講師紹介 高野正博

- 高野正博
- たかの歯科医院
- 院長
- 「目標を持ち、それを実現するための経営スキルを身につけることで、理想の医院経営が可能になる」という考えのもと、多くの歯科医師に向けて、医院経営のサポートを行っています。
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医院経営に課題を感じている開業医の先生方
日々の診療に追われ、どんぶり勘定になりがちな経営から脱却したいと考えている先生におすすめです。キャッシュフローの基本的な考え方から、具体的な管理手法「お金のブロックパズル」の活用法まで学べます。自院の財務状況を正確に把握し、経営判断の質を高め、将来を見据えた安定経営を実現するための実践的な知識を得ることができます。スタッフとの円滑なコミュニケーションのヒントも満載です。
これから歯科医院の開業を予定している歯科医師の先生方
開業は多くの歯科医師にとって大きな目標ですが、同時に資金繰りや事業計画策定といった経営面の不安も伴います。この動画では、開業時に直面しやすい資金繰りの課題や、失敗しないための事業計画の立て方について、キャッシュフローの観点から具体的に解説しています。開業前に必須となる財務知識の基礎を固め、現実的な収支計画を立てるための実践的なツールとして「お金のブロックパズル」の活用法を学ぶことができます。
医院経営への理解を深めたい勤務医の先生方
将来の開業を見据えている、あるいは現在の勤務先での貢献度を高めたいと考えている勤務医の先生方にも有益です。院長や経営陣がどのような視点で医院を運営しているのか、売上や経費、利益構造について具体的に理解することができます。「お金のブロックパズル」を通じて、医院全体の財務の流れを知ることで、日々の診療がどのように経営に結びついているかを把握し、より主体的に業務に取り組む意識を高めるきっかけとなるでしょう。
医院の財務状況や自身の貢献度を理解したい歯科衛生士・歯科助手・受付スタッフの方々
日々の業務が医院の経営にどのように貢献しているのか、そして自分たちの給与がどのような仕組みで支払われているのかを理解したいスタッフにおすすめです。「お金のブロックパズル」を通して、売上から経費が引かれ、利益が生まれ、そこから給与や医院への投資が行われる流れを視覚的に学べます。医院のお金の流れを理解することで、コスト意識の向上や業務改善へのモチベーションアップに繋がり、医院全体の生産性向上に貢献できます。
スタッフ教育や財務管理を担当するマネージャー・事務長の方々
医院のマネジメント層として、スタッフに経営感覚を身につけてもらい、医院全体の目標達成に向けて協力体制を築きたいと考えている方に最適です。動画内で紹介される「お金のブロックパズル」は、スタッフに対して医院の財務状況や目標を分かりやすく説明するための有効なツールとなります。また、安心安全なコミュニケーションの場の作り方や、目標共有の具体的なステップも解説されており、スタッフエンゲージメント向上や組織力強化に役立つ実践的なノウハウが得られます。
【歯科医院経営】キャッシュフロー経営の基本と実践~理想の医院実現への第2ステップ~
多くの歯科医院経営者が日々の診療に追われる中で、つい「どんぶり勘定」に陥りがちな経営管理。
しかし、人口減少や社会保障費の増大といった社会情勢の変化、そして予期せぬ事態(自然災害や感染症拡大など)に備えるためには、健全なキャッシュフローに基づいた経営判断が不可欠です。
本動画「迷わない医院経営 理想の医院を実現するための4ステップ」シリーズの第2章では、千葉県柏市で高野歯科医院を開業されている高野先生が、歯科医院経営におけるキャッシュフロー経営の基本と実践について、具体的かつ分かりやすく解説します。
なぜ今、キャッシュフロー経営なのか?
