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「自費の治療やホワイトニングを患者さんにご案内したいけど、値段が高いと言われそう… 」 「"検討します"と患者さまに言われてそこから切り返しができない」
このようなご経験をされた歯科衛生士さんも多いのではないでしょうか。
今回も自費獲得専門歯科衛生士でお馴染み、菅原 舞子 さんに、患者さまへのカウンセリング術や、自費ホワイトニング獲得のノウハウについてご講演いただきましたので、特に皆さまに共有させていただきたい部分を強調してお伝えさせていただきます。
皆さま、患者さまとお話しする前にイメトレできていますか?「イメトレ?必要あるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、患者さまにカウンセリングする際にとても大切なものとなっています。
例えば、"ホワイトニングを売りたいあなたが患者さまにする質問"を1分間でいくつでるか考えてみましょう。
このようなイメトレは定期的に医院のミーティングなどで行うと想像力が豊かになり、患者さまの気持ちを考えることができるようになるでしょう。
また、スタッフ同士で患者さま役・術者役などと分けて話し合ってみると普段私たちが十分にカウンセリングできていない部分が発見できるかもしれません。
菅原さんは"患者さまの人生に向き合うことができる歯科衛生士に"とお話しされました。
"人生に向き合う"とはどういうことでしょうか。菅原さんが考える「患者さまの人生に寄り添う」とは以下のようなことだと教えてくださいました。
●患者さんの主訴を汲み取る
●今のお口の状態を共通認識する
●プロ目線の選択肢の提示 ・自費治療、保険治療それぞれどちらが患者さんのお口に適しているか
●患者さんの選択に「一緒に取り組む」姿勢を見せる
●目先の問題だけでなく、患者さんの人生に寄り添うという言葉かけ
これらを意識する必要があるとお話しされました。このように「患者さんのお悩みに自分の事のように考え、提案する」ことが大切です。
患者さまから「この人にだったら任せてもいい」と思っていただけるような歯科衛生士になるためのステップとして次のようなことを意識しましょう。
①患者さまの人生に向き合う
上記でご紹介した通り、患者さまの主訴を汲み取り、患者さまの選択に一緒に取り組む姿勢を見せると姿勢・本気度が伝わる。
↓
②健康やお金など患者さま自身の大切なものを任せてもいいという気持ちになっていただく。
③この人(歯科衛生士)すごいかもという期待感を持たれる
↓ ファン化
このステップを身につけることができれば、あなたも菅原さんのように患者さまに信頼される歯科衛生士になれるかもしれません。
皆様も明日からできる!患者さんとお話しする時に意識すべきことをまとめました。
✔️患者さんのお名前は「様」をつけてお呼びする
✔️目の前まで行ってきちんとアテンドする
✔️最初にきちんと自己紹介する 「本日担当します。歯科衛生士の○○です。」なにをするのか・役職と名前をお伝えすることが大事!
・マスクの下でも1秒笑顔
・1秒目を合わせる
・1秒声かけ
・1秒止まって会釈
・チェアを倒すのに1秒待つ
・1秒で移動して喋る位置を意識!
・滅菌袋を開ける音を1秒意識
・基本セットを触る音を1秒意識
・タオルのかけ方を1秒意識
この1秒所作・接遇は非常に大切です。1秒待つだけで、心の余裕を持って患者さまと接することができますし、患者さまからも「この人は落ちついている人だな」と感じられます。
術者が焦っていたり、余裕がないと「この人に任せて大丈夫だろうか」と不安になりますよね。 少しの余裕が、患者さまへの信頼につながります。
「患者さんとのコミュニケーションが苦手な人必見!必勝ラリー法!」
「患者さんとのコミュニケーション、うまくいかないな…」「苦手だな…」とお考えの方は菅原さんが実践している必勝ラリー法を試してみてください。
必勝ラリー法の例は以下のような会話をつくるということです。
①YESをもらう
例:歯科衛生士「今日は雨ひどいですね」
患者さま「そうですね」 <共感を得る>
②ありがとうを言う
歯科衛生士「こんな天気の中、来ていただきありがとうございました」
<患者を伝える>
③名前を入れる
歯科衛生士「〇〇さんは雨の日ってお好きですか?」
<親近感を得る>
このような会話の繋げ方を菅原さん流必勝ラリーといいます。
菅原さんのコミュニケーション術をぜひ、皆さん明日の診療から実行してみてください。 患者さまとの距離がグッと近づくかもしれませんよ。
▶︎この記事は歯科衛生士・医療ライター 西山 によって執筆しています。