こんな方におすすめ
上顎前突(出っ歯)症例の治療に悩む一般歯科医・矯正歯科医
Eライン改善など、審美的な要求が高い患者を多く診る歯科医師
クラス2症例における抜歯の必要性や診断基準を再確認したい方
動画の紹介
上顎前突(クラス2)はマウスピース矯正(インビザライン)において最も症例数が多い不正咬合であり、患者の多くが口元を下げたいという審美的な要望を持っています。
本動画では、オーバージェットの正確な定義(5mm以上など)を基に上顎前突を診断する重要性を解説。単に歯が出ているだけでなく、下顎が交代している見かけの出っ歯を鑑別し、その場合は前方誘導が必要となる治療方針の根本的な違いを明確にします。
口元を下げるという目標達成のためには抜歯も積極的に考慮すべきとし、不可逆的な処置の判断基準をクラス3治療との比較を通して深く掘り下げ、契約率と患者満足度を高めるための実践的な知識と技術を提供します。
動画内容
クラス2不正咬合の診断と審美的要求への対応
上顎前突(クラス2)は、インビザライン治療において最も遭遇する頻度の高い不正咬合であり、患者の審美的要求(Eラインの改善、口元を下げたい)が強いのが特徴です。
そのため、単に咬合を改善するだけでなく、これらの主訴に応えることが契約率と患者満足度の鍵となります。まず、オーバージェットが5mm以上など、明確な数値基準に基づいた上顎前突の診断を行う重要性を強調しています。
さらに、上顎の歯や骨が前に出ている真の上顎前突と、下顎が後退していることによる見かけの出っ歯をセファロ分析などを用いて鑑別することが、治療方針を誤らないために極めて重要であると説きます。下顎交代症例では、上顎の遠心移動ではなく、顎間ゴムを用いた下顎の前方誘導が必須となります。
抜歯の積極的検討と治療計画の逆算思考 🦷
クラス2の多くの患者が求める「口元を下げる」という目標を達成するためには、クラス3治療で優先した可逆的な処置(バイトランプ、IPRなど)に加え、上顎4番抜歯や上下顎4番抜歯といった不可逆的な処置も積極的に検討する必要があると述べます。
安易な遠心移動やIPRでは口元の顕著な変化は得られないため、治療終盤になって患者の審美的な不満が噴出するリスクが高まります。これを避けるため、治療計画立案時もクラス3と同様に、不可逆的な処置(例:上下顎4番抜歯)を設定したクリーンチェックから開始し、そこから非抜歯へと段階的に処置を外していく「重度症例からの逆算思考」のプロセスを推奨。
これにより、治療限界を早期に把握し、現実的な治療目標を患者と共有することが可能となります。
クラス2治療の成否を分ける科学的診断 📈
クラス2治療の成否は、上顎が出ているのか、下顎が下がっているのかという科学的な診断(A点、B点の計測など)にかかっています。
単なる審美的な要望だけでなく、噛み合わせの改善という機能的な側面も考慮した上で、顎間ゴムによる前方誘導、抜歯によるスペース確保、遠心移動といった多様な治療オプションを適切に選択する技術が求められます。
この動画は、矯正治療において最も多く、かつ審美的要求が強いクラス2症例に対して、歯科医師が自信を持って治療を行い、患者満足度と契約率を向上させるための、基本かつ最も重要な知識を提供します。