講師紹介 鈴木貴規

- 鈴木貴規
- ニューヨーク大学歯学部歯周インプラント科臨床准教授
- プロフィールページ


インプラント
医療安全から考えるGBR|危険な態度を避ける治療計画と安全管理の基本
重大な合併症は、知識や技術だけで説明できるのでしょうか。本編では航空分野のヒューマンファクターを歯科治療に置き換え、術者の思考傾向と治療計画を見直します。
講師はテネリフェ空港事故を例に、判断の積み重ねが重大事故へつながる構造を紹介します。そこで示されるのは、反権威、衝動性、自信過剰、諦めなど、判断を偏らせる態度です。
これらを個人批判として扱うのではなく、自分にも起こり得る認知の偏りとして捉えることがポイントです。インプラント治療の神経損傷例と治療計画の5要素を通じ、確認すべき対象を具体化します。
この記事で整理すること
講演では、FAAが示す危険な態度を外科治療へ重ねています。急いで決める、経験だけで新しい情報を退ける、自分には事故が起きないと考える、できると過信する、問題に直面して諦める。こうした態度は、誰にでも入り込む可能性があります。
重要なのは、該当する性格を決めつけることではありません。忙しさ、時間の制約、患者からの要望などにより判断が傾いていないかを、処置前に確認できる仕組みへ変えることです。
講師は下歯槽神経損傷の症例を示し、二次元画像上の距離だけで判断する危うさを説明します。パノラマ画像には拡大や歪みがあり、数値を知っていることと、実際の三次元的位置を把握することは同じではありません。
距離のルールを形式的に守るだけではなく、画像の性質、頬舌的位置、代替治療の可能性まで含めて検討する必要があります。GBRやショートインプラントなどの選択肢も、解剖学的リスクを避ける文脈で比較します。
講演では、インプラント、軟組織、骨造成、修復物、患者という5つの要素が示されます。GBRはこのうち骨造成を担いますが、患者が直接評価するのは見た目や修復物、周囲組織であることも少なくありません。
骨を増やすこと自体を目的にせず、最終補綴に必要な位置と輪郭から造成量を考えます。材料を多く入れればよいわけではなく、欠損形態、固定、軟組織管理がそろって初めて狙った結果に近づくという流れです。
ここが実践ポイント
ORTC PRIME会員対象動画
GBRの可能性と必要性 基本編|医療安全と治療計画

この動画で学べること:FAAの危険な態度を歯科医療に置き換え、神経損傷の回避と補綴主導のGBR計画を具体的に考えられます。
おすすめ:インプラント外科の安全管理を見直したい歯科医師、治療計画を標準化したい院長・勤務医におすすめです。
ORTC PRIMEで臨床知識を継続的にアップデート
まだORTC PRIMEに登録していない方は、会員プランをご確認ください。歯科医師として必要な臨床知識・経営スキルを、月額定額で学べます。
テネリフェ空港事故とFAAの危険な態度を手がかりに、GBR・インプラント治療で人的要因をどう捉えるかを整理します。下歯槽神経損傷の症例や治療の5要素から、術者の判断と治療計画を見直します。
