動画の紹介
歯周病は単なる感染症ではなく、バイオフィルムと生体防御のバランスが崩れることで進行する疾患です。
本動画では、歯周病の病態論から、規格性のある口腔内写真やデンタルX線写真10枚法を用いた正確な検査の重要性について詳しく解説しています。
患者への動機付けでは、欠点の指摘ではなく「できている所」を認めるコーチングの手法を紹介。
さらに、歯肉を傷つけないSRPの勘所や、シャープニングの重要性など、具体的かつ実践的な手技にも触れています。
糖尿病や高血圧といった全身疾患との関わりを意識し、口腔ケアを通じて患者の人生に寄り添う歯科医療の在り方を提示する、全歯科従事者必見の内容です。
動画内容
歯周病の病態理解と正確な資料採取の重要性
歯を失う主因である歯周病治療の第一歩は、患者に病態を正確に伝えることです。歯肉炎から歯周炎へ至るプロセスや、歯槽骨吸収のメカニズムを視覚的に説明する必要があります。
現在の病態論では、歯周病は単純な感染症ではなく、宿主の感受性やライフスタイルの変化により細菌との均衡が崩れた状態と捉えます。そのため、菌をゼロにするのではなく、生体防御力が上回る環境を整えることがゴールとなります。 このゴール設定に欠かせないのが、規格性のある資料です。
口腔内写真や平行法によるデンタルX線写真10枚法、そして6点法によるプロービングを定期的に実施することで、主観を排した客観的な評価が可能になります。
特に健康な時のデータは、将来の病的変化に気付くための貴重な指標となります。
患者の意欲を高めるコミュニケーションとSRPの真髄
治療を円滑に進めるには、患者との情報共有と信頼関係の構築が不可欠です。
TBI(Tooth Brushing Instruction:ブラッシング指導)においては「磨けていない部位」を指摘するのではなく「磨けている部位」を褒め、その技術を苦手な部位へ応用させる誘導が効果的です。患者自身が治る力を発揮できる環境作りこそが、歯科医療従事者の本来の役割と言えます。
実技面では、超音波スケーラーで大きな縁下歯石を破砕し、仕上げにキュレットを用いて根面を滑沢化するルートプレーニングが重要です。器具のシャープニングを怠らず、歯肉を愛護的に扱う手技が治療結果を左右します。
また、歯周病は糖尿病や高血圧などの全身疾患と密接に関連しています。口腔内の急激な変化から全身の異変を察知し、医科へ紹介することで、歯科から患者の命を守る視点を持つことが、人生100年時代に求められる歯科医療の姿です。