歯科医師の方の所見を聞いた後に、新渡戸先生は「この症例で抜歯はほぼ免れないでしょう」と回答されました。

 

その理由として、

 

①鞍上歯列級により抜歯は必須

②ボルトン分析から均衡を判定

③インビザラインは回転が不得意

 

こちらの3つを挙げられました。

①鞍上歯列級により抜歯は必須

まず下顎の叢生数と、鞍上歯列級であることから抜歯は計画に入れた方が良いとされました。

 

「5番が舌側傾斜しており、6番が近心移動しているため、6番と7番の位置も通常より近心移動している状態です」と話します。

 

 ここで5番の舌側傾斜の時に4番または5番を抜くか検討していくとのことです。

②ボルトン分析から均衡を判定

4番または5番のどちらを抜歯するかというのは、多くの先生も悩むでしょう。

ここで新渡戸先生は以下のように仰っています。

 

「ボルトン分析で、下顎右下の4番が7.56ミリで、左下の4番は7.61ミリあります。左下の4番は最大復景ですので、7.61ミリのスペースを確保することができるでしょう」

 

ここで覚えておきたいことはオーバートリートメントです。

 

抜歯をした時に、7.61ミリ、0.1ミリの狂いもなくスペースを使い切ることはまずできません。

ほとんどのケースがスペースを余らせてしまいます

③インビザラインは回転が不得意

今回の症例では回転が50度以上しているのですが、インビザラインというのは、回転が不得意というデメリットがあります。

 

新渡戸先生は「シャベル状接歯のようになっているとアライナーがツルツルと滑ってしまいますし、下顎前歯部では唾液によってツルツルと滑ってしまうのです」とのこと。

 

30度から50度でインビザラインでの予測実現性にばらつき出てきます。

だからこそ新渡戸先生は、「回転は25度以下に落としましょう」と話しました。

 

そうでなければ、アライナーがズレてしまうとのことです。

だからこそ、ファースト治療計画からいきなり50度を目指すわけではなく、まずは25度を考えていきましょうと言うことでした。

④改善できない叢生の回転はそのまま患者へ

叢生の回転がほどけきれないということは、最初に伝えておいた方がいいでしょう」と新渡戸先生。

 

「その上で了承を頂きサインをしてもらうことが1番いいと思います」 とのことでした。

 

アライナーが浮き上がってしまう箇所は、両隣在歯も必ずアライナー浮き上がってしまいます。

そのために、叢生がほどき切れないことは十分にあるので、まずその点を踏まえた上で治療計画を考えていかなくてはいけません

【注意】インビザラインでは側方拡大に配慮

 

今回の症例に関して側方拡大と言っても単純に側方拡大してるわけではありません。

 

「よくあるのは、側方へのリセッションです。クワドヘリックスを使って4番と5番が離脱しそうな先生とかもいらっしゃるのは事実です」と新渡戸先生は話しました。

 

ヒスを起こす、または 下顎前歯部のリセッション、歯肉退縮に関して考えることは非常に重要なことです。

ですが、側方も同様に注意する必要があります。

まとめ

今回の新渡戸先生による症例相談#1はここまでになります。

 

以下がこの動画でのまとめとなりますのでご確認ください。

 

①鞍上歯列級により抜歯は必須

②ボルトン分析から均衡を判定

③インビザラインは回転が不得意

 

加えて、インビザライン治療は側方拡大に配慮する必要が挙げられます。非抜歯の場合なら尚更です。

 

詳しくは次の動画にて、新渡戸先生と相談をされる歯科医師の方との対談が深堀された内容で確認できるので、ぜひご覧ください。

 

担当講師

新渡戸康希

新渡戸康希 先生

院長
医療法人社団杏壬会 池袋みんなの歯医者さん 矯正歯科・こども歯科

ORTC onlineでは「絶対に失敗しないマウスピース矯正33のこと」を始め動画コンテンツで自身の経験を多くの先生方に共有。インビザラインが日本で導入されて以降、数々のセミナーや勉強会を開催し多くの先生方の学びを後押し。インビザライン治療における、予測実現性を高めるクリンチェック作成を日々追求され、治療技術だけに留まらず、集患・院内体制・経営思考なども伝えることで、これからの歯科医院の在り方についてもアドバイスを行っている。

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