【2026年(令和8年)歯科診療報酬改定】歯科の改定率+0.31%!院長が今すぐ押さえるべき重要トピックスとデジタル化対策

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2026年・令和8年改定対応

歯科診療報酬改定は、医院経営の分岐点になる

2026年(令和8年)の歯科診療報酬改定では、初・再診料、賃上げ対応、医療DX、光学印象、3Dプリンタ、金属材料の運用など、歯科医院の実務と経営に直結する変更が相次いでいます。

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2026年歯科診療報酬改定の全体像

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POINT 01

初・再診料と賃上げ対応

POINT 02

光学印象・3Dプリンタの評価

POINT 03

金パラ使用時の記載対応

POINT 04

医療DXと施設基準の確認

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2026年(令和8年)歯科診療報酬改定の全体像

2026年(令和8年)の歯科診療報酬改定は、単なる点数の増減だけで捉えるべき改定ではありません。歯科医院の人材確保、物価高への対応、医療DX、デジタル歯科診療、補綴材料の選択など、日々の診療体制と医院経営の両方に影響する内容が含まれています。

全体改定率+3.09%のうち、歯科固有の改定率は+0.31%とされ、歯科領域においても一定のプラス改定となりました。一方で、今回の改定は「何もしなくても自然に増収する」という性格のものではありません。

改定の恩恵を確実に受けるためには、点数の確認だけでなく、施設基準、届出、カルテ記載、スタッフ説明、レセコン設定、患者対応まで含めた院内オペレーションの整備が必要です。

特に注目すべきなのは、国が評価する医院像がより明確になった点です。スタッフの処遇改善に取り組む医院、医療DXに対応する医院、デジタル技術を活用する医院、そして記録と説明を適切に行う医院が、今後より評価されやすくなっていきます。

本記事では、院長先生や医院経営者が押さえておくべき重要ポイントを、実務に落とし込む視点で整理します。

1初・再診料の引き上げと、賃上げ・物価高への対応

初・再診料の引き上げと賃上げ・物価高への対応

今回の改定でまず確認したいのが、基本診療料の見直しです。歯科初診料、歯科再診料の引き上げに加え、物価高騰や人件費上昇への対応を意識した評価が組み込まれています。

診療報酬本体の改定には、賃上げ対応分、物価高騰対応分、経営環境悪化への緊急対応分が含まれています。歯科医院においても、材料費、光熱費、人件費の上昇は避けられない課題です。今回の改定は、そうした経営環境の変化を一定程度反映したものと見ることができます。

初・再診料のベースアップに加え、新たに創設された「歯科外来物価対応」を組み合わせることで、初診時は実質+8点、再診時は実質+2点の引き上げが行われます。

さらに重要なのが、「歯科外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ・Ⅱ)」の区分拡大です。令和8年度には、歯科衛生士、歯科助手、受付スタッフなどを含めた職員に対して、+3.2%の賃上げ目標が設定されています。

院長が確認すべきアクション

ベースアップ評価料で得た収益は、スタッフの基本給や毎月決まった手当など、継続的な賃金改善に結びつける必要があります。6月以降の給与設計に向けて、顧問税理士や社会保険労務士と連携し、給与テーブル、就業規則、手当設計を早めに確認してください。

2保険診療のデジタル化が加速。光学印象と3Dプリンタ

光学印象と3Dプリンタ

令和8年改定で特に注目したいのが、デジタル歯科学への評価です。口腔内スキャナー、CAD/CAM、3Dプリンタなどを活用した診療・技工の流れが、保険診療の中でもより明確に位置づけられつつあります。

まず、口腔内スキャナーを用いた光学印象の評価が150点へ引き上げられました。従来の印象採得と比較して、デジタルデータを活用することで、補綴設計、技工所との連携、再製作リスクの低減などにつなげやすくなります。

また、歯科技工士が対面または要件を満たすオンラインで口腔内の状態を確認し、設計に関与した場合に算定できる「光学印象歯科技工士連携加算(50点)」も新設されています。院内ラボを持つ医院や、デジタル対応に強い技工所と連携している医院にとっては、体制整備の意義がさらに高まります。

さらに、3Dプリンタによる有床義歯製作にも評価がつきました。液槽光重合方式(SLA/DLP方式)の3Dプリンタで製作した有床義歯について、4,000点/顎という評価が設定されています。CAD/CAM冠・インレー装着時の内面処理加算も45点から55点へ引き上げられており、補綴領域のデジタル化は今後さらに進むと考えられます。

院長が確認すべきアクション

IOSや3Dプリンタは、単なる先進設備ではなく、保険診療の収益構造や技工連携に関わる経営判断になりつつあります。自院で導入するのか、外部のデジタル対応技工所との連携を強化するのか、設備投資額、算定件数、技工コスト、スタッフ教育まで含めて投資対効果を検討してください。

