こんな方におすすめ
デジタル技術を活用したインプラント治療を始めたい歯科医師
サージカルガイドのインハウス作成に興味のある歯科医師・技工士
難易度の高い症例(リフト、開口制限)への対処法を知りたい歯科医師
動画の紹介
デジタル技術の進化:サージカルガイドの基本と応用
昨今のデジタル技術の進化は、インプラント治療に革命をもたらしています。本動画では、インプラント成功に不可欠な補綴主導(Prosthetic-Driven)の埋入計画に基づき、サージカルガイドの基本概念から臨床応用、そしてインハウスでの作成方法までを詳解します。
動画内容
インプラント埋入の解剖学的・補綴的基準
埋入位置の計画では、歯肉退縮を防ぐための頬舌側骨の2mm温存ルール、インプラント周囲の骨吸収(ソライゼーション)を考慮したインプラント間3mm、天然歯間1.5mmのスペース確保が必須です。また、最終的なアクセスホールの位置は、清掃性と審美性の観点から、前歯部では舌側、臼歯部では中央が理想とされます。サージカルガイドは、これらの複雑な基準を満たし、神経損傷やパーフォレーションといった偶発症を防ぐための有効なツールです。
サージカルガイドの種類とインハウスの優位性
ガイドには、最初のドリリングのみを制御するパイロットガイドと、埋入まで完全に制御するフルガイドが存在し、症例に応じて使い分けます。ガイド導入の障壁であったコストは、3Dプリンターの普及により大きく改善しました。フリーソフトBluesky Planのような優秀な設計ソフトウェアを活用し、インハウス(院内)でガイドを作成することで、コストを大幅に削減し、治療の自由度と迅速な対応が可能となります。
インハウスガイドの高度な臨床応用例
インハウス作成の最大の利点は、メーカー外注では不可能なカスタム対応ができる点です。臨床例として、以下の応用アイデアが紹介されています。
- 上顎洞挙上術(サイナスリフト):ラテラルウィンドウガイドを併用し、側方からのアプローチをガイドして難易度を低下。
- 矯正治療(インビザライン)とのコンビネーション:矯正後の歯列に合わせたインプラント位置を矯正前に決定・埋入し、治療期間を短縮。
- 開口量制限のあるケース:チューブを延長した骨支持型のデザインを工夫し、ドリル操作を容易化。
- オールオン4:抜歯、骨削除(ボーンリダクション)、即時荷重のためのスタッカブルガイドを応用し、低侵襲な外科を実現。
これらの応用により、経験の浅い若手歯科医師でも安全性を担保しつつ、質の高いインプラント治療を提供できることが示されています。