歯科助手としての業務の中で、歯式を正しく理解し記録することは非常に重要です。
この記事では、歯式とは何か、その取り方と覚え方、さらに注意すべき点をわかりやすく解説します。
歯式とは何?
歯式は歯の位置と種類を表す記号
歯式とは、歯の位置や種類を示すための記号や数字の組み合わせで、歯科医療の現場では患者の歯の状態を記録・共有するために使われます。
主な方式には「FDI歯式」と「Zsigmondy-Palmer方式」がありますが、日本では主に後者が用いられます。
Zsigmondy-Palmer方式とは?
中央の歯を「1番」とし、隣へ向かって「2番」「3番」…と数えます。犬歯は3番、第一小臼歯は4番、最奥の親知らずは8番です。乳歯に親知らずはありません。
永久歯の歯式

永久歯は上の前歯から親知らずまで1~8番で表されます。親知らずを含まない場合は7番までです。
乳歯の歯式

乳歯はA~Eのアルファベットで表記します。上からA、下へ向かってEまでの順です。
FDI歯式とは?

FDI方式では口腔を4つの象限に分け、2桁の数字で歯を表します。最初の数字が象限(右上1、左上2、左下3、右下4)、次の数字が歯の位置を示します。
永久歯は右上から「11」、乳歯は右上から「51」になります。
歯式はどうやって取る?
歯式を取る手順
①口腔内の確認
まず、歯科医師や歯科衛生士が口腔内の状態を確認します。
②象限の特定
永久歯は右上1・左上2・左下3・右下4、乳歯は右上5からスタートします。
③歯の番号付け
各象限内の歯を中切歯から順に番号付けします。例:11~18、21~28、31~38、41~48。
④記録
歯科用カルテに記録します。欠損や治療済みの歯も正確に記載します。
歯式を取る意味は?
歯式は歯科現場の共通言語になる
歯式を記録することで、歯科医師やスタッフ間の情報共有が円滑になります。治療計画や過去の経過確認にも役立ちます。
患者の口腔内状況を正確に把握するため
乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」では、どの歯が生え、抜けているかを把握するために歯式が重要です。
歯式を正確に覚えるには?
番号と位置を関連づけて覚える
歯番号と位置関係をセットで覚えると理解しやすくなります。
歯の形や特徴を観察する
形・色などを意識すると記憶が定着します。
模型を使って学ぶ
模型を用い、実際に位置や形を確認しながら覚えると効果的です。
歯式のミスは医療事故につながる?
記録ミスが医療ミスの原因になることも
歯式の誤りは重大な医療ミスにつながる可能性があります。たとえば左右を誤認して抜歯するなど、患者との信頼関係を損なう恐れもあります。
また、保険入力ミスは返戻の原因になるため、慎重な確認が必要です。
この記事のまとめFAQ
歯式とは何?
歯の位置や種類を記号で表したもので、患者の歯の状態を正確に記録・共有するために使われます。
日本ではどの歯式が使われている?
主にZsigmondy-Palmer方式が採用されています。
歯式を間違えるとどうなる?
治療ミスや保険請求の返戻など、医療上のトラブルにつながる可能性があります。
歯式を覚えるコツは?
番号と位置を関連付け、模型を使って立体的に覚えることです。
子どもの歯式はどう違う?
乳歯はA~Eのアルファベットで表され、親知らずはありません。
(出典:厚生労働省「歯科疾患実態調査」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html)
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