【実体験】歯科衛生士の募集方法を変えたら3人も集まった話【スカウト採用】

歯科経営

「何ヶ月も歯科衛生士の採用をしているけど、全然応募が来ない…」
「やっと歯科衛生士を採用したのに、すぐ退職されてしまった…」

 

このようなお悩みをもつ歯科医院は後を絶ちません。
実際に私が経験した事例で、歯科衛生士を募集しても応募が来ず、結果として残ったスタッフに負担がかかり、全員退職してしまった最悪なケースがありました。
この医院は、応募が来ないことだけでなく、スタッフとのコミュニケーション不足もあるなど、課題点はいくつもありましたが…。

 

ここまで最悪なシナリオを辿らずとも多くの歯科医院で歯科衛生士の採用が難しいことは、周知の事実だと思います。
ただその反面、歯科衛生士を何人も獲得している歯科医院が存在していることも事実なのです。

 

その差は、一体なにか?

 

今回は、筆者の実体験ではありますが、歯科衛生士の募集方法を変えたら応募が3人集まった話をしたいと思います。
歯科衛生士採用でお困りの医院に、ぜひお役に立てていただけますと幸いです。


いますぐに歯科衛生士が欲しいのに応募ゼロだったころ


当時、歯科衛生士不足だったこともあり、従来通りの方法で歯科衛生士の求人募集をおこなっていました。
方法として、まずはハローワークやindeedへの無料掲載、そして求人情報誌に掲載する一般的なスタイルです。
しかし掲載したはいいものの、応募はゼロ。
いまならわかりますが、あまり特徴がない歯科医院の求人は、応募者の目にすら触れていなかったのだと思います。

 

高いお金をつぎ込んだにもかかわらず、成果が得られないと損をした気持ちになるのも当然です。
「このまま求人媒体に掲載していても、お金の無駄だ…」
そう感じていた院長は、別の方法で歯科衛生士採用をはじめました。
それが「スカウト媒体」。

グッピーやジョブメドレーのようなエージェント媒体を利用して、地域の歯科衛生士をスカウトしようと決めたのです。

 

結果的に、スカウト媒体を利用して歯科衛生士一人ひとりにアタックする方法を決めた院長。
まずはジョブメドレーを利用して、コツコツと歯科衛生士にアタックしていきました。
自身も診療で忙しいときに、せっせとスカウトメールを送り続けたのです。
しかし、休む暇もなくがんばり続けたにもかかわらず、院長の思い通りにはなりませんでした。

 

一方的コミュニケーションから共感コミュニケーションへ


「スカウト媒体を利用しても、歯科衛生士が採用できないのはなぜか?」
院長はだんだん疑心暗鬼になっていきます。
そりゃあそうですよね、身を粉にしてスカウトメールを送り続けたのに反応がないのですから。

 

ですが、問題はそこにありました。

 

まず気になったのは、医院の紹介文です。
スカウト媒体を利用するときは、自らが医院の紹介文を書いてアップします。
そして視覚的にも訴えるために、「効果的な院内の写真」もアップする必要があるのです。

そのとき見た写真はよかったのですが、医院を紹介する文章が…、とにかく一方的でした。
相手を尊重しないような…「この医院で働けば、奴隷のようになりそう…」と思わせるような内容です。
院長は、医院の良いところや特徴を書いたつもりでしたが、これが受け取り側からすると、「俺様歯科医院」に見えてしまった。
そのことに気がつかず、スカウトメールを闇雲に送り続けていたわけです。

そりゃあ、歯科衛生士から反応がないのも頷けます。
ただちに紹介文からの見直しを決めたことは、言うまでもありません。

 

では、どのように改善をしたか?


それは歯科衛生士が採用担当者になり、「歯科衛生士目線」の文章を紹介文として載せたこと。
同じ歯科衛生士目点で書かれた文章であれば内容が理解できるし、心に残りやすいという利点があります。

そう、院長の「一方的コミュニケーション」ではなく、歯科衛生士の「共感コミュニケーション」を大事にすることで、
スカウトメールが来ても「こんなに自分と一緒に働きたいと言ってくれて、うれしいな」と思わせることができるというわけです。

 

紹介文を変えたら、3人の歯科衛生士から応募があった


医院の紹介文をガラッと変えたこと、そして丁寧なスカウトメールを送り続けた結果、なんと3人もの歯科衛生士から応募が来たのです…!
正直、1人来ればいいほうだと考えていたため、まさかこんなに集まるとは想像していませんでした。
贅沢すぎる悩みですが、ここから2人に絞り正社員雇用までこぎつけることができたのです。

 

今回、おこなったことは「スカウト採用」と「紹介文の改善」。
たった、この2つです。
文章を変えるだけで、ここまで成果が出たのは私自身も驚きでした。

 

人数が増えたことで、院内がまわるようになり売上がアップ


今回、新たに2人増員したことで、院内がスムーズにまわり売上がアップしました。
採用した2人の歯科衛生士も、やりがいをもって活躍しています。

 

やはり、スタッフの歯科衛生士が入職までサポートしたり、寄り添ってあげたりと、
面接から入職までサポートする体制を組み込んだことも歯科衛生士採用の大きな理由だったのではないでしょうか。


もし求人媒体だけなら、ここまでのコミュニケーションが取れなかったことは明白です。
外から入ってくる歯科衛生士は、どんなスタッフが働いているかを気にする傾向があります。
その不安を解決できたことも、今回の応募に至った理由なのだと思うのです。

 

そう考えると歯科衛生士が採用を担当することは、非常にメリットなことだと思いませんか?
もし、院長が採用を担当しているけど結果にこぎつけられない場合は、歯科衛生士にバトンタッチしてみることをおすすめします。

新たな視点から見ると、歯科衛生士の採用が叶うかもしれません。
 




 

 

 

 

 


ORTC歯科ライター
土井 万喜子
 


<プロフィール>
歯科衛生士18年目
2005年歯科衛生士資格取得後、札幌市内の歯科医院に勤務。
後に歯科メーカー勤務を経て、現在ライターやコンサルタントとして活動中。
多くの歯科衛生士の働きかたやキャリアの相談役を担っている。
歯科衛生士採用支援や歯科医院向けSNS運用も併せておこなっている。

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