ペニシリン系とセフェム系抗菌薬の違いと覚え方をわかりやすく解説【歯科でよく使う抗菌薬】

歯科知識

抗菌薬は、細菌や他の微生物の成長を抑制し、感染症を治療するために使用される薬剤です。しかし、抗菌薬の種類は非常に多く、それぞれの薬剤には独自の特徴や適応症があります。ここでは、抗菌薬の覚え方について、特に重要なペニシリン系とセフェム系抗菌薬を中心に解説します。

抗菌薬はどのように分類される?

作用メカニズムによって分類される

抗菌薬は、細菌の働きを阻害するメカニズムによって分類されます。主な分類には以下のようなものがあります。

✔ βラクタム系抗生物質(ペニシリンやセフェム系)

✔ マクロライド系抗生物質(エリスロマイシンやアズマイシン)

✔ テトラサイクリン系抗生物質(ドキシサイクリンやミノサイクリン)

✔ フルオロキノロン系抗菌薬(シプロフロキサシンやレボフロキサシン)

それぞれに特徴がありますが、今回は特に重要なペニシリン系とセフェム系について詳しく解説します。

ペニシリン系抗菌薬にはどんな種類がある?

7種類あり、感染部位や耐性菌の有無で使い分ける

ペニシリン系抗菌薬の分類図

ベンジルペニシリン(ペニシリンG)、アンピシリン、アモキシシリン、アンピシリン・スルバクタム、アモキシシリン・クラブラン酸、ピペラシリン、ピペラシリン・タゾバクタムの7種類があります。

①ベンジルペニシリン

青カビから作られた天然抗生物質で、レンサ球菌や髄膜炎菌に効果的ですがスペクトラムは狭いです。

②アンピシリン

合成ペニシリンで、腸球菌やリステリアにも効果があります。大腸菌やインフルエンザ桿菌などの腸内細菌科にも有効です。

③アモキシシリン

アンピシリンの内服版で、経口吸収率が高く、溶連菌感染や歯科処置前の予防投与、梅毒治療などに使用されます。

④アンピシリン・スルバクタム

βラクタマーゼ阻害薬との合剤で、ペニシリン耐性菌にも有効です。黄色ブドウ球菌や嫌気性菌にも効果があります。

⑤アモキシシリン・クラブラン酸

アンピシリン・スルバクタムの内服版で、嫌気性菌や腸内細菌にも有効です。

⑥ピペラシリン

グラム陰性菌に対する活性が強く、KlebsiellaやProteus属など、院内感染で問題になる菌にも効果があります。

⑦ピペラシリン・タゾバクタム

耐性傾向の強いグラム陰性桿菌にも効果を発揮します。重症感染症や免疫不全患者で使用されますが、濫用は避けるべきです。

セフェム系抗菌薬にはどんな種類がある?

「セフ」がつく薬剤で、感染部位ごとに使い分ける

セフェム系抗菌薬の分類図

セフェム系抗菌薬には、セファレキシン、セファクロル、セファジリン、セファレチン、セフトリアキソン、セフピロールなどがあります。

①セファレキシン

呼吸器や尿路感染症など、一般的な感染症に使用される広域抗菌薬です。

②セファクロル

耳・鼻・喉の感染症に有効で、扁桃炎や中耳炎などに使われます。

③セファジリン

皮膚や軟部組織の感染症に効果があり、膿皮症などで使用されます。

④セファレチン

肺炎や腎臓の感染症など重症例に使用される薬剤です。

⑤セフトリアキソン

髄膜炎や深部感染症などの重篤な感染症に用いられます。

⑥セフピロール

耐性菌にも効果を持ち、院内感染や呼吸器感染症などに使用されます。

セフェム系抗菌薬はどう覚えればいい?

「セフ」で始まる名前とアルファベット順で整理

覚え方としては以下のポイントを意識しましょう。

1. 共通の「セフ」という接頭辞に注目

2. 名称の変化をアルファベット順で覚える(セファレキシン→セファクロル→セファジリン…)

3. 音読してリズムで覚えると効果的です。

歯科ではどんな抗菌薬がよく使われる?

アモキシシリンやセファレキシンが中心

歯科で使用される抗菌薬一覧

1. アモキシシリン: 歯周炎や歯根感染症で最も一般的に使用されます。

2. クラリスロマイシン: 歯肉感染症や歯周炎に使用されます。

3. メトロニダゾール: 歯周炎や根尖病変の治療に使われます。

4. セファレキシン: 歯周炎や抜歯後の感染予防に使用されます。

5. トリメトプリム/スルファメトキサゾール: 歯周感染や根尖性病変で使用されることがあります。

抗菌薬を効率的に覚えるには?

語幹と適応疾患をセットで整理する

「〜シリン」はペニシリン系、「セフ〜」はセフェム系といった語幹に注目すると覚えやすくなります。

学生時代に繰り返しノートにまとめることで、体系的に理解できるようになります。診療所によっては薬剤師監修の冊子が置かれている場合もあるため、活用すると効果的です。

この記事のまとめFAQ

抗菌薬はどのように分類される?

抗菌薬は、細菌の働きを阻害するメカニズムによって分類され、ペニシリン系・セフェム系・マクロライド系などがあります。

ペニシリン系抗菌薬にはどんな種類がある?

ベンジルペニシリン、アンピシリン、アモキシシリンなどがあり、感染部位や菌種によって使い分けられます。

セフェム系抗菌薬の覚え方は?

「セフ」で始まる名前が特徴で、アルファベット順に並べて覚えると整理しやすくなります。

歯科ではどの抗菌薬が使われる?

アモキシシリンやセファレキシンが中心で、歯周炎や抜歯後感染の予防に用いられます。

抗菌薬を効率的に覚えるコツは?

薬の語幹と主な用途をセットで覚えると理解が深まり、臨床での応用にも役立ちます。

ライター歯科衛生士
cocco

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