講師紹介 宮崎真至

- 宮崎真至
- 日本大学歯学部保存学教室修復学講座 教授
- 日本大学歯学部卒業,日本大学大学院歯学研究科博士課程修了している。現在、日本大学歯学部保存修復学講座の主任教授。保存修復治療をメインとした診療を行うとともに、象牙質接着、材料科学、臨床研究に関する多数の論文を科学雑誌に発表している。また、象牙質接着や直接審美修復に関するテーマで、国内外で講演やハンズオンコースを開催している。
- プロフィールページ

・卒後間もない先生
・保存修復について再確認したい先生
・基礎をアップデートしていきたい先生
臨床・研究・教育の場でマルチに活躍されている日本大学歯学部保存学教室修復学講座 教授 宮崎真至先生に、保存修復に関して臨床の現場で役立つ内容をお話しいただきました。
日々行っている治療を振り返ることで新たな発見や再認識もあるかと思います。
ぜひご覧ください。
間接修復の接着

間接修復における接着は、補綴物と歯質の結合に重要な役割を果たします。
金属やセラミックスなどの材料に応じて、適切な前処理が重要です。
金属の場合、機械的維持としてリテンションビーズやサンドブラスト処理が用いられますが、セラミックスでは微小機械的維持とシラン処理が主流です。
近年では、モノボンドエッチ&プライムのような新しい前処理材も登場しています。
各素材に適した前処理を行うことで、長期的な審美性と機能性を確保でき、適切な接着技術は、患者の満足度向上と補綴物の耐久性に大きく貢献するため、歯科医師は知っておいて損はないでしょう。
間接修復における接着では、素材に応じた適切な前処理が不可欠です。
主な前処理方法は以下のとおりです。
・機械的維持
・微小機械的維持
・介在型
・直接接着型
セラミックスの場合、微小機械的維持と化学的なシラン処理が主流です。
近年では、モノボンドエッチ&プライムなど新しい前処理材も登場しています。
適切な前処理により、補綴物の長期的な審美性と機能性が確保できることを念頭において診療しましょう。

機械