歯科衛生士の副業が増える背景とは?院長が知っておきたいポイントと対応策

歯科衛生士

近年、働き方改革や副業解禁の流れを受け、多くの職場で従業員が副業を始める動きが増えています。歯科業界も例外ではありません。歯科衛生士の中にも、副業を検討したり実際に始めたりする人が増加しており、これが歯科医院の運営に影響を与える可能性があります。

歯科衛生士が副業を始める理由やその背景、院長や経営者が知っておくべきポイント、そして実際にどのように対応すべきかについて解説します。従業員の満足度を高めつつ、医院の運営に支障をきたさないための方法を一緒に考えていきましょう。

歯科衛生士が副業を始める理由と現状

歯科衛生士が副業を始める理由には、以下のようなものがあります。

収入アップ


歯科衛生士の平均給与は決して低いわけではありませんが、家計を支えるために追加収入が必要な場合があります。特に、子育てやローン返済といった生活の負担が大きい人ほど、副業に関心を持つ傾向があります。
 

キャリアアップ


副業を通じて新しいスキルを習得し、専門分野を広げたいという意欲も理由の一つです。たとえば、健康や美容関連の分野での活動を通じて、より幅広い知識を身につけるケースが見られます。
 

ライフスタイルの多様化


自分の趣味や興味を仕事にすることで、仕事の幅を広げたいと考える人も増えています。たとえば、ハンドメイド作品を販売したり、ブログ執筆を始めたりする歯科衛生士もいます。

 

増加する副業トレンド

最近の調査によると、副業を考える歯科衛生士の割合は年々増加しています。SNSやオンラインプラットフォームの普及により、副業を始めるためのハードルが下がっていることも背景にあります。

副業が歯科医院経営に与える影響

スキルの向上


副業で得た新しいスキルや経験が、本業である歯科医院の業務に活かされることがあります。たとえば、セミナー講師を経験した歯科衛生士は、患者への説明や指導のスキルが向上する可能性があります。

 

職場満足度の向上


副業を許容する職場環境は、従業員の満足度や信頼感を高める傾向があります。職員が自由に働ける環境を整えることで、離職率の低下にもつながります。

 

疲労や集中力の低下


副業が本業に支障をきたす場合、特にシフト業務では大きな問題になる可能性があります。疲労が蓄積し、本業でのミスが増えることが懸念されます。

 

本業への優先度の低下


副業の内容や収入によっては、本業へのモチベーションが下がる場合があります。このような事態を防ぐためには、経営者としての適切な対応が求められます。

 

経営者が知っておくべき副業に関する法的ルール

副業を認めるかどうかは、各医院の就業規則に明記することが重要です。以下のようなポイントを考慮しましょう。

禁止や制限を設ける場合


禁止する場合は、その理由を明確にする必要があります。たとえば、「患者情報の漏洩リスクがある業務は禁止」「同職種は禁止」など明確な項目を作成する必要があります。

文面で決めておかないと、後々問題が起きた時に大変になります。従業員と共有の認識を持っておき、その中で副業など自分のキャリアについて考えてもらうのが良いのではないでしょうか。

 

許可する場合の条件設定例

「勤務時間外に限る」「医院の業務に影響を与えないこと」など、条件を具体的に示すことが求められます。

仕事中の労働態度が変わったり、今までできた業務内容ができなくなったりなど、雇用している以上、歯科医院での仕事が手抜きにならないようにするために決めておきましょう。

 

労働基準法

副業を含めた労働時間が法定労働時間を超えないようにする必要があります。従業員が副業として、どこか別の会社などに雇用される場合には気をつけないといけません。週40時間以上の就労時間になるのかを確認し、事前に36協定などの歯科医院での就労に影響ができなように契約をしていく必要があります。

なんですが、個人事業主やフリーランスは、対象外です。個人で仕事を始める場合には、あまり関係ないのですが、自己管理をしっかりしておかないと健康など歯科医院での仕事に影響が出てきます。そのあたりは、条件として提示を別途しておく必要があると思います。


税務リスク

副業で得た収入については、従業員が適切に確定申告を行う責任があります。歯科医院で年末調整しても、副業の収入額によっては、確定申告が必要になってきます。副業の管理まで、歯科医院がする必要はないと思いますが、経営者としても基本的な知識を持つことが大切になります。
 

副業を許容する職場作りのメリットと方法


離職率の低下従業員が働きやすい環境を整えることで、職場に対する満足度が高まり、結果として離職率が低下します。

柔軟な組織作り副業を許容することで、時代の変化に対応できる柔軟な職場環境を構築できます。

定期的な面談を実施従業員の希望や状況を把握し、個別対応を行っていきましょう。

シフト調整の柔軟性向上副業を考慮したシフト計画を作成する必要があります。

副業内容の把握と支援可能な範囲で副業の内容を把握し、必要に応じてアドバイスを提供することも良いでしょう。
 

副業時代の歯科医院経営のあり方

副業を考える歯科衛生士のサポートには、経営者としての理解と柔軟性が不可欠です。私自身、歯科衛生士+副業を経験してきた中で、本業の知識が副業に役立つこともあれば、逆に副業で得たスキルが本業の患者対応やコミュニケーションの質を高めることを実感しました。

しかし、同時にスケジュール調整や体力管理の難しさも感じました。これらの経験から、経営者としては、従業員が無理をしない環境を作り、本業と副業がうまく共存できる仕組みを整えることが大切だと考えます。

副業を禁止するのではなく、正しく理解し、従業員が安心して取り組めるように支援することが、結果的に医院全体の成長や患者満足度の向上につながると信じています。

歯科衛生士 原田

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