動画の冒頭では、日本の人口動態の変化(2008年をピークとした人口減少、少子高齢化、労働人口の減少)や、社会保障費の増大といったマクロな視点から、従来の経営感覚では立ち行かなくなる可能性を指摘。
このような厳しい外部環境下で歯科医院を持続的に発展させていくためには、お金の流れ(キャッシュフロー)を正確に把握し、管理することが極めて重要であると強調します。
どんぶり経営では、一時的な売上の増減に一喜一憂し、長期的な視点での投資判断やリスク管理が困難になります。
有事の際にも揺るがない、強い歯科医院を作るための土台として、キャッシュフロー経営への転換を促します。
「お金のブロックパズル」で経営を可視化
経営や財務の話は難解で苦手意識を持つ先生方も少なくないでしょう。
本動画の核心とも言えるのが、「お金のブロックパズル」というツールを用いた解説です。
これは、複雑な会計知識がなくとも、医院のお金の流れを視覚的に理解し、経営判断に役立てるためのシンプルなフレームワークです。
動画では、まず家計簿を例に、収入から社会保険料・税金が引かれて手取りとなり、そこから生活費(日常生活費、娯楽費)や貯金に分配される流れをブロックパズルで示します。
これにより、お金の基本的な構造を直感的に理解させます。
その上で、歯科医院の会計に話を移し、
売上
変動費(材料費、技工料など売上に連動する費用)
粗利(売上 - 変動費)
固定費(人件費、家賃、リース料など売上に関わらず発生する費用)
利益(粗利 - 固定費)
税金
借入金返済
最終的な繰越金(医院に残るお金)
といった要素が、ブロックパズルの中でどのように関連し合っているのかを丁寧に解説します。
これにより、「売上は高いはずなのに、なぜか手元にお金が残らない」といった疑問に対する答えが見えてきます。
粗利率や労働分配率といった重要な経営指標についても触れ、自院の収益構造や生産性を分析する視点を提供します。
スタッフとの情報共有と目標達成への道筋
キャッシュフロー経営を実践する上で欠かせないのが、スタッフとの情報共有と協力体制の構築です。
動画では、スタッフがお金の流れを理解することの重要性を説き、「お金のブロックパズル」をスタッフ教育に活用する方法を提案します。
スタッフが「自分たちの給与は、日々の診療活動が生み出す粗利から支払われている」「材料の無駄遣いは変動費を増やし、結果的に自分たちの給与や医院の成長資金を圧迫する」といったことを理解すれば、コスト意識や売上向上への貢献意欲が高まります。
さらに、「安心安全ポジティブな場づくり」の重要性や、「積石効果・捨石効果」、「脱完璧主義」といったコミュニケーションやチームビルディングの原則にも触れ、スタッフが主体的に意見を出し合い、医院の目標達成に向けて協力し合える環境を作るためのヒントを提供します。
売上を構成する要素(客数 × 客単価 × リピート数)を分解し、それぞれの要素を少しずつ改善することで、全体の売上を効果的に向上させるアプローチも紹介。
診療時間短縮などの変化に対応しながら、医院全体の利益を確保・向上させていくための具体的な考え方を学ぶことができます。
まとめ
本動画は、歯科医院経営におけるキャッシュフロー管理の重要性を再認識させ、その具体的な実践方法を「お金のブロックパズル」という分かりやすいツールで提示します。
さらに、スタッフとの効果的なコミュニケーションと目標共有を通じて、医院全体の力を引き出すためのヒントが満載です。
経営に漠然とした不安を抱えている先生、これから開業を目指す先生、そして医院全体の成長に関心のある全ての歯科医療従事者にとって、必見の内容と言えるでしょう。
この動画を通じて、自院の財務状況を深く理解し、理想の医院実現に向けた確かな一歩を踏み出しましょう。
はじめに:迷わない歯科医院経営とキャッシュフローの重要性
歯科医院を取り巻く環境は、かつてないスピードで変化しています。
日本の総人口は2008年をピークに減少し、生産年齢人口の減少、社会保障費の増大といった外部環境の変化が進んでいます。
このような時代背景の中、過去の成功体験や「どんぶり勘定」に基づいた経営では、持続的な医院運営は困難です。
千葉県柏市で高野歯科医院を開業する高野先生は、「迷わない委員経営 理想の委を実現するための4ステップ」シリーズの第2章として、この動画で「キャッシュフロー経営の基本と実践」をテーマに、変化の時代を乗り越え、理想の医院を実現するための財務管理の重要性を説きます。
特に、コロナ禍や自然災害といった予期せぬ事態に備えるためにも、キャッシュ(現金)の流れを正確に把握し、コントロールする「キャッシュフロー経営」が不可欠であると強調します。
第1部:なぜキャッシュフロー経営が必要なのか?
