皆さんはご自身の歯がどのくらい磨けているか、目で見て確かめたことはありますか? 実際、歯を専用のお薬で染め出しし、どの程度磨けているか確認することができる「PCR 検査」というものがございます。 本記事では PCR 検査について詳しくご紹介します。
1.PCR 検査とは-コロナの検査とは違います-
歯医者さんで行われる PCR 検査の正式名称は「プラークコントロールレコード」(Plaque Control Record)です。この検査は、口腔内の清掃状態を数値化する指標です。プラークは 細菌のかたまりである歯垢を指し、コントロールは管理、レコードは記録を意味します。専用の染め出し液を使用して、ブラッシングの残りプラークの割合を計測します。この検査を 通じて歯科衛生士が口腔内の清掃状態を評価し、適切なケアやブラッシング指導を行います。
1-1. プラークコントロールの重要性とメリット
プラークコントロールは、美しい歯と健康な口腔環境を維持するために欠かせない行為です。プラークが蓄積されると歯周病や虫歯のリスクが高まりますが、適切なプラークコント ロールによりこれらのトラブルを予防することができます。
1-2.プラークコントロールレコードの算出方法
1. 口腔内の全ての歯を近心、遠心、頬側(唇側)、舌側(口蓋側)の 4 つの区画に分けます。
2. 歯面を乾燥させ、歯垢染色剤を綿球で塗布します。軽くうがいをします。
3. プラークが染まった歯頸部の歯面数を数えます。これを検査歯面数で割り、さらに 4 倍 して 100 で乗じることで PCR を算出します。 例えば、検査歯面数が 40 面で、そのうち歯頸部の歯面が 8 面染まった場合、PCR は以下の ように計算されます。
8 ÷ 40 × 4 × 100 = 20%
このように、PCR はプラークの除去状態を数値化する指標であり、一般的には 20%以下で あれば十分にプラークを除去できているとされます。歯周病などの治療や予防のためには、 PCR を 10%以下を目標としてコントロールすることが重要です。プラークコントロールレ コードは、ブラッシング指導や歯科医師との相談に役立ちます。
2.歯科のプラークコントロール:美しい歯と健康な口腔環境を保つため
2-1.プラークとは何か?
プラークは、口腔内に形成される無色の粘膜状の膜で、食事や唾液中の成分、口腔内の細菌 などが結合してできます。プラークは歯の表面や歯茎の間に沈着し、口臭や歯周病などの口 腔トラブルの原因となります。
2-2.プラークの除去方法
プラークを除去するためには、適切なブラッシングとフロスの使用が重要です。歯ブラシを 垂直に当て、歯と歯茎の境目にも注意してブラッシングしましょう。また、フロスを使用し て歯と歯の間のプラークも取り除きます。
2-3.プラークコントロールのための予防歯科治療
歯科医院での予防歯科治療もプラークコントロールには欠かせません。定期的な歯科検診 とクリーニングにより、歯石やプラークを除去することで口腔環境を健康に保ちます。
2-4.プラークコントロールに効果的な食事
食事もプラークコントロールに影響を与えます。歯に良い食材としては、食物繊維を多く含 む野菜や果物、カルシウムを豊富に含む乳製品などがあります。一方で、砂糖や粘りのある 食べ物はプラークの原因となるため、摂取量を制限することが重要です。
3.プラーク(歯垢)がつかないようにするための歯磨き方法
日頃からプラークがつかないように、丁寧に歯磨きをすることが大切です。
3-1. 正しい歯ブラシの選び方
- 歯ブラシの毛先が柔らかく、歯と歯ぐきにやさしく当たるものを選びましょう。
- ヘッドのサイズが自分の口に合っていて、歯の裏側や奥歯までしっかり届くものを選 びましょう。
3-2. 正しい歯磨きの手順
- 歯ブラシを 45 度の角度で歯と歯ぐきの境目にあて、歯と歯ぐきの間のプラークを取 り除きます。前歯は上から下に、奥歯は前後に動かして磨きましょう。 - 歯の表面や裏側、噛む面も同じ手順で磨きます。 - 歯の内側(舌側)も忘れずに磨きましょう。
3-3. 歯磨きの時間と頻度
- 歯磨きは朝晩の食後に行いましょう。 - 2 分以上、丁寧に歯を磨くことが大切です。
3-4. 歯間ブラシやフロスの使用
- 歯と歯の間のプラークを取り除くために、歯間ブラシやフロスを使いましょう。 - 歯間ブラシは、歯と歯の間に優しく挿入して磨きます。
3-5. 口の中のすみずみを磨く
- 歯磨き後に口をゆすぐだけでなく、口の中全体をゆすいでプラークを取り除きましょ う。
3-6. 定期的な歯科検診とクリーニング
- 歯科医院での定期的な検診とプロのクリーニングを受けることも大切です。歯垢や歯 石を専門家が取り除いてくれます。 これらのポイントに注意しながら、正しい歯磨きを行うことで、プラーク(歯垢)のつきに くい口内環境を保つことができます。
まとめ
以上、歯科のプラークコントロールについての記事でした。プラークコントロールは日常的 なケアだけでなく、歯科医院での予防歯科治療も重要です。定期的な検診とクリーニングを 受けることで口腔環境を健康に保ち、美しい歯を保つことができます。 最も大切なのは、歯磨きの方法です。 ご自身の歯並びに合った歯磨き方法を習得しましょう!
ライター歯科衛生士
cocco
歯科医療の現場で役立つ実践的な知識を届けるORTC
ORTCは「笑顔の役に立つ」を理念に、歯科界の知識を共有する場を目指しています。歯科医療の現場で役立つ最新の知識と技術を提供することで、臨床と経営の両面からクリニックの成長を支援します。最先端の技術解説や経営戦略に特化した情報を集約し、歯科医療の現場での成果を最大化。自己成長を追求するためのコンテンツをぜひご活用ください。
無料会員登録
無料動画の視聴、有料動画のレンタルが可能です。歯科業界についてのオンライン・オフラインセミナーへの参加が可能となります。
ORTCPRIME
今なら77%OFFの月額
2970円で、 ORTC内のすべての動画を見放題に。臨床の現場に役立つ最新の技術解説や、歯科医院経営の成功戦略を網羅した特別コンテンツをご利用いただけます。 歯科業界の方へ効率的に知識を深めていただける内容です。
ORTC動画一覧
ORTCセミナー一覧
まずは無料会員登録
こちらのリンクより会員登録ページへお進みください。
会員登録はこちら
ORTCPRIMEへのアップグレードも簡単!
登録後は「マイページ」から、ORTCPRIMEにいつでもアップグレード可能です。