全国で働いている歯科衛生士の数知っていますか?

コラム, 歯科衛生士

歯科衛生士として働く皆さん、歯科医師の先生方は全国でどれくらいの歯科衛生士が働いているかご存知ですか? 歯科衛生士はどこの歯科医院も不足していると言われていますが、厚生労働省のデータを 元にお話を進めていきます。 

 

1.最新データ!令和4年末の就業歯科衛生士数 

厚生労働省は、令和4年末の就業歯科衛生士数に関する情報を発表しました。全国の就業歯 科衛生士数は 145,183 人で、前回の調査(令和2年末)から 2,423 人のわずかな増加が見ら れました。 しかし、同時期の歯科衛生士免許保有者数は 314,143 人であることから、就業歯科衛生士数 は全体の 50%を下回っています。一方で、国家試験に合格した歯科衛生士の数は毎年約 7,000 人で推移しています。これにより、新たな歯科衛生士が毎年誕生している一方、2020 年末と比較すると 2,423 人の微増にとどまり、離職率の高さが課題となっています。また、 都市部と過疎地域関係なく、70%の都道府県で歯科衛生士が不足しているとも言われています。

 

2.就業場所別にみた就業歯科衛生士の数 

女性世代サイクルの女性年齢のイラスト。女性のライフステージ | 無料のベクター

最も多いのは「診療所」であり、その数は 130,806 人(90.1%)でした。「診療所以外」の 就業者数は 14,377 人(9.9%)で、前回の調査結果と比較すると 1,375 人の増加が見られま した(前回比 11%増)。特に、「歯科衛生士学校又は養成所」の就業者数が 762 人増加し、 前回比 76%増と顕著な増加がみられました。

 

3.年齢階級別就業歯科衛生士数

厚生労働省によると、令和4年の就業歯科衛生士数を年齢階級別に分析した結果、50歳以 上の割合が過去最高の26%となりました。2010年を基準とした比較では、「50~54歳」の就業者数は2.3倍、「55~59歳」は3.5倍、「60~64歳」は4.7倍、「65歳以上」は7.6倍と、いずれも大幅な増加が見られました。これにより、歯科衛生士が 長期間にわたって働ける職業となっていることがわかります。 

 

4.歯科衛生士が就業していない理由

歯科衛生士復職支援 | 一般社団法人 上伊那歯科医師会

歯科衛生士は、歯科医院や歯科クリニックなどで患者の口腔ケアや予防処置を行う重要な 役割を担っています。しかし、厚生労働省の調査によると、歯科衛生士免許保有者の 50% が就業していない現状があります。その理由には以下のようなものが挙げられます。 

 

1. 就業機会の不足

歯科衛生士の需要は高いものの、就業機会が限られている地域も存在します。特に、人口が 少ない地方や過疎地域では、歯科医院の数が少なく、就業先の選択肢が限られているため、 歯科衛生士が就業していない場合があります。

 

2.仕事内容の相違と混乱

歯科医院は場所により業務内容、環境が大きく差があります。歯科衛生士の業務の幅を超え た仕事量や、時には違法行為の強要(絶対的歯科医行為を行わなければならない等)を促され るところもあり、筆者は歯科衛生士として再スタートを拒む人も何人も見てきました。

 

3. 労働環境の不安定さ

歯科衛生士の中には、労働環境の不安定さを理由に就業していないケースもあります。長時間労働や過重な業務負担、給与の低さなどが原因で、歯科衛生士が職場を変えたり、転職を考えることがあります。また、雇用形態が非正規雇用である場合、安定した収入や労働条件 の不安定さが就業を選択しない要因となることもあります。

 

4. 専業主婦や育児中の女性

歯科衛生士の多くは女性であり、結婚や出産を機に専業主婦になるケースも少なくありません。また、育児中の女性は、子育てと仕事の両立が難しく、就業を一時的に休んでいるケ ースもあります。これにより、一部の歯科衛生士が就業していない状況が生じています。 以上が、歯科衛生士が就業していない理由の一部です。将来的には、歯科衛生士の就業機会 の拡大や労働環境の改善、女性の働き方に対するサポートなどが進められることで、より多くの歯科衛生士が就業できる環境が整っていくことを期待したいところです。

 

5.歯科衛生士として再就職するために

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1. 継続的な学習とスキルの向上

歯科衛生士としての知識や技術は常に進化しています。再就職を希望する場合、最新の治療 方法や診療技術についての知識を持つことが求められます。ブランクのある方向けのセミ ナーや基本的な SRP のセミナーなども開催されていますので、足を運んでから就職活動す るのがよいでしょう。 また、ORTC では歯科衛生士向けのセミナーも多数用意しております。

 

2. 履歴書と面接の準備

 自身の経験やスキルをわかりやすくアピールするために、適切な履歴書の作成や面接の準 備を行うことが重要です。今まで勤務してきた歯科医院や、専門分野がある場合は細かく記載しておきましょう。 

 

まとめ

歯科衛生士はどこの職場でも不足しており、必要とされています。ブランクがある方も、ぜひ再就職を目指してください!

 

歯科衛生士ライター 西山

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