3金パラ使用時は、カルテ記載の運用が重要になる

金パラ使用時のカルテ記載対応

材料価格の高騰を背景に、歯科用金属の使用についても見直しが進んでいます。特に、金銀パラジウム合金、いわゆる金パラの使用については、今後より慎重な運用が求められます。

今回の改定で現場が注意すべきなのは、やむを得ず金パラを使用する場合の理由記載です。患者さんの状態、既存補綴物との関係、アレルギーへの配慮、治療上の必要性など、金パラを選択する理由を診療録に残す運用が重要になります。

ここで問題になるのは、歯科医師個人の注意力だけに依存した運用です。忙しい診療の中で記載が漏れると、レセプト返戻や個別指導時の指摘につながる可能性があります。制度対応は、院長だけでなく、勤務医、受付、レセプト担当、システムベンダーを含めて整備する必要があります。

院長が確認すべきアクション

電子カルテやレセコンで、金パラ選択時に理由入力を促す設定ができるか確認してください。可能であれば、アレルギーの懸念、既存補綴物との兼ね合い、患者説明の内容などをテンプレート化し、記載漏れを防ぐ仕組みにしておくことが有効です。

4医療DXは「導入しているか」から「使えているか」へ

医療DX対応と施設基準

医療DXへの評価も、今回の改定で大きな転換点を迎えています。これまでの「医療DX推進体制整備加算」は再編され、新たに「電子的診療情報連携体制整備加算」へと移行します。

重要なのは、単にシステムを導入しているだけでは十分ではなくなっている点です。マイナ保険証の利用率、電子処方箋の導入状況、診療情報連携の体制など、実際に活用できているかどうかが評価に影響しやすくなっています。

初診時の算定点数は、施設基準に応じて15点・9点・4点に区分されます。つまり、医療DXに対応できている医院と、対応が遅れている医院との間で、初診時の評価に差が出る構造です。

これは、受付業務にも大きく関わります。マイナ保険証の利用率を高めるためには、受付スタッフの声かけ、院内掲示、患者説明、カードリーダーの運用確認など、日常業務の中での小さな改善が欠かせません。

院長が確認すべきアクション

受付スタッフとミーティングを行い、マイナ保険証の声かけスクリプトを統一してください。「保険証はお持ちですか?」ではなく、「マイナンバーカードはお持ちですか?」を自然に案内できる体制に変えることが、利用率向上の第一歩です。

56月施行に向けて、院内で確認すべき準備

院内で確認すべき準備

令和8年改定も、前回の令和6年改定と同様に6月施行となります。6月から新しい点数や加算を適切に算定するためには、事前の確認と院内体制の整備が欠かせません。

特に、施設基準の届出、レセコンの点数マスター更新、スタッフへの共有、患者説明、カルテ記載ルールの整備は、直前にまとめて対応しようとすると抜け漏れが起きやすい領域です。院長が全体像を把握し、担当者ごとに役割を分けて進める必要があります。

  • ベースアップ評価料の算定要件確認と届出:賃上げ計画、対象職種、賃金改善方法、地方厚生局への提出様式を確認する。
  • 光学印象および関連加算の施設基準確認:IOSの要件、技工士連携の方法、オンライン確認の可否、院内フローを整理する。
  • 医療DX関連の要件確認:マイナ保険証の利用率、電子処方箋、診療情報連携体制、受付での案内方法を見直す。
  • 電子カルテ・レセコンのアップデート:新点数マスターの反映、算定項目の確認、金パラ理由記載のテンプレート設定を確認する。
  • 院内スタッフへの共有:歯科医師、歯科衛生士、受付、レセプト担当が同じ理解で運用できるよう、短時間でも院内ミーティングを実施する。

期限直前に動き出すと、システムベンダーへの問い合わせが集中したり、厚生局への届出に不備が出たりする可能性があります。特に算定開始時期に関わる項目は、早めに確認しておくことが重要です。

改定対応は、医院の経営力を見直す機会になる

2026年の歯科診療報酬改定は、単に点数を覚えるだけでは不十分です。今回の改定から読み取れるのは、国が「スタッフの処遇改善」「医療DX」「デジタル技術の活用」「適切な記録と説明」を重視しているという方向性です。

これらは、保険診療の算定だけでなく、医院の採用力、教育体制、患者説明、技工連携、設備投資にも関わります。だからこそ、改定対応を一時的な事務作業で終わらせず、医院全体の運営を見直す機会として捉えることが大切です。

ORTCでは、今後も歯科医院経営に直結する制度改定、医療DX、デジタル歯科、スタッフ教育に関する実践的な情報を発信していきます。

執筆・編集:ORTC編集部

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