動画の紹介
現代のお子様に多い狭窄歯列や口呼吸に対し、歯科医師がどのステージで何をすべきかを具体的に提示した動画です。学校歯科医としての視点も交え、乳歯列期から混合歯列期における「不正咬合の早期発見」と「成長を共にする咬合育成」のポイントを解説。
ファンタイプ拡大床を用いた効率的なアーチ形成や、インビザラインファーストによる最新の臨床ケースを多数供覧します。
また、単なる歯並びの改善にとどまらず、舌の位置(位)や咀嚼・嚥下機能、さらには姿勢やスポーツ外傷予防のマウスガードに至るまで、全身の健康に寄与する歯科医療のあり方を提唱。長期症例における患者・保護者との信頼関係構築や、思春期の難しい時期を乗り越えるためのコミュニケーション術についても触れた、実践的な内容となっています。
動画内容
成長発育を最大活用する咬合誘導のステージ別アプローチ
小児矯正における最大のメリットは、お子様の旺盛な成長発育を利用できる点にあります。本動画では、4歳頃からの「不正咬合の芽」の早期発見を推奨。乳歯列期から混合歯列期への移行をスムーズにするため、第1大臼歯の萌出スペース確保や、切歯群の交換期における適切な介入をステップバイステップで解説しています。
狭窄歯列を改善する「ファンタイプ拡大床」と「VからUへのアーチ形成」
特に注目すべきは、V字型の狭窄歯列を理想的なU字型へと導く「ファンタイプ拡大床」の活用です。平行に広げる一般的な拡大床とは異なり、扇状に力をかけることで、正中離開を抑えつつ、臼歯部の近心捻転を改善し、萌出スペースを効率的に創出します。これにより、将来的な抜歯のリスクを低減させることが可能となります。
機能面からのアプローチ:口呼吸・舌の位置・咀嚼機能の改善
不正咬合は、単なる見た目の問題ではなく、口呼吸や咀嚼機能不全、さらには姿勢の崩れにまで直結します。動画内では、舌(舌背)を上顎に付ける「スポット」の指導や、グラインディング(すりつぶし)を意識した食事指導の重要性を強調。これら機能的な問題を早期に改善することが、鼻呼吸の定着や健全な顎顔面の成長を促進し、成人期における抜歯矯正や外科手術のリスクを回避する鍵となります。
長期症例を支える「患者教育」と「スポーツ外傷予防」
小児矯正は10年以上にわたる長期的な関わりとなることが多く、思春期の反抗期や治療への意欲低下といった課題に直面します。この難局を乗り越えるためには、親御さんを含めた真摯なカウンセリングと、歯科医師の熱意ある説明が欠かせません。さらに、ジュニアアスリートのサポート経験から、矯正治療中の外傷予防としてのマウスガード作成についても言及しています。
歯科が「命の入り口」を守り、身体機能を高めるリハビリテーション的な役割を果たすことを再認識させてくれる内容です。
小児矯正の各ステージにおける具体的な対応策や、機能と形態のバランスを考えた治療計画の立て方が非常に分かりやすくまとめられています。患者さんの成長を支える素晴らしい医療の一助となれば幸いです。