歯科経営
近年、日本の歯科医療は「治療から予防へ」という大きな転換点を迎えています。患者が「痛みが出てから通う」時代から、「健康寿命を延ばすために通う」時代へ。そんな背景の中、歯周病をはじめとする口腔感染症の早期発見・管理に役立つ検査ツールが注目されています。
その一つが、口腔細菌検出装置orcoa®(以下、オルコア)。チェアサイドで45分という短時間で結果が出る画期的なPCR検査システムです。菌を“見える化”することで、患者のセルフケア意識を高め、歯科医院にとっては予防歯科を支える経営基盤づくりに寄与します。
本記事では、オルコアの特長や導入メリット、ガイドラインとの関連、さらに実際の活用事例や導入ステップまでを詳しく解説します。歯科医院に「予防の仕組み」を取り入れたい先生方にとって、導入のヒントになるはずです。

歯科検査といえば「痛みがあるから」「治療が必要だから」といったネガティブなきっかけが多いものです。しかしオルコアは、患者にポジティブな気持ちで受けてもらえる“予防のための検査”です。歯科医院にとっても、説明の負担軽減・信頼性向上といったメリットがあります。
オルコアの特長は、「当日結果が出る」という即時性です。これまでの外注検査は数日かかり、結果説明のために再来院が必要でした。しかしオルコアでは、試薬をセットしてから45分で判定が可能。チェアタイムを1時間確保すれば、その場で結果説明と次の治療やセルフケアの提案まで行えます。
-「あなたの口の中にはいま、悪い菌がこれだけいます」。
そう伝えられた時の患者の反応は、従来の視診やレントゲンの説明以上に強いインパクトをもちます。セルフケアへの意識が変わり、歯科衛生士の指導にも前向きに耳を傾けるようになります。

日本歯周病学会はガイドラインにおいて、「歯周病は非プラーク性歯肉疾患を除き,歯周病原細菌によって引き起こされる感染性炎症性疾患であり」歯周治療には患者の行う日々のプラークコントロール(セルフケア)が重要であるため、「患者が積極的に参加できる環境をつくり,適切な口腔衛生指導を行う。」と示しています(※1)。
つまり、患者さんに自らのリスクを理解してもらい、日常生活での予防行動につなげることが極めて重要です。オルコアはこの流れに合致した検査ツールといえます。
(※1)出典:特定非営利活動法人 日本歯周病学会 編『歯周治療の指針 2015』P.10 「2. 歯周治療の進め方」より一部引用・要約
歯周病は自覚症状が少なく、気づいた時には進行している疾患です。だからこそ「予防」の仕組みが欠かせません。オルコアを導入することで、患者に「今は症状がなくても、将来の歯周病リスクがある」ことを客観的に伝えられ、来院動機を“予防”へと変えることができます。
歯の喪失は噛む力の低下だけでなく、認知症・糖尿病・誤嚥性肺炎など全身疾患のリスク因子とされています。オルコアによる継続的な菌数管理は、歯科が健康寿命延伸に貢献する大きな武器となります。

「検査を増やすと業務が煩雑になるのでは?」という懸念は多くの先生が抱く心配ごとです。しかし、オルコアはむしろ医院の仕組みを整え、スタッフ教育や説明の効率化を進める契機になります。
外注検査では「出血や排膿があると検査できない」「結果説明までに時間がかかる」といった制約がありました。オルコアは歯間ブラシでプラークを採取し、簡単な処理で測定の準備が完成しますので、こうした課題を解消でき、導入初期にフローを整えてしまえば業務効率はむしろ改善します。
検査結果をリコール頻度に組み込むことで、患者の再来院習慣化が進みます。半年や年に1回などの定期検査として“歯科医院の標準システム”に位置づけることで、医院のブランディング効果も発揮します。

