新人歯科衛生士必見!仮歯(TEC)の作成方法

歯科衛生士

仮歯は、プラスチックで作成された歯の被せ物や詰め物のことを指します。通常、歯科医師や歯科衛生士が診療中に作成しますが、多くの歯を対象とした長期間の使用が必要な場合は、歯科技工士に依頼して作成することもあります。

 

1.仮歯の意味

仮歯はさまざまな歯科治療の場面で役立ちます。具体的な作成手順から、仮歯の理由まで、わかりやすく説明します。

 

仮歯の主な目的は、以下の通りです。まず、むし歯の治療の場合、被せ物をする必要がある時に、歯を削ったままにすると、刺激による歯のしみや感染の危険があります。このため、仮歯を作成して歯を削ることで、刺激を抑えて感染を防ぎ、歯に加わった刺激を緩和することができます。 

 

また、歯を削った結果、隣接する歯や噛み合わせの対合歯との間に隙間ができる場合があります。仮歯を入れておくことで、歯の移動を防止し、最終的な被せ物のフィットを確保します。

 

神経の治療中にも、仮歯の作成が行われることがあります。前歯の場合、見た目の問題が重要となります。神経治療が終了し、最終的な被せ物を作成する前に、仮歯で歯の形を決定し、患者さんの了解を得ることが重要です。歯の形や厚さ、全体的なバランスなどを考慮しながら、最終的な被せ物を作成します。 

 

奥歯の場合は、見た目よりも、歯の移動や咬合の確保、歯の破損の防止を目的として、仮歯を使用することが多いでしょう。歯周病治療の場合も、仮歯を使用して咬合を調整し、動揺している歯を固定することがあります。

 

仮歯は患者さんが次回来院までの期間や、長期間の休暇など、さまざまな条件に合わせて作成されます。また、仮歯を仮着するためのセメントも、状況に応じて適切に選ばれます。

 

2.仮歯を作る理由

 

仮歯は、以下の理由から作成されます。

 

1. 見た目が自然になるため仮歯は欠損した部分を補うので、見た目が改善されます。

2. 歯の移動を防ぐため欠損した歯の周囲の歯が傾いたり移動するのを防ぎます。

3. 歯の感染を防ぐため欠損した歯が感染しやすいので、仮歯はそれを防ぎます。

4. 歯の神経に刺激を与えないため欠損した歯に対して物理的な刺激を防ぎます。

5. 食事を取りやすくするため欠損している部分を補うことで、噛む力を回復し食事を取りやすくします。

6. 最終的な被せ物の形を確認するため: 仮歯を装着して歯の形や咬み合わせを確認し、最終的な被せ物や治療計画に反映させます。

7. 歯周病の治療のため歯周病の進行を防ぎ、治療をサポートします。

 

3.仮歯を作成する手順

以下の通りです。

 

1. レジン(粉と液)を練る。

2. 歯の形に合わせてレジンを調整する。

3. レジンを歯の形に塗り込む。

4. 仮歯を完成させる。

 

このようにして、仮歯が作成されます。

 

4.臼歯部仮歯の作り方

 

以下の道具を準備します:

基本トレー

排唾管

ロールワッテ:上顎に1個、下顎に2

ストレートハンドピース

スタンプバー(丸の小)、ビッグポイント、白のシリコン

赤い咬合紙を装着した咬合紙ホルダー

即重のセット:レジンの粉と液、ハサミ、ラバーボール、スパチュラ、鉛筆

 

5.患者さまへの仮歯の使用中の注意事項

 

硬いものは噛まないようにする:仮歯は一時的なものであり、強い力や硬い食べ物を噛むと破損する可能性があります。したがって、硬いものを噛む際には注意しましょう。 

 

粘着性のあるものは避ける:仮歯は確実に固定されていないため、粘着性のあるもの(例:キャラメルや粘着ガム)は避けましょう。これらの食べ物は仮歯を取り外してしまう可能性があります。 

 

仮歯が割れた場合は歯科医院に連絡する:もし仮歯が割れたり破損したりした場合は、すぐに歯科医院に連絡しましょう。歯科医師が修理や交換を行うことが必要です。 

 

以上の注意事項を守ることで、仮歯の使用中にトラブルを避けることができます。

 

6.テックを作成する際の注意事項

 

①レジンの硬化時に膨らみを防ぐため、テックが熱を発して膨らんでいる時は口腔外に出さず、口腔内での着脱を繰り返すことに注意してください。

 

②マージンがオーバーしていると歯肉を刺激し腫れを引き起こす可能性があるので、注意が必要です。

 

③コンタクトが適切かどうかを確認する際は、鉛筆でチェックした後に削りすぎないように注意し、フロスで歯間を通した際に適切な抵抗感があるかを確認してください。コンタクトが緩いと食物の圧入の原因になります。

 

④頬側または舌側の形態を調整する際は、患者さんに舌でテックを触ってもらい、張り出しや違和感がないかを確認してください。テックを薄くしすぎると割れやすくなるので注意が必要です。

 

⑤テックが取れにくくなるように、最初に支台歯と隣接歯、対合歯にワセリンを塗ると良いです。

 

まとめ

テックの作成は何度も練習することが大切です。技工所から返却された本印象の模型などを使って練習すると良いです。

 

ライター歯科衛生士

cocco

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