こんな方におすすめ

この動画は、義歯の修理や新製に携わる歯科医師や歯科技工士にとって非常に有益な内容です。特に、義歯の修理が繰り返し必要となる患者に対して、どのタイミングで新しい義歯を作製するべきかの判断に悩んでいる医療従事者にお勧めです。また、義歯の咬合採得や配列に関する具体的な技術的なポイントが多く紹介されており、日々の臨床での修正や調整をよりスムーズに進めたいと考えている方にも適しています。さらに、咬合高径やシリコンバイトの扱いに慣れていない若手の歯科医師にも理解を深める一助となる動画です。

 

1.1 義歯の修理と新規作製に悩む歯科医師

この動画は、長年使用されている義歯の修理を繰り返す患者に対して、いつ新しい義歯を提案すべきかを迷っている歯科医師に特にお勧めです。患者の義歯が頻繁に壊れる場合の対応や、咬合採得の際の工夫を学ぶことができます。

1.2 咬合調整に苦労している歯科医師

シリコンバイトの使い方や咬合高径の調整方法が丁寧に解説されており、咬合に問題を抱える患者に対応する歯科医師に役立ちます。咬合誤差の修正方法や、正確な咬合関係を確立するための具体的なステップが紹介されています。

1.3 義歯治療に携わる歯科技工士

歯科技工士が理解することで、歯科医師とより良い連携が取れるポイントが多く含まれています。特に、前歯から大臼歯までの配列や、義歯のセット時に確認すべきポイントなど、技工所とのコミュニケーションが重要なシーンにおいて非常に参考になる内容です。

1.4 長年使用されている義歯の管理に関わる歯科衛生士

長期間使用されている義歯のメンテナンス方法や、修理を繰り返している義歯に対して新しい義歯を作製するタイミングについて学びたい歯科衛生士にとっても、有益な動画です。

動画の紹介

義歯の修理や新製は、患者の生活の質を大きく左右する重要な治療です。特に、高齢者や長年義歯を使用している患者の場合、修理を繰り返しながら使用するケースも多く、義歯の適合性が失われることがあります。この動画では、そうしたケースにおいてどのように治療を進めるべきか、歯科医師伊藤高文先生が具体的な症例を通じて解説しています。

長年使用され、繰り返し修理を施された義歯をどのように扱い、新しい義歯の作製に進めていくかは、歯科医療従事者にとって難しい判断を迫られることがあります。この動画では、義歯の修理が限界に達したタイミングで、新しい義歯を作ることが患者にとって最適な解決策であることを説明しています。特に、咬合採得や咬合高径の調整に関する具体的な手技が詳しく紹介されており、現場での実践的なアドバイスが得られるでしょう。

まず、義歯の印象採得については、冷水を使ったアルジネート印象剤での技術的なポイントが紹介されます。この段階で得た模型は、義歯の咬合採得や配列において極めて重要な基盤となります。また、シリコンバイトの使用における注意点や、その影響をどう修正するかについても触れられています。咬合高径が高くなりすぎる場合、ワックスを用いて高さを調整する具体的な方法も動画の中で解説されており、日々の診療に役立つテクニックが詰まっています。

この動画のもう一つの大きなテーマは、人工歯の配列です。特に咬合干渉を最小限に抑えるために、咬合傾斜角が浅い人工歯を選択することの重要性が強調されています。こうした工夫によって、患者が義歯を使う際の快適さが大幅に向上します。また、7番の歯(大臼歯)をどのタイミングで配列すべきかという議論も興味深く、義歯の咬合バランスを考える上での参考になります。

最終的な義歯のセット時には、後頭咬合位での咬合の確認が必須です。大臼歯部に均等に力がかかっているかどうか、前歯部での過剰な咬合がないかを確認し、最適な咬合状態を確保します。これにより、患者が違和感なく義歯を使用できるようになると同時に、トラブルを防ぐことができます。

義歯の作製において特に難しいのは、咬合の正確な再現と患者の咀嚼機能の回復です。この動画では、シリコンバイトの取り扱いや咬合機の使用方法を詳しく解説しており、実際の臨床でよくある問題点に対する解決策が提案されています。例えば、シリコンバイトによる誤差をどのように修正するかや、人工歯の配列時に考慮すべき点など、細部にわたるアドバイスが詰まっています。

総じて、この動画は、義歯の修理や新製に携わる歯科医師や歯科技工士にとって非常に実用的であり、具体的な手技や注意点を学ぶことができる内容となっています。特に、咬合高径の調整やシリコンバイトの扱いに不安がある方、修理を繰り返す義歯をどのように処置すべきか迷っている方には、必見の動画です。実際の臨床に直結する知識を得られるこの機会を、ぜひ活用していただきたいと思います。

動画内容

この動画では、長年義歯を使用し、修理を繰り返してきた患者に対して、新たに義歯を作製するまでの治療プロセスを詳細に解説しています。歯科医師である伊藤高文先生が、実際の症例を基に、義歯の修理と新規作製に関する治療計画と具体的な技術的ポイントを説明しています。

