今回は、歯科医院の開業を考えられている先生に向けた内容になります。

歯科医院を開業するためには、さまざまな準備が必要です。

どのような流れや準備が必要になるのか、これから紹介するポイントを抑えてスムーズな開業ができるように知識をインプットしていきましょう。

歯科医院開業の準備に必要な事前知識

開業計画の立案

歯科医院を開業するにあたり、開業計画を立てることは非常に重要です。

開業の目的やビジョン、診療方針、経営計画を明確にしておく必要があります。

資金調達の準備

開業するためには多額の資金が必要です。

そのため事前に資金調達の計画を明確にしておかねばいけません。

銀行に相談したり公的な支援制度を利用することも検討しておきましょう。

一般的に歯科医院開業に必要な資金は約5000万円が目安だといわれています。

うち1000～2000万円を自己資金として用意し、残りの資金は融資を受けることが一般的です。

しかし地域や歯科医院のコンセプトによって必要な資金額が変わります。

開業する場所の選定と契約

歯科医院のコンセプトや方向性を考慮したうえで開業するエリアを決めていきましょう。

ターゲット層である患者にとってアクセスしやすい場所が望ましいです。

また、周囲の競合医院の存在や周辺の人口などについても調査が必要です。

器具や設備の選定

歯科医院を経営するうえで器具や設備の準備は必要不可欠です。

患者のニーズに合わせて、最新の技術や機器の導入も検討する必要があります。

スタッフ採用と教育

開業日にあわせてスタッフの採用の準備も必要です。

求人サイトの募集をはじめ、知人をスカウトするなど必要な人数を確保しておきましょう。

スタッフが確保できたら教育を進めていきます。

継続的な研修や教育プログラムを取り入れることはチームの力を高めることにつながり、モチベーションアップにも最適です。

届け出の確認

開業するためには、さまざまな届け出が必要です。

法的な規制やルールを遵守し、必要な手続きを確実に行いましょう。

たとえば厚生局から指定医療機関コードを発行してもらう、保健所に開設届を提出するなど、各機関ごとに届けの提出を忘れずにしておく必要があります。

マーケティング戦略の立案

歯科医院経営を成功させるためには、適切なマーケティング戦略が必要です。

自院の特長や強みを分析してアピールしていき、患者を集める努力をしていきましょう。

患者に認知してもらうためにホームページ制作やSNS運用、内覧会実施はマストだといえます。

歯科医院開業を成功させるために必要なこと

競争率の激しい歯科業界のなかで生き残るためには、他院との差別化や経営知識が必要です。

開業してから慌てて取り組むのではなく、失敗しない歯科医院経営を目指していきましょう。

適切な目標設定を立てる

歯科医院経営をするうえで利益目標は重要な要素です。

「単価✕患者数－コスト=利益」をもとに利益目標を定めておきましょう。

利益を上げるためには、保険診療だけでは難しいといえます。

そのため、自費率を上げる取り組みも大切です。

歯科医院のコンセプトにもよりますが自費診療の数を増やすことは安定した経営を目指すうえでも重要な要素だといえるでしょう。

保険診療や自費診療をもとに患者数や売上目標を掲げていき、分析や確認、改善点の抽出など目標達成のためにPDCAを意識してみてください。

患者に合わせたマーケティング策の実施

開業するうえで患者のターゲット層の分析は重要です。

どのような患者に来院してほしいか、定着してほしいかを細かく考える必要があります。

先述したホームページ制作やSNS運用のほかにも他院との差別化を図るために、必要なマーケティング策について分析していきましょう。

【オンライン対策】

・SEOやMEO対策

・オンライン広告の活用

・予約管理システムの導入

【オフライン対策】

・チラシやポスティングによる宣伝

・雑誌や新聞、CMなどの広告出稿

・看板広告

働きやすい環境を整える

安定した医院経営を保つためにはスタッフの存在が必要不可欠です。

労働環境が悪ければ離職率が高まるだけではなく、コロコロ変わるスタッフを見る患者にも悪い印象を与えかねません。

特に狭い地域のなかで経営する場合、悪い噂が流れてしまえば医院に悪影響を及ぼす可能性もあります。

また、スタッフを採用する際にコストがかかる点も経営を圧迫する問題点の1つです。

数十万かけたにもかかわらず応募がなく、ただ採用費だけを払うこともめずらしくありません。

スタッフが働きやすい環境を整えておくことも経営者にとって課題だといえるでしょう。

まとめ

歯科医院開業のためにはあらゆる準備が必要ですが、開業したあとの経営目標も事前に立てておく必要があります。

しっかり準備していきたい方は、開業の1～2年前から構想を立てておくと安心でしょう。

先生の開業成功を心から祈っています。

〈ライター〉

歯科衛生士：土井