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破折した義歯に、Ｔコンを貼った症例、修理を繰り返した義歯で咬合採得して義歯新製

どんなに壊れていても90分でできる義歯修理

破折した義歯に、Ｔコンを貼った症例、修理を繰り返した義歯で咬合採得して義歯新製

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破折した義歯に、Ｔコンを貼った症例、修理を繰り返した義歯で咬合採得して義歯新製伊藤高史

講師: 伊藤高史
いとう歯科医院　院長

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動画時間：00:19:42

どんなに壊れていても90分でできる義歯修理

講師紹介　伊藤高史

伊藤高史
いとう歯科医院　院長
プロフィールページ

こんな方におすすめ

義歯の緊急対応と新製の連動を学びたい歯科医師

患者の違和感を最小化する義歯製作プロセスを知りたい歯科医師

保険診療内での義歯強度向上に関心のある歯科医師

動画の紹介

破折義歯への迅速対応と違和感を抑えた新義歯製作の流れ

本動画では、破折した義歯に対する90分以内での応急処置と、その後の新義歯（入れ歯）製作の全プロセスを解説します。診療時間外に来院した破折患者に対し、まずティッシュコンディショナー（粘膜調整材）を適用し、粘膜への負担を均一化して一時しのぎとする対応を紹介。

動画内容

ティッシュコンディショナーから新製へ：破折義歯患者への継続的対応

本動画は、義歯破折という緊急性の高いケースに直面した際の対応から、最終的な新義歯製作に至るまでの一連の流れを示しています。特に補強線のない薄い義歯床が原因で破折を繰り返す患者に対し、いかに迅速かつ確実に対応し、次の治療へ移行させるかのノウハウが凝縮されています。

緊急対応：ティッシュコンディショナーの適用

診療時間の都合で即日の補強線修理が困難な場合、破折義歯にティッシュコンディショナー（TC）を適用することを推奨しています。TCを柔らかく、流れるような状態で薄く均一に貼付することで、粘膜への負担を均一化し、一時的に義歯の適合を向上させます。これは本来の粘膜調整としての役割を果たしつつ、患者の不便を解消し、次回来院までの一時しのぎとして非常に有効です。特に、リライン後時間が経過していない義歯は適合不良が少ないため、TCの薄い貼付でも効果が出やすいと解説しています。

新義歯製作の核：咬合高径の維持

修理を繰り返しても再破折する（特に大柄な男性など咬合力が強い患者）場合、新義歯製作が必要です。ここで最も重要な臨床判断は、古い（修理した）義歯の咬合関係を厳格に維持することです。動画では、修理義歯を模型に合わせ、その咬合高径（約70mm）をシリコンバイトなどを利用しつつ正確に記録・再現しています。「古い義歯と咬合高径を変えない」ことは、患者が新しい義歯に違和感なく移行するための成功要因であると強調されています。安易に咬合高径を変えると、どんなに正確な計測を行っても患者は「使えない」と感じることが多いからです。

製作時の具体的テクニックと調整の工夫

新義歯製作においては、以下の実践的な工夫が紹介されています。

ポストダム（後縁封鎖域）の付与：印象採得では正確に採れにくい口蓋後縁部を補正し、義歯の吸着力を高めるために付与します。
人工歯配列時の咬合調整：全歯配列後の試適で、咬合高径が高くなっている（顎間距離が大きくなる）ことが確認された場合、ワックスを熱して噛ませ直すなどして、旧義歯と同じ高さに垂直的修正を行います。「最初は低めに作っておく方が無難」という原則が活かされます。
7番（第二大臼歯）配列のタイミング：7番はスペースが狭いことや、干渉による咬合の不安定化を防ぐため、試適時には配列せず、完成時に技工士に付着してもらうだけに留め、干渉があれば削るという最終調整を考慮した工夫を行っています。

保険診療と自費診療への誘導

再破折を繰り返す患者には、修理を機に破折しにくい金属床義歯などの自費治療を提案することで、治療の流れをスムーズにすることも一つの選択肢であると示唆しています。ただし、動画作成者は保険診療で対応しており、「波の腕前の技工士に依頼しても、正しい咬合関係を再現すれば安定した義歯は作れる」というメッセージを伝えています。

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