どんなに壊れていても90分でできる義歯修理

不適合義歯の咬合面削合してからクラスプ新製した症例

視聴料金
(税込)
980 レンタルする
視聴可能
講師
伊藤高史
いとう歯科医院 院長

こんな方におすすめ

1.1 義歯の適合や安定性に関心のある歯科医師

義歯が不安定で患者が苦しんでいる場合や、咬合面の調整が必要なケースにおいて、この動画は非常に役立ちます。特に、既存の義歯に問題があるときにどのように修理し、新しいクラスプを追加して安定性を向上させる方法が紹介されています。

1.2 咬合調整や義歯修理に携わる歯科技工士

義歯の咬合面削合やクラスプの新製について、歯科技工士が実践できる手順が細かく解説されており、義歯製作や修理においてさらなる技術向上を目指す技工士に適した内容です。特にクラスプの設計と調整に興味のある技工士におすすめです。

1.3 患者との長期的な関係を重視する歯科医師

義歯治療において、患者の長期的なフォローアップや修理が求められる場面は多いです。この動画では、義歯の修理を繰り返す患者に対して、最適なタイミングで新しいクラスプを追加して適合性を改善するプロセスが解説されており、患者との信頼関係を築くための一助となるでしょう。

1.4 高度な咬合調整を必要とする症例に対応する歯科医師

部分義歯の咬合調整は難易度が高い場合が多いですが、この動画では、咬合調整を成功させるための具体的な方法が示されています。高度な咬合調整を必要とする症例に自信を持って対応したい歯科医師には、特に役立つ情報が満載です。

動画の紹介

この動画は、歯科医療従事者に向けた実践的な症例紹介であり、特に義歯治療や修理に関わる方々にとって非常に有益な内容です。今回紹介される症例では、不適合な義歯の咬合面を削合し、新たにクラスプを作製して安定性を高めたプロセスが丁寧に説明されています。

まず、義歯が不安定である理由として、咬合面に厚く盛られたレジンが問題となっている点が示され、これを削合することで改善を図ります。義歯が強く当たってしまう部位を削ることにより、咬合面の干渉を軽減し、咬合のバランスを整える手法は、多くの歯科医師が直面する問題に対する具体的な解決策を提供します。

また、この動画では、クラスプの追加による義歯の安定性向上についても取り上げられています。元々クラスプが2つしかない義歯に対し、3つ目のクラスプを左上の3番に新たに作成することで、義歯の回転運動を防ぎ、より安定した義歯を提供する手法が紹介されています。クラスプの増設により、義歯の維持力が格段に向上するため、患者にとっても快適な使用感が得られる結果となります。

この症例紹介の中で強調されるのは、クラスプの設計と調整に関する細かな技術です。義歯が患者の口腔内で安定し、しっかりとフィットするためには、クラスプが適切に設計され、精密に調整されることが不可欠です。動画では、赤い矢印で示された部位にクラスプを設置する手順が説明されており、歯科技工士や歯科医師が実践できる技術が詳細に解説されています。

さらに、ワイヤークラスプの製作技術についても触れられており、細い中口を用いたクラスプの作製がトレンドとなっている点や、そのリスクについても解説されています。特に、ワイヤークラスプの調整時に折れるリスクがあることに言及されており、歯科技工士が注意すべきポイントが示されています。クラスプの調整には慎重さが求められるものの、適切に行えば、短時間で患者にフィットする義歯を提供できるという利点が強調されています。

また、咬合の調整においても、特に前歯部が過度に当たらないようにするための削合方法が示されており、患者の快適な咬合を実現するための具体的なアプローチが提供されています。義歯の安定性と咬合の調整は、患者の生活の質に直結する重要な要素であり、この動画を通じて、その技術を学ぶことができます。

このように、動画では義歯治療におけるさまざまな課題に対処するための具体的な技術が紹介されており、歯科医師や歯科技工士にとっての学びが多い内容となっています。特に、義歯の修理を繰り返すケースや咬合調整に悩む歯科医療従事者にとって、日常の診療に役立つ実践的な知識が得られるでしょう。

患者の快適な義歯生活を支えるための技術と知識を深めるために、ぜひこの動画を視聴し、日々の診療に活かしてみてください。

動画内容

この動画では、杉並区西尾久保で歯科治療を多く手掛ける伊藤歯科医院の伊藤高文医師が、不適合な義歯に対して咬合面を削合し、新たにクラスプを作製して安定性を向上させた症例を詳細に解説しています。この症例は、義歯治療の難しさと、それをどのように克服するかについての実践的な知識を提供しています。

1. 患者の現状と治療の必要性

動画の冒頭では、患者が「入れ歯で噛みにくい」という訴えを持って来院したことが説明されます。この患者は、すでに他の歯科医院で作製された部分義歯を使用していましたが、その義歯がしっくりこず、特に前歯部の咬合干渉によって噛み合わせが非常に不快であると感じていました。義歯は、上顎前歯部に大量のレジンが盛られており、それが咬合面で干渉を起こし、噛んだ際に顎に強い力がかかっていました。これが義歯を不安定にし、さらに患者にとって不快な使用感を引き起こしていました。

