訪問栄養食事指導スタートガイド

Step1 訪問栄養食事指導の基本 対象者と支援の全体像を理解する

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Step1 訪問栄養食事指導の基本 対象者と支援の全体像を理解する 稲山未来
講師
稲山未来
Kery栄養パーク
代表 管理栄養士

講師紹介 稲山未来

  • 稲山未来
  • Kery栄養パーク
  • 代表 管理栄養士
  • 栄養士養成校を卒業後、特別養護老人ホームで調理に携わりながら管理栄養士の国家資格を取得。給食管理や栄養管理に加え、看取り期の食支援にも深く関わり、高齢者が“最期まで食べる”ことを支える重要性を学んだ。 さらに、食事だけでなく生活全体を支えるため介護支援専門員資格を取得し、包括的なケアに取り組んできた。
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こんな方におすすめ

・管理栄養士の訪問栄養食事指導を始めたい歯科医院や管理栄養士

・在宅歯科診療に携わり、栄養指導導入を検討する管理栄養士

・摂食嚥下障害や低栄養患者の全身管理を学ぶ歯科医師

・介護保険制度を利用した多職種連携を強化したいスタッフ

動画の紹介

歯科管理栄養士のための訪問栄養指導スタートガイド

本動画は、歯科に所属する管理栄養士が訪問栄養食事指導(居宅療養管理指導)を円滑に開始するための基本と全体像を解説します。「最後まで食事を楽しむための環境整備」をミッションに、在宅療養患者の栄養状態改善と生活の質の向上を目指す支援のあり方を紹介。

 

動画内容

在宅高齢者の低栄養に挑む!訪問栄養食事指導の実践と制度の理解

本動画は、在宅訪問栄養食事指導の導入を検討している歯科医療従事者、特に管理栄養士向けに、その基本的な役割と制度上の位置づけを深掘りします。訪問栄養指導の目的は、単なる栄養素の調整に留まらず、「最後まで食事を楽しむための環境整備」にあると定義し、摂食嚥下障害、慢性疾患(糖尿病・腎臓病)、低栄養など、多岐にわたる課題を持つ在宅患者への支援を紹介します。

腸閉塞を繰り返す重度低栄養患者への多角的介入

具体的な症例として、腸閉塞による入退院を繰り返し、自己管理の限界から8kgも体重減少した87歳女性のケースを提示。病院での栄養指導が日常に落とし込めていないという現状に対し、管理栄養士が介入する意義を示します。介入の第一歩として、まず現在の摂取エネルギー(800kcal/日)が目標量(1200kcal/日)に大きく不足していることを栄養計算で明確化し、エネルギーとタンパク質の不足を解消することが喫緊の課題と設定されます。

課題分析と解決策:栄養剤・買い物支援・不安の解消

患者が抱える「栄養不足」「腸閉塞への恐怖」「食事への不安」という三つの課題に対し、以下の具体的な介入が行われました。

  • 栄養剤(ONS)の活用と指導: 恐怖心から飲めていなかった経腸栄養剤(ONS)について、腸閉塞への影響が少ないことを説明し、確実な栄養補給の基盤を確立。
  • 買い物を通じた食事の具体化: 生協のカタログを用い、腸閉塞リスクを考慮しながら「食べられるもの」を一緒に選ぶことで、栄養指導の内容を日常の食品選択に直結させます。
  • 食事記録と絶食日の設定: 食事記録を通じて自己の許容量を患者自身が把握できるように促し、さらに定期的な絶食日(栄養剤のみ)を設定することで、胃腸をリセットし、食事への不安を軽減させました。

その結果、患者は体重が33kgから40kg台へと増加し、食事への不安感が安心感に変わり、在宅生活の継続に大きく寄与しました。

歯科管理栄養士の制度的位置づけ

在宅訪問栄養食事指導には介護保険と医療保険の2種類がありますが、歯科診療所に所属する管理栄養士が主に算定できるのは介護保険の「居宅療養管理指導」です。特に、歯科では居宅療養管理指導(Ⅱ)(建物居住者1人あたり525単位)を算定することになります。

重要な算定要件と連携の流れ

算定要件は「通院困難な者」で「特別食提供の必要性がある」こと。最も重要な点は、歯科医師の指示ではなく、医科の主治医の指示に基づいて指導を実施する点です。歯科医師が食事指導の必要性を感じた場合、医科主治医に情報提供と栄養指導の提案を行い、医科主治医からの指示書(例:低栄養のため最低1200kcalの食事を提供)を得るという、多職種連携が不可欠な流れが説明されます。この制度の理解は、歯科から在宅医療へ積極的に関与していくための必須知識となります。

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