まず、患者の背景についてですが、この患者は長年にわたり伊藤歯科に通院しており、歯があった時代から継続的に義歯治療を受けていたとのことです。これまでにも義歯の修理を複数回行ってきましたが、今回は1週間前に修理した部分に再度ヒビが入り、新しい義歯を作製することを決定しました。

義歯の作製に向けて、まずは印象採得から治療が始まります。冷水を使って固めたアルジネート印象材を使用し、患者の口腔内の状態を忠実に反映するため、トレーに盛りつけて印象を取ります。印象採得においては、しっかりと水を使用して気泡を最小限に抑え、正確な型を取ることが重要です。ここでは、個人トレーなどの特別な道具は使用せず、通常の方法で印象を取っています。

次に、現存する義歯を使って咬合採得を行い、新たに作製する義歯の咬合関係を確定します。この段階では、シリコンバイトを使用して模型を安定させ、咬合機に装着しますが、シリコンバイトを使用すると多少の誤差が生じることがあるため、特に注意が必要です。シリコンバイトによって、咬合高径が通常よりも高くなりがちであり、動画でも実際に誤差が生じた例が示されています。このような場合には、ワックスを使って高さを調整し、垂直方向の誤差を修正します。このような処置により、患者が感じる違和感を最小限に抑え、正確な咬合を確保することができます。

咬合高径を調整する際には、鼻の下から顎の下までの距離(約70mm)が基準となります。動画では、この咬合高径の測定方法や、現在使用している義歯を基に新しい義歯を作るためのプロセスが詳細に説明されています。特に、シリコンバイトを使った場合に発生しやすい咬合のズレや、誤差をどのようにして修正するかという具体的な技術的なポイントが示されています。

続いて、人工歯の配列についても言及されています。伊藤先生は、自ら前歯から大臼歯までの配列を行い、技工所に依頼する前にすべての咬合や配列を確認しています。前歯の配列が終わった後に、シリコンバイトの影響を再度確認し、義歯の咬合高径が理想的な状態に調整されているかを確かめます。シリコンバイトによって義歯がわずかに上がってしまった場合、ワックスを熱して噛んでもらい、高さを微調整することで修正を加えます。この作業によって、使用中の義歯の咬合高径に合わせた新しい義歯が作製されます。

この動画では、咬合干渉を最小限に抑えるための配慮も強調されています。特に、咬合傾斜角が5度の人工歯を選択することで、咬合干渉を避け、スムーズな咬合が得られるよう工夫されています。このような選択により、咀嚼時のトラブルを減らし、患者が快適に義歯を使用できるようにします。特に、7番(大臼歯)の配列に関しては、義歯の咬合バランスを保つために慎重な判断が必要であり、場合によっては7番を配列しない方が良いケースもあります。このような判断は、義歯の最終的な安定性と患者の快適さに大きく影響を与えるため、重要なポイントです。

最終的な義歯のセットに際しては、後頭咬合位での咬合確認が行われます。これは、大臼歯部に均等な力がかかっているかどうかを確認するために重要なステップです。後頭咬合位での確認により、前歯に過剰な力がかからないようにし、義歯全体のバランスを調整します。また、側方運動時に義歯が外れることがないかも確認され、咬合干渉や不安定さを防ぐための最終的なチェックが行われます。

動画の終盤では、義歯の修理と新製に関する患者とのコミュニケーションの重要性についても触れられています。義歯の修理が必要な場合、患者に対して新しい義歯を作製することがどれほど有益かを説明し、患者の同意を得ることがスムーズな治療の進行に寄与します。修理を繰り返すよりも、新しい義歯を作製する方が患者の生活の質を向上させることが多いという考え方が示されています。

義歯の作製に関しては、シリコンバイトや咬合機を使用した精密な咬合調整が重要です。この動画では、特にシリコンバイトの扱いに不安を感じる歯科医師に向けて、誤差が生じた際の修正方法や、咬合高径の調整手法が詳しく説明されています。これにより、義歯作製の精度を高め、患者にとってより快適な義歯を提供することができます。

また、修理を繰り返している義歯については、限界を迎える前に新しい義歯を作製することが推奨されており、これにより義歯の使用期間を最大限に延ばすことが可能です。修理した義歯が再び壊れるリスクを防ぐためにも、患者との信頼関係を築き、適切なタイミングで新しい義歯を提案することが重要です。

この動画は、義歯の修理や新製に携わる歯科医師や歯科技工士にとって、非常に実践的な内容となっています。咬合調整や人工歯の配列に関する具体的な手技が詳細に解説されており、日常診療における義歯治療のスキルを向上させることができるでしょう。特に、修理を繰り返す義歯の限界を見極め、新しい義歯作製に進むためのプロセスが示されているため、義歯の治療に携わる全ての歯科医療従事者にとって役立つ内容です。

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