歯科定期検診とは、虫歯や歯周病などの口腔内トラブルを予防し、歯の健康を維持するための定期的な検査とケアを指します。歯科医師や歯科衛生士が患者の口腔内をチェックし、問題を早期に発見して適切な対策を提案します。
歯の寿命を延ばすだけでなく、全身の健康維持にもつながる重要な取り組みです。
日本では歯科定期検診の受診率は低く、成人の約30%程度とされています。欧米諸国と比べても遅れが指摘されており、このギャップを埋めることが健康意識の向上に重要です。歯科定期検診を受けることで、将来的な健康リスクを軽減し、医療費の削減にも寄与します。
定期検診は、虫歯や歯周病の早期発見を可能にし、悪化を未然に防ぎます。また、口腔内の健康が全身の健康に及ぼす影響を考慮すると、生活習慣病の予防にもつながります。
なのに「なぜ、患者は定期検診に来ないのか」「高いよねと言われるのか」を解説していこうと思います。
歯科定期検診の目的
歯科健診の目的は、虫歯や歯周病の早期発見・予防です。早期発見と予防は定期検診の最大の利点です。これにより、大規模な治療や歯の損失を回避することができます。
また、歯周病が心血管疾患や糖尿病の悪化因子とされており、口腔ケアの充実は全身疾患のリスクを下げる手段となります。
健康な歯は噛む力や発音をサポートし、生活の質(QOL)の向上、快適な日常生活を支えます。自信を持った笑顔や会話が心理的な健康にも寄与します。
定期検診を受ける患者さんのメリット
初期治療で大きなトラブルを未然に防ぐことが大きな目的です。初期の段階で問題を発見し対応することで、重症化を防ぎます。これにより、患者の負担を大幅に軽減できます。
治療期間や通院回数は、少ない方がいい患者も多く、臨床現場でも「一気にやってほしい」」と言われることありませんか?ですが、絶対に1回で終わらない治療ありますよね。
軽度の症状であれば短期間の治療で済むため、患者のスケジュール調整が容易になります。
長期的に考えると、重度の虫歯や歯周病を回避することで、高額な治療費の発生を抑えることが可能です。歯周病や虫歯について、なんとなくしか知らず、よく分かっていない患者も多いのが現実です。
甘く見られがちな「歯」ですが、歯の健康は見た目や自信に大きな影響を与えます。健康な歯を保つことで、人前での会話や笑顔が増え、社会生活に良い影響を与えるのは間違いないでしょう。
生涯にかかる歯科健診の費用について
歯科定期検診の費用は、1回あたり約3,000円~10,000円程度です。年2~4回の検診で年間6,000円~40,000円の範囲となります。
生涯(50年間)の定期検診費用の総額試算をしていくと、年間30,000円の費用を想定とし、50年間で約150万円の出費となります。一方で、進行した虫歯や歯周病の治療費は1回で数十万円を超える場合も多く、定期検診が経済的にも有益であることが分かります。
治療時に「思ったよりも高い」と感じる人もいます。だからこそ、予防できるとこは予防し、治療費をかけなくていいようにしていきましょう。
歯科定期検診の内容
歯科医院によって、多少の内容差はあると思いますが、以下の点は必要最低限の内容になると思います。
・口腔内診査
・歯周ポケット検査
・クリーニング
・TBIやOHI
患者の状態に応じて追加されるのが、
・レントゲン撮影
・唾液検査
・舌圧診査
などになってきます。
結果説明と今後の治療・予防計画の提案を説明していきます。臨床現場で働いていて、歯科医院によって大きく違うと感じるのがココです。意外と、カウンセリングの内容は、歯科医院の方向性によって患者へ話す内容の濃さが変わると感じる部分になります。
患者的には「せっかく歯医者に来たんだから、説明はしてほしい」と思っているのに、説明不足・コミュニケーション不足を感じることがあります。
定期検診に長く通ってもらおうと思うのであれば、クリーニング内容もカウンセリングや説明も必要になってきます。
定期検診は、継続して受診することで最大の効果が得られます。歯科衛生士として、患者にその重要性を伝えることが重要です。
・検診を受ける際の注意点やポイント
・痛みや違和感を事前に相談する
・普段のケア状況を共有する
・推奨された頻度で受診する
・日常のケアと定期検診を併用することで最大限の効果を得る方法
毎日の適切な歯磨きやデンタルフロスの使用と、専門的なケアを組み合わせることで、口腔内の健康を長期間維持することができます。
定期検診を受けるきっかけを作るメッセージ
初めて検診を受ける人への安心感の提供は必要です。初めての方には、検診内容をわかりやすく説明し、不安を解消することがとても大切になります。
歯科医院でのカウンセリングやプラン提案の重要性なども、患者に合った検診プランを提案することで、受診の習慣化を促進し、長期的な口腔ケアの実現が可能になります。
次回予約をその場で設定する提案やキャンペーンの活用によって、患者のモチベーションを高める工夫もあると良いかと思います。
・せっかく来院してくださったのに、治療が終わったら来なくなる。
・歯周治療の必要性を理解してもらえず、年1の来院
など、臨床現場にいると様々な患者がおり、なかなか定期的に通ってもらえないこともありました。
まずは、定期的に歯科医院に来てもらえるような設計ができると患者もハードルが低くなり、来院しやすくなるのではないでしょうか。
国民の健康を予防できるのも歯科の分野だと思っています。今後、皆様の健康を一緒に担っていきましょう。
歯科衛生士 原田
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