人生100年時代に本当に患者さんの健康を守るための歯科医療の取り組み方

「う蝕=穴」だと思っていませんか? 削らずに“知識”で治す、これからのカリオロジー

「う蝕=穴」だと思っていませんか? 削らずに“知識”で治す、これからのカリオロジー 丸山 修平
講師
丸山 修平
医療法人仁志会 丸山歯科医院

講師紹介 丸山 修平

  • 丸山 修平
  • 医療法人仁志会 丸山歯科医院
  • 2011年に日本歯科大学生命歯学部を卒業し、歯科医師免許を取得 。現在は丸山歯科医院にて常勤で診療にあたる傍ら、地域のかかりつけ医として予防歯科の普及に尽力している 。 特に日本ヘルスケア歯科学会においては、オピニオンメンバーとして「東京ワンデーセミナー責任者」や「歯科衛生士育成コーススタッフ」を務めるなど、歯科従事者の教育・育成に深く携わっている 。また、WEBセミナーへの出演や、専門誌『歯科衛生士』への記事寄稿など、多方面で最新の歯科医療情報を発信している 。
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こんな方におすすめ

  • う蝕予防のメカニズムを再確認したい歯科医師
  • 患者への効果的な保健指導・食事指導を学びたい歯科衛生士
  • 予防歯科を基盤とした診療スタイルを確立したい開業医

動画の紹介

第2回目となる本セミナーでは、歯を失う大きな原因である「う蝕」の本質に迫ります。

講師の丸山修平先生は、う蝕を「細菌による非感染性の動的疾患」と定義し、削って詰めるだけの修復治療では再発を防げないことを強調。 バイオフィルム下のpH変化や、特定の菌だけでなく口腔内環境全体を捉える生態学的プラーク仮説に基づき、真の病因論を紐解きます。

 

特に、砂糖摂取によるプラークの質的変化や、酸蝕症との鑑別、フッ化物の濃度別による再石灰化促進メカニズムの違いなど、明日からの臨床で患者さんにそのまま説明できる具体的な知識が満載です。

動画内容

う蝕の本質:脱灰と再石灰化の動的プロセスを理解する

多くの歯科診療現場では、う蝕による実質欠損が生じた際に、タービンで切削し修復物を充填することが「治療」と考えられがちです。

しかし、丸山修平先生は「窩洞はう蝕の結果に過ぎない」と断言します。う蝕の正体は、歯の硬組織からカルシウムやリン酸塩が溶け出す脱灰と、唾液中の成分が歯に戻る再石灰化が絶えず繰り返される化学的な変化です。このバランスを知識によってコントロールすることこそが、真のう蝕治療であり、患者の歯を守る唯一の方法です。

細菌から食事へ:生態学的プラーク仮説に基づくアプローチ

かつては特定の菌(ミュータンス菌等)を排除すれば予防できると考えられていましたが、現代では「生態学的プラーク仮説」が主流です。これは、口腔内のpH環境によって菌の代謝が変化し、酸性環境下で生き残れる菌が優位になるという考え方です。

したがって、ブラッシング指導で菌を減らすだけでなく、砂糖の摂取頻度を管理し、プラークの質自体を変えることが重要になります。動画内では、間食制限によって「粘着性のあるプラーク」から「落としやすいプラーク」へと劇的に変化した症例も紹介されています。

フッ化物の戦略的活用と「プロのかかりつけ」によるリスク管理

再石灰化を促進するフッ化物の活用についても、濃度別の使い分けが詳述されています。家庭で日常的に使用する中濃度フッ化物と、歯科医院で塗布する高濃度フッ化物の役割の違いを理解し、効率的に「フッ化カルシウムの貯金箱」を歯面に形成する重要性が説かれます。

また、ライフステージごとに変化するリスクを、日本ヘルスケア歯科学会のリスクアセスメントツール「クラスプ(CRASP)」等を用いて継続的に評価し、記録を蓄積していくことが、患者が一生涯自分の歯で過ごすための「予防型診療所」の核となります。

教えて先生

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