こんな方におすすめ
新渡戸康希先生によるセミナーの模様を収録した動画です。
セミナーが評判となり、急遽決定したクリンチェックをマスターするためのコンテンツ。
移動の基準と度合いについて詳しく解説してくださいます。
動画内容
基本マスタークリンチェックコース2をご覧頂き、基本の操作方法のおさらいをしつつ、クリンチェックの青マルと黒マルの移動方法に関しては納得できたことでしょう。
基本マスタークリンチェックコース3では、
・クリンチェック移動の青マルと黒マル基準
・新渡戸先生の考えるクリンチェック移動の度合い
この点について、新渡戸先生が引き続き解説してくださいます。
音声で聞いた方が頭に入りやすい方はそのまま動画を、文章の方が頭に入りやすい方はぜひこのまま読み進めてください。
【コース2の復習】予測実現性が下がる
画像を見て頂くとご理解いただけるかと思いますが、インビザラインでは遠心移動の際、
・青マルは中程度(2-4mm)
・黒マルは重度(〜4mm)
ということが言えます。
「インビザラインではこの場合、AP関係に関しても、考え方が難しくなってくるのです」と新渡戸先生は仰っています。
AP関係の難易度
AP関係が難しくなってくるということは具体的にどういうことでしょうか。
「例えると、大臼歯を4mm以上動かすことは、難易度がとても高いということです」と新渡戸先生は開設していらっしゃいます。
この状況はどのような際に起こりうるのか、新渡戸先生はさらに詳しく解説してくださいました。
「1つ目は抜歯の際です。小臼歯を抜歯して4mm近心移動させたり遠心移動させるたりすることは症例としてある話になります」
そうお話しされた上で「ですがクリンチェックにおけるビッグデータが解析している数値に留めておけば前述しましたように、予想実現性が上がります」とこのように、続けて改善策を解説してくださいました。
遠心移動が厳しい
2つ目に難しい治療は遠心移動になります。新渡戸先生は「遠心移動には上顎4mm、下顎3mmと定義はすでにあるのですが、実際のところ4mm以上の遠心移動というものは困難です」と仰っています。
この点は、歯科医師やインビザラインドクター同士、治療哲学が異なると意見が分かれるところなのだそうです。
「この情報を元に解説されるインビザラインのクリンチェックのセミナーはあまりおすすめできません」と新渡戸先生は経験の上でそう語られました。
インビザラインに矯正の知識は要らない
「定義に基づきクリンチェックのセミナーを行う人は、遠心移動の数値を6mm〜8mmと行う先生が多くいます。この点に関して、僕は無謀だと感じているのです」
そうおっしゃる新渡戸先生は、インビザライン治療を行う際にはまず初心に戻って欲しいとお話しされました。
「あくまで僕たちがやりたいことはインビザラインになりますよね。 ワイヤー矯正の勉強や矯正の知識がないため、勉強しなくては…と焦る方もいるのですが、インビザラインに矯正の知識は必要ありません」と新渡戸先生は断言されました。
新渡戸先生ですら矯正の知識は十分でない
遠心移動や近心移動、歯体移動がわからないと言った場合は問題があります。
「この場合は確かに勉強不足かと思います。艇質圧下がわからない場合も、そこだけはしっかり勉強してください」と、新渡戸先生。
「その上で、僕らが知りたいのはインビザラインだけなのです。極端な話になりますが、症例によってアソアライナーが当てはまるのか、ウィースマイルが当てはまるのか、クリアコレクトが当てはまるのか、キレイラインが当てはまるのか…。それは僕にはわかりません」
そう告げた新渡戸先生の真意は、自身がインビザラインドクターであり、インビザラインのことしか知らないからだそうです。
インビザラインのビッグデータを信用する
「インビザラインを使う以上、インビザラインが『実現性が低い』と言うならば、インビザラインを無理に行う必要はありません」と新渡戸先生は続けて仰います。
多くの歯科医師の方が、クリンチェックセミナーに行っても身に付かずうまくできるようにならない原因は、ここにあるのだそうです。
「何度もお伝えしますが、僕自身はシンプルかつ楽しみながらインビザライン治療を行ってほしいと思います」と仰っている新渡戸先生は、まずは基本から一緒に学んでいきましょうと語ります。
インプットしたらアウトプットする
この項目は、ぜひ動画を見ながら内容を確認してくださると幸いです。
以下で、新渡戸先生が実践の指導を動画内でされております。
「緑の状態は何もついてない状態です。分類分けにすると軽度になります。現在1.5mm圧下されている状態です。ここから、2.5ミリ圧下してみましょう」
「これまでの動画を見てくださった皆さんなら出来るはずです」と新渡戸先生。
今でなくても構いませんので、このセミナーが終わったらぜひ挑戦してみてくださいね。
「2.5mm足します。すると、青マルがつきますやね。青マルが表示されると、中程度の移動量ということです」
この時点で、まず考慮すべきこととしてライトパッケージは不可能ということになります。
モデレートパッケージ以上でないと治療することができません。エクスプレスでもライトパッケージでも改善する治療は困難ということです。
「ここからさらに動かしましょう。圧下3mmです。ディープバイトならありえる数値かと思います」
新渡戸先生は「重度の症例になるので、ライトパッケージ、モデレートパッケージで対応することは完全に不可能です。もし対応するのであれば、コンピヘンシブパッケージ一択のみです」と続けて仰いました。
圧下と艇質における予測実現性
前回の動画で圧下に関してご説明しました。ここでは、艇質での黒マルについて、新渡戸先生が解説してくださいます。
「先に言ってしまうと、インビザライン的には3.5mmの艇質は重度です。予測実現性が最も低いことを示します」と新渡戸先生。
3.4mmまでは青マルですが、3.5mmの時は黒マルです。圧下と艇質で数値が違うということは、ぜひ覚えておきましょう。
予測実現性を無視すると起こるデメリット
近心または遠心移動量が大きいほど、アライナーの枚数が増えてしまいますよね。この点が理解できていないと、先の見えない治療になってしまいます。
新渡戸先生は「実際のところ、多くのクリンチェックに関するセミナーに100万から200万つぎ込んでも”わからないことが多い”という歯科医師の方が最終的に僕のところにやってきている印象です」とのことです。
新渡戸先生は、今後のことを考えて歯科業界のこの点は変えていかなきゃいけないと感じているとのことでした。
まとめ
今回は基礎編なので1番に関してだけ注目して解説しました。
《1番の場合》
・圧下量は2.5mmから3mmの間
・艇質は3.4mmまで青マル、3.5mmから黒マル
これは4番や6番になるとまた変わってきます。
ぜひまずは基礎を習得して頂き、次の段階に入っていくことが理想的です。
ここまでお読みくださりありがとうございます。図解画像を踏まえて動画を観ておさらいし、ぜひアウトプットしてみてくださいね。
次の動画では、艇質と圧下による予測実現性を高める手段について、引き続き新渡戸先生が解説してくださいます。