伊藤医師は、この咬合干渉の原因となっている厚く盛られたレジン部分を特定し、その部分を削合して調整することにしました。咬合面が適切に機能していない場合、義歯全体の安定性が損なわれ、患者は食事や日常生活で大きな不便を感じることがあります。特に、強い咬合干渉があると、顎に不自然な圧力がかかり、歯周組織にも悪影響を及ぼす可能性があります。このような理由から、まず咬合面の削合が治療の最初のステップとして選ばれました。

2. 咬合面の削合とその効果

治療の第一段階では、上顎前歯部の咬合面に盛られたレジンを削合し、咬合面の調整を行いました。具体的には、咬合干渉を減らすために前歯部を削り、後頭咬合位で前歯が強く当たらないようにしました。この処置によって、患者の噛み合わせは改善され、以前よりも快適な感覚が得られるようになりました。

しかし、この処置だけでは義歯の動きが完全に抑えられず、患者はまだ義歯が不安定であると感じていました。つまり、義歯は噛む際に動いてしまい、依然としてしっかりと固定されていない状態が続いていたのです。そこで、次のステップとしてクラスプを追加することで義歯の安定性をさらに向上させることが決定されました。

3. クラスプの追加による安定性の向上

この患者の部分義歯には、もともと2つのクラスプしか付いていませんでした。クラスプは義歯の安定性を保つために非常に重要な役割を果たしており、2つのクラスプだけでは義歯が回転運動をしてしまい、十分な安定性が得られないことが分かりました。物理的な力学の法則に従えば、クラスプの数が少ないと、義歯は回転しやすくなります。したがって、今回の症例では、3つ目のクラスプを追加して、義歯の回転運動を抑えることが治療方針として選ばれました。

新たなクラスプは、左上3番に設置されることになりました。これにより、クラスプの数が2つから3つに増え、義歯全体の維持力が向上します。維持力が高まることで、義歯がより安定し、患者が感じていた「義歯が動く」という問題が解消されることが期待されました。

4. クラスプ作製のプロセス

クラスプ作製のプロセスでは、まずクラスプを設置するための溝を掘り、その部分にクラスプを固定しました。クラスプを設置する際には、赤い矢印で示された部分に適切なスペースを確保し、クラスプがしっかりと義歯にフィットするように作製されました。

クラスプの作製には、白いレジンと赤いレジンが使用され、これによってクラスプがしっかりと固定されました。クラスプが3つに増設されたことで、義歯は以前よりもはるかに安定し、患者の口腔内でしっかりと固定されるようになりました。

また、ワイヤークラスプの製作技術についても説明があり、最近では細いワイヤークラスプが流行していることが言及されました。技工所でも、細いクラスプを作る技術が求められていますが、細いクラスプは折れやすいというリスクもあります。したがって、クラスプの調整には慎重を期す必要があり、調整を行う際にはクラスプが折れないように注意することが重要です。

5. クラスプの適合と咬合調整

クラスプの作製が完了した後、患者の口腔内に義歯を装着し、適合性と咬合の確認が行われました。装着後、義歯は非常に安定しており、以前のように義歯が動くことはなくなりました。クラスプが適切にフィットしていることが確認され、義歯が患者の口腔内でしっかりと固定されている状態が確保されました。

咬合の調整についても、特に前歯部が過度に当たらないように調整が施され、後頭咬合位での咬合がスムーズに行えるようになりました。前歯部が強く当たると、義歯全体が不安定になるため、咬合面の削合とクラスプの追加により、患者は安定した咬合を得ることができました。

6. 義歯修理の重要性と技術の応用

動画の終盤では、歯科医師として義歯修理におけるクラスプ作製の重要性について語られています。義歯が不安定な状態で放置されると、患者は快適な食事や日常生活を送ることが難しくなります。しかし、適切なクラスプを作製し、咬合面を調整することで、義歯は短時間で修理され、患者に快適な使用感を提供することができます。

また、この症例のように、義歯の修理を繰り返す患者に対して、適切なタイミングで新しいクラスプを追加し、義歯の安定性を向上させることは、患者との信頼関係を築く上でも重要です。歯科医師として、短時間で確実に義歯修理を行う技術を持っていることは、患者の満足度を高める大きな要素となります。

7. 患者の反応と治療結果

クラスプの追加と咬合調整が完了した後、患者は非常に満足しており、義歯の動きがなくなり、噛み合わせも快適になったと感じています。特に、義歯が以前よりも安定していることにより、食事中の違和感や痛みが解消され、日常生活においても快適に過ごせるようになりました。

また、伊藤医師は、今回の症例を通じて、義歯治療におけるクラスプ作製の重要性と、その技術がどれほど患者に喜ばれるかを強調しています。短時間で修理ができ、患者が義歯を再び快適に使用できるようになることは、歯科医師にとっても非常に有意義な経験であり、今後の診療にも応用できる知識として価値があります。

まとめ

この動画は、不適合な義歯に対して咬合面の削合とクラスプの追加によって、義歯の安定性を向上させた症例を詳細に解説しています。咬合調整とクラスプ作製のプロセスを通じて、義歯治療における具体的な技術や工夫が学べる内容となっています。義歯治療に携わる歯科医師にとって、非常に実践的で役立つ情報が詰まった動画であり、今後の治療に役立つ知識を得ることができるでしょう。

教えて先生

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