オルコアは単なる「モチベーションアップツール」ではなく、多目的に活用できるツールです。インプラント治療時のリスク管理から、自院の歯科ドックまで幅広く活用できます。
施術前に菌の感染状態を把握しておくことは、長期的なインプラントの寿命を高める上で不可欠です。患者との医療面接時にあらかじめリスクを共有することで個別のメインテナンスプログラムを確立することへ繋がります。また、オルコアは歯周病治療に伴う補助療法前のモチベーションツールとしても活用可能です。
1菌種1件あたり2,000円から5,000円程度の価格設定が事例とされている場合、自由診療メニューに組み込み、1〜3万円の「歯科ドック」として展開することで、医院独自の付加価値を生み出せているようです。

導入を検討する先生にとって「エビデンスに基づいているか」は極めて重要な判断基準です。 日本歯周病学会のガイドラインにおいて、歯周病は「細菌感染による炎症性疾患」であると明確に位置づけられています(※2)。この定義に立ち返れば、原因である菌を特定せずに行う治療には限界があり、客観的な検査と診断に基づくアプローチこそが本来求められる姿といえます。
この点において、オルコアはガイドラインの理念と整合しています。原因菌を定量的に可視化することで、治療方針の妥当性を科学的に裏付けることが可能になるからです。
(※2)特定非営利活動法人 日本歯周病学会 編『歯周治療の指針 2015』P.2 総論「1. 歯周治療の基本的考え方」等を参照。
「歯周病は感染性疾患であり、合理的な検査と診断に基づく治療が求められる」との指針は、オルコア導入の根拠となります。感染している菌の定性は客観的な評価を可能にし、治療方針の妥当性を裏付けます。
「歯周病は全身疾患に関与する」との科学的知見は広く受け入れられており、検査で菌を“見える化”することは、全身疾患予防の一環としても患者に訴求できます。

新しい検査システムを導入する際に、歯科医師として最も気になるのは「エビデンスに基づいているのか?」という点でしょう。オルコアは単なる新規機器ではなく、学術的にも有用性が検証され、論文や臨床データとして発表されています。ここでは、その科学的根拠をご紹介します。
オルコア公式サイトで公表されている試験データによれば、オルコアの簡易PCRシステムは歯周病原細菌の検出においてq-PCR装置と高い一致率を示すことが確認されています。
特に、歯周病の重度進行に深く関与するとされるRed Complex(P. gingivalis, T. denticola, T. forsythia)については、従来法との比較で高い精度を示しました。
このデータは、従来の外注型PCR検査と比較しても遜色がなく、しかもチェアサイドで短時間に結果を得られる点で大きな優位性を持ちます。
さらに、「簡易PCR装置を用いた歯周病原細菌Red Complex迅速検出システムの有用性の検討」(日本臨床歯周病学会誌, 43巻1号)においても、オルコアと同様の簡易PCR装置を用いた検出方法が評価されています。
論文の要点:
この研究により、従来の外注検査からチェアサイド検査への移行、POCT(臨床現場即時検査)という観点での有用性が示唆されています。
現在の歯周病検査は、歯周組織の破壊状態を診る「病態検査」が主体のため、病気の活動性を判断することが難しいという課題があります。これらの点から、オルコアは“歯周病菌の活動性を知る「病因検査」”として安心して導入できるといえます。

実際に導入した医院からは、スタッフのモチベーションや患者の反応など、数字以上の効果が報告されています。
予防型歯科が生き残りの条件と言われる今、オルコアはその実現を支える有力な選択肢です。
そして最終的には、地域の健康寿命延伸に貢献することができます。
「予防で歯科医院を強くしたい」「患者ともっと長く付き合いたい」と考える先生方にこそ、オルコアは導入する価値のあるツールです。
また、オルコアの導入を検討されている先生方を対象に、製品を用いた臨床セミナーを順次開催予定です。 実際の検査フローや臨床現場での活用方法を体験いただける内容で、導入前の不安や疑問を解消する機会としてご活用いただけます。
※日程・会場等の詳細は決定次第、公式サイト等でご案内いたします。

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