1. どんぶり経営からの脱却
「どんぶり経営」とは、収入と支出の大枠だけを捉え、最終的に手元に残る現金の流れを把握しない経営スタイルを指します。
これでは、資金ショートのリスクや、戦略的な意思決定ができません。
2. 変化する外部環境への対応
人口減少、少子高齢化、物価上昇といったマクロ環境の変化は、歯科医院経営に直接的な影響を与えます。
このような状況下で現状維持を目指すことは、実質的な衰退を意味します。「安定」を求めるならば、変化に対応し、成長し続ける努力が不可欠であり、その基盤となるのが健全な財務状況、すなわち良好なキャッシュフローです。
3. スタッフとの共通認識の醸成
多くのスタッフは、医院の売上規模と自分たちの給与の関係性を漠然としか理解していません。
キャッシュフロー経営を導入し、医院のお金の流れをスタッフと共有することは、経営者とスタッフ間の認識のギャップを埋め、共通の目標に向かって協力する体制を築く上で非常に重要です。
第2部:「お金のブロックパズル」を用いたキャッシュフローの理解
この動画の核心部分であり、キャッシュフロー経営を実践するための強力なツールとして紹介されるのが「お金のブロックパズル」です。
これは、会計の専門知識がない人でも、視覚的に会社(医院)のお金の流れを理解できるように考案されたフレームワークです。
1. 家計簿との比較による導入
まず、理解を容易にするために、個人の家計を例にお金のブロックパズルを解説します。
給料から税金等が引かれ手取りとなり、貯金と生活費(日常生活費、娯楽費)に分配される流れを示します。
この家計の例を通して、お金の管理の基本を学びます。
特に「貯金」は将来のためのコスト(投資)であり、安易に削減すべきではないという視点を示唆します。
2. 歯科医院の会計への応用
家計の例を踏まえ、歯科医院の会計におけるお金のブロックパズルを解説します。
売上高
変動費
粗利(限界利益) - 医院が生み出す付加価値。粗利率は収益性の指標。
固定費 - 最大のものは人件費。労働分配率は生産性の目安。
利益(税引前利益)
税金
税引後利益
借入金返済(元本部分) - キャッシュフロー計算上の支出。
繰越金(内部留保) - 最終的に医院内部に残る現金。将来への備え。
このブロックパズルにより、具体的なお金の流れが明確になり、「売上高だけを見ていても、医院の本当の財務状況は見えない」ことがよく分かります。
3. ブロックパズルを用いた経営分析と改善
お金のブロックパズルは、現状分析だけでなく、経営改善策を考える上でも役立ちます。
例えば、「スタッフの給与(人件費)を上げたい」場合、以下の7つのアプローチが考えられます。
売上を上げる / 変動費を下げる / 粗利(率)を上げる / その他の固定費を下げる / 利益目標を調整する
これらの打ち手をシミュレーションすることで、どの施策がキャッシュフローに影響を与えるかを予測し、優先順位をつけることができます。
特に、売上を「客数 × 客単価 × リピート数」に分解し、それぞれを少しずつ改善するアプローチは有効です。
第3部:スタッフとの情報共有と目標達成へのステップ
キャッシュフロー経営を成功させるためには、院長一人が理解するだけでなく、スタッフ全員が当事者意識を持ち、協力することが不可欠です。
1. コミュニケーションの土台作り
スタッフとの効果的なコミュニケーションの前提として、「安心・安全・ポジティブな場づくり」の重要性が強調されます。
これは、スタッフが否定される恐れなく自由に意見を言え、互いを尊重し合える雰囲気を作ることを意味します。
このような心理的安全性の高い環境があってこそ、建設的な議論やアイデア創出が生まれます。
また、「脱完璧主義」の姿勢も重要です。
2. 学習効果を高めるアクティブラーニング
セミナー等の内容定着には、聞くだけでなくアクティブラーニング(グループディスカッション、体験、教える等)が有効です。
お金のブロックパズルについても、院内で勉強会などを開き、スタッフ間で活用することが推奨されます。
3. 情報共有のステップと目標設定
スタッフとの情報共有は段階的に進めることが推奨されます。
院長のビジョン・クレドの言語化 → 理想の医院像の具体化 → ビジョンの共有 → 情報量の調整と数字の公開(お金のブロックパズル活用)
ディズニーランドの事例のように、明確な数値目標を共有することで、高いモチベーションと業績向上が期待できます。
スタッフが「自分の仕事が医院の目標達成にどう貢献するか」を理解・納得することで、日々の業務に対する意識が変わります。
結論:ビジョンとキャッシュフローの両輪で理想の医院へ
本動画は、歯科医院経営におけるキャッシュフロー管理の重要性と、その実践ツール「お金のブロックパズル」の活用法、スタッフとの共有方法を解説しています。
漠然とした経営への不安を解消し、データに基づいた意思決定を可能にするヒントが満載です。
重要なのは、キャッシュフローという数字(お金)と、医院が目指すビジョン(理想の姿)を両輪として経営を進めることです。
ビジョン実現に必要な資金を算出し、目標を設定し、日々の活動に落とし込むプロセスをスタッフと共有することで、変化の時代においても持続的に発展し、選ばれる理想の歯科医院を築き上げることができるでしょう。