講師紹介 高田訓

- 高田訓
- 奥羽大学歯学部歯学科口腔外科学講座 教授
- 日本口腔外科学会認定 口腔外科専門医・指導医をはじめ、口腔顔面神経機能学会 口唇・舌感覚異常判定認定医、日本口腔検査学会認定医、日本口蓋裂学会口腔外科分野認定師を取得、日本歯科医学会や精密触覚機能検査研修協議会の委員を務める。 著書に『標準口腔外科学 第4版(医学書院)』、『口腔内科学(永末書店)』『口腔外科学 第4版(医歯薬出版)』などがある。
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日常的に抜歯を行う歯科医師
乳歯・過剰歯の抜歯時に誤嚥・窒息リスクを見直したい歯科医師
医療事故予防と鉗子操作の安全性を学びたい歯科医師
抜歯時、正しい鉗子を使っていても、歯が勢いよく飛散することがあります。本動画では、乳歯と埋伏過剰歯の実習映像を通じて、咽頭落下から誤嚥・窒息へつながるリスクを確認します。
高田訓先生が、抜歯鉗子を単に歯を強く「つかむ」器具ではなく、脱臼させる器具として捉える考え方と、安全な操作のために意識したいポイントを解説します。
「鉗子で確実につかんだはずなのに、歯が飛んでしまった」。日常の抜歯操作に潜むこのインシデントを、実習映像と器具の構造から見直します。
抜歯鉗子の使い方は、日常臨床で繰り返す基本手技の一つです。しかし、歯を強く保持しようと力を込めるほど、鉗子の形状や歯との適合によっては、歯が勢いよく抜けて飛散する可能性があります。
高田訓先生は講義「その事故は、なぜ起きた? 日常臨床に潜むインシデント」の中で、乳歯と埋伏過剰歯の抜歯映像を提示し、歯の飛散が誤嚥や窒息につながり得ることを解説しています。本記事では、動画で示された範囲に沿って、抜歯鉗子を安全に扱うための考え方を整理します。
動画では、臨床実習の学生が乳歯を抜歯する場面で、鉗子から歯が外れて飛ぶ様子が示されます。続く埋伏過剰歯の例でも、脱臼が進み、残根鉗子で歯をつかんだ状態から歯が飛びました。
いずれも、明らかに誤った鉗子を選んだ例としてではなく、日常の手技の延長で起こり得るインシデントとして紹介されています。使う器具や準備が妥当に見えても、鉗子の先端形状と歯の適合、力のかけ方が重なることで、保持できずに歯が抜けることがあります。
高田先生は、抜歯鉗子を単に歯を強くつかむ器具と考えるのではなく、両側からヘーベルやエレベーターを添えるように作用させ、歯を脱臼させる器具として捉える考え方を示しています。
上顎臼歯用鉗子などは、力を入れて握っても先端が完全には閉じない形状です。下顎前歯用鉗子でも、歯をつかんだ状態で強く握ると、歯が上方へ抜けていくことがあります。先端が閉じない器具で「強くつかむ」ことだけを目標にすると、歯を押し出す方向へ力が働く可能性を意識する必要があります。
抜歯鉗子は「つかむもの」ではなく「脱臼させるもの」と認識する方が、安全に使いやすいという高田先生の見解です。
歯がユニット周囲へ飛ぶだけで終わるとは限りません。抜去歯が咽頭へ落下すれば誤嚥につながり、気道側へ入れば窒息に至る可能性があります。
講義では、乳歯の抜歯時に抜去歯が咽頭へ落下して窒息死に至った過去事例と、ロールワッテの咽頭落下による窒息死の事例が示されています。高田先生は、抜歯という操作を行うときは、歯や器具が勢いよく咽頭へ落ちる可能性を頭に入れておくことが、安全な臨床につながると説明しています。
鉗子の先端がどこまで閉じるか、対象歯をどのように保持する形状かを確認します。
強く握ることだけを目的にせず、歯がどの方向へ動く可能性があるかを考えます。
歯が鉗子から外れた場合の飛散先を想定し、誤嚥・窒息につながる経路を意識します。
「正しい鉗子を使ったから安全」と判断を終えず、鉗子先端の形状、対象歯との適合、力を入れたときの歯の移動方向まで確認します。歯が飛ぶ可能性を先に想定することが、インシデントをアクシデントへ進ませない備えになります。
抜歯時の歯の飛散は、特殊な操作だけで起きるものではありません。鉗子を「強くつかむ器具」とだけ理解せず、脱臼させる構造と力の方向を意識すること、そして咽頭への落下を想定することが重要です。動画では、実際の飛散場面と器具の先端形状を見比べながら、高田先生が事故予防の考え方を解説しています。
動画で学べること:歯が飛散する場面、抜歯鉗子の先端形状、誤嚥・窒息につながる経路と安全な考え方。
おすすめ:日常的に抜歯を行う歯科医師、抜歯処置の介助に携わる歯科衛生士・スタッフ。
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