お口ポカンをトレーニングで改善!歯科医院が導入すべき理由と経営メリットとは?

歯科知識

「お口ポカン(口唇閉鎖不全)」は、小児患者の間で年々増加傾向にあり、多くの保護者が関心を寄せています。口呼吸や姿勢の悪化、歯並びへの影響など、見た目以上に健康リスクがあるこの問題に、歯科医院がいち早く対応することは、患者さんの健康を守るだけでなく、医院経営の差別化にもつながります。

本記事では、お口ポカン改善トレーニングの歯科医院での導入メリットや、経営視点での活用方法、自費診療への展開について詳しく解説します。

なぜ「お口ポカン」が経営の切り口になるのか?


「お口ポカン」が経営のキモになる理由を解説していきます。

経営面で注目すべきポイント

「お口ポカン」は、単なる癖や見た目の問題にとどまらず、呼吸・咀嚼・嚥下・姿勢・発語といった口腔機能全体に関わる深刻な課題です。
小児の保護者はこうした健康リスクに敏感で、早期発見・早期改善へのニーズが非常に高いのが特徴です。

この課題に対して、歯科医院が明確に「お口ポカン改善に取り組んでいます」と打ち出すことで、信頼性・専門性の高い医院として地域内でのブランディングが可能になります。

さらに、継続的なトレーニングによって、患者さんとの長期的な関係性を築くことができ、自費診療や小児矯正への自然な導線づくりにもつながります。

歯科医院でできる「お口ポカン」改善トレーニングとは?

実践しやすいトレーニング例

「お口ポカン」の改善には、舌・口唇・頬筋といった口腔周囲筋の機能訓練が必要不可欠です。
以下のような内容は、衛生士主導で短時間に実施できるうえ、家庭でも継続可能なため、非常に実践的です。

  • リップルトレーナーなどの市販トレーニンググッズの使用
  • ストローや割り箸を用いた唇閉鎖力トレーニング
  • 発音練習や「パ・タ・カ・ラ」体操
  • 舌の正しい位置を覚えるMFTの初歩的メニュー

これらはMFT(口腔筋機能療法)の一環として構成可能で、動画や紙資料を組み合わせることで、家庭での取り組みも促進できます。

導入設定と人材育成、歯科衛生士のMFT活用がカギ

医院での「お口ポカン」対応プログラムをスムーズに導入するには、3つの視点が重要です。

導入に必要な設計

  1. 診療フローとの統合:定期健診やフッ素塗布などのタイミングにトレーニングの評価や指導を組み込む。
  2. 保護者説明ツールの整備:症状やリスクをわかりやすく伝えるリーフレットやスライドを準備。
  3. スタッフ間の役割分担:歯科衛生士、受付、医師それぞれの対応ポイントを明文化。

人材育成と外部リソースの活用

導入にあたっては、トレーニングメニューの整備とあわせて、歯科衛生士の人材育成が不可欠です。
MFTの基礎知識や実技を習得した衛生士は、患者さんへの指導やトレーニング実施だけでなく、経過観察や記録の管理も担う重要な役割を果たします。
資格取得を推進したり、院内で定期的な勉強会を開催することで、スタッフのスキルアップを図るとともに、医院全体の専門性を底上げすることが可能です。

さらに、すぐに人材確保が難しい場合は、外部講師やMFT専門家との連携も視野に入れるべきです。
外部のプロフェッショナルを定期的に招聘することで、医院内スタッフへの教育を行いつつ、患者さんへの専門的な対応も同時に実施できます。
外部講師によるセミナーや保護者向け説明会を実施すれば、医院の信頼性や専門性の高さをアピールする絶好の機会にもなります。

プログラム設計

トレーニングのプログラムは、以下のように段階的に設計することで、継続的な介入が可能になります。

  • 初期評価:姿勢、口唇閉鎖、舌位、鼻呼吸の有無など
  • 指導フェーズ:個別トレーニングの提案と院内での指導
  • フォローアップ:月1〜2回のチェック、再評価、トレーニング内容の更新

自費診療としてのモデル例

さまざまなトレーニングを組み合わせ、「お口ポカン改善プログラム」などのネーミングで、自費診療としてパッケージ化することで、医院の収益にも貢献します。

例えば以下のようなメニューが考えられます。

  • 月額5,000〜8,000円のサブスク型トレーニングプラン
  • 初回評価+4回指導パック(25,000円〜)
  • 小児矯正とのセットプラン(咬合誘導+MFT)

パッケージ化することで、保護者の方にも分かりやすく、矯正への誘導もスムーズに進むことが期待できます。

 

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MFTのトレーニングにはコツがありました。トレーニングをより効果的に。

医療法人 なりとみ歯科 理事長 成富健剛先生

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「お口ポカン」から小児矯正、咬合誘導へ

「お口ポカン」から、矯正へ発展させていくことで患者さんのニーズに答えます。

お口ポカン×小児矯正の連携モデル

「お口ポカン」は咬合や顎の発育にも大きな影響を与えます。
とくに、口唇閉鎖ができないことで上顎前突や開咬のリスクが高まり、小児矯正の介入が必要になるケースも少なくありません。

MFTと小児矯正を連携させたアプローチでは、機能面と構造面の両方からアプローチできるため、より効果的な治療結果が期待できます。
MFTによって姿勢や舌位が改善されれば、矯正装置の安定性も高まり、治療効率の向上にもつながります。

差別化できる見せ方とは?「安心感」と「専門性」の可視化

他の医院との差別化はとても重要です。

差別化戦略(オンラインとオフライン)

「お口ポカン対応歯科」としての認知を広げるためには、オンラインとオフライン両方での情報発信が重要です。

オンライン施策

  • ホームページに専用ページを設置し、「お口ポカン 改善 歯科」などのキーワードを含めたSEO対策
  • ブログやSNSでトレーニング紹介、成功事例を継続的に発信
  • LINE公式アカウントでのトレーニング動画配信

オフライン施策

  • 院内掲示で専門対応をアピール
  • 医院を解放して保護者説明会や無料相談会の実施
  • 園・学校への啓発チラシ配布

地域連携で広がるMFTの価値 教育、医療、保護者との連携

他職種との連携でより効果的な治療を目指しましょう

地域との連携

地域との連携は、MFT(口腔筋機能療法)の価値をさらに高めるために不可欠な要素です。
たとえば、近隣の保育園や幼稚園、小学校と協力して、お口ポカンのスクリーニングを実施することで、問題の早期発見と早期介入が可能になります。
教育機関と連携することで、子どもたちの日常的な口呼吸や姿勢の問題に気づく機会が増え、家庭や教育現場でも改善への意識が高まります。

さらに、学校歯科健診で「お口ポカン」や口腔機能発達不全に関する簡易チェックを行い、その結果を基に歯科医院への受診を促す体制があれば、地域全体で子どもの健やかな成長を支える仕組みが構築できます。

加えて、地域の保健センターや子育て支援拠点と協力し、育児相談会や健康講座の中でMFTの重要性を発信することも有効です。
医療だけでなく、行政や教育現場も巻き込むことで、MFTを通じた口腔機能の向上が「地域全体の子どもの発達支援」として位置づけられ、医院の社会的価値も高まります。

 

耳鼻科と歯科の医療連携

お口ポカンの背景には、鼻閉やアレルギー性鼻炎など、耳鼻科的疾患が隠れていることも少なくありません。
そのため、耳鼻科との情報共有や連携体制を構築することで、より包括的な医療を提供できます。

また耳鼻咽喉科と連携を取ることで、患者さんの信頼をより得ることも可能でしょう。

まとめ

​​「お口ポカン」への対応は、単なる機能訓練にとどまらず、歯科医院の専門性や価値を保護者に伝える強力なツールとなります。
とくに、MFT(口腔筋機能療法)を活用したトレーニングの導入は、自費診療や小児矯正への導線にもつながり、医院経営の差別化に有効です。
呼吸や姿勢、咬合にも関連する口唇閉鎖不全は、保護者の不安や悩みに直結しやすく、相談のきっかけをつくりやすい症状でもあります。
こうしたニーズに応えることで、医院の信頼性向上にもつながります。

また、歯科衛生士主導で実施できるトレーニング内容は、院内の業務効率を高めつつ、患者さんとの継続的な接点を確保することができます。
定期チェックと自宅トレーニングの両立を支援するプログラムを設計すれば、サブスクリプション型の自費メニュー化も可能です。

今後は、耳鼻科や小児科、教育機関との連携による地域包括的なサポート体制を整えることで、さらに信頼性と専門性を高められるでしょう。
「お口ポカン」の改善を通じて、医療と教育をつなぐハブとしての歯科医院の可能性を広げていくことが、これからの経営戦略の鍵となります。

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Q&A

 

Q1.お口ポカンとはどういう状態ですか?

 

A.「お口ポカン」とは、口をポカンと開けたままの状態を指し、口呼吸や口唇閉鎖不全症、歯並びや咬み合わせの問題などが原因で起こることがあります。

 

Q2.お口ポカンは、なぜダメなのでしょうか?

 

A.お口ポカンの状態では、唾液の分泌が減少し、口内が乾燥しやすくなります。 唾液は口腔内を清潔に保つための重要な役割を果たしていますが、乾燥することで細菌の繁殖が進み、虫歯や歯周病のリスクが高まります。 また、乾燥した口内は、口臭の原因にもなります。

 

Q3.お口ポカンの治療は、保険適用でしょうか?

 

A.​​口輪筋が鍛えられ、舌の位置が正しい位置に来るため自然と鼻呼吸に誘導してくれます。 2018年から「口腔機能発達不全症」が小児の病名として歯科保険に収載され、現在は保険適用でお口ポカンを治療することができます

 

Q4.お口ポカンは、歯並びに影響しますか?

 

A.「お口ポカン」は、口をポカンと開けたままの状態を指し、放置すると歯並びが悪くなる可能性があります。特に、成長期の子どもの場合、顎の発育や歯並びに悪影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。

歯科衛生士ライター 東雲あや

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