訪問栄養食事指導スタートガイド

Step15 嚥下障害への対応:嚥下調整食と調理指導

Step15 嚥下障害への対応:嚥下調整食と調理指導 稲山未来
講師
稲山未来
Kery栄養パーク
代表 管理栄養士

講師紹介 稲山未来

  • 稲山未来
  • Kery栄養パーク
  • 代表 管理栄養士
  • 栄養士養成校を卒業後、特別養護老人ホームで調理に携わりながら管理栄養士の国家資格を取得。給食管理や栄養管理に加え、看取り期の食支援にも深く関わり、高齢者が“最期まで食べる”ことを支える重要性を学んだ。 さらに、食事だけでなく生活全体を支えるため介護支援専門員資格を取得し、包括的なケアに取り組んできた。
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こんな方におすすめ

訪問診療で摂食嚥下障害患者を担当する歯科医師・歯科衛生士

嚥下調整食の知識を深め、指導に活かしたい管理栄養士

多職種連携における栄養指導のプロセスを学びたい方

訪問栄養食事指導の導入を検討している歯科医院、または実践したい管理栄養士

動画の紹介

摂食嚥下障害を抱える患者さんへの訪問栄養食事指導の実際を、嚥下調整食の最新の学会分類2021を基に解説する動画です。嚥下の5期モデルを再確認し、摂食機能に応じた食事形態の調整方法や低栄養対策のための栄養補助食品の選び方について、具体的な症例を交えて詳述しています。 

歯科訪問診療における多職種連携の重要性にも触れ、管理栄養士だけでなく、歯科医師や歯科衛生士が知っておくべき栄養介入のポイントが満載です。

嚥下障害患者のQOL向上に直結する口腔ケアと栄養サポートを効果的に行うための実践的な知識を得られます。 誤嚥のリスクを低減するための食塊形成の工夫や、栄養課題解決に向けた個別化された指導の具体例は、日々の臨床での指針となるでしょう。

動画内容

嚥下障害患者への栄養介入:理論と実践

摂食嚥下障害を持つ患者さんへの訪問栄養食事指導に焦点を当て、歯科医療従事者が直面する課題を深く掘り下げています。

指導の基本として、まず先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期からなる嚥下の5期モデルを再確認し、各段階で必要な認知機能、咀嚼能力、舌圧、感覚機能といった摂食嚥下機能を整理します。特に、準備期での食塊形成能力の低下や、咽頭期での誤嚥リスク(嚥下後誤嚥など)への理解は、適切な食事形態を選ぶ上で不可欠です。

学会分類に基づく嚥下調整食の選択

嚥下調整食については、日本摂食嚥下リハビリテーション学会の学会分類2021に基づき、その詳細な内容と対象となる摂食機能が解説されます。

最も常食に近い嚥下調整食4から、ペースト食の2の2や2の1、ゼリー食の1Jや0Jに至るまで、機能低下のレベルに応じた分類基準を明確に示します。

ベタつかず、まとまりやすい、残留や付着性が低いといった嚥下調整食の条件を具体的に説明し、調理指導の際のゲル化剤や増粘剤(とろみ剤)の使用方法、さらには交互嚥下の指導など、誤嚥を予防するための実践的な工夫も紹介されています。

低栄養対策と個別化された栄養強化

低栄養状態の在宅がん患者への介入症例を通じて、食欲不振や食へのこだわりといった栄養課題に対する個別化された指導の重要性を強調しています。

栄養補助食品が苦手な方への献立調整による栄養強化(例:揚げ物の活用や間食の推奨)や、濃厚流動食品、医薬品の経腸栄養剤、食品へのちょい足し(MCTオイル、プロテインパウダーなど)といった多様な栄養補助食品の選び方について、嚥下機能、嗜好、介護環境を考慮した多角的な評価のプロセスを詳述。

口腔ケアと連携した栄養サポートがいかに患者のQOLやADL改善、体重増加に貢献するかを示し、歯科医療従事者の栄養介入への積極的な関与を促す内容となっています。

教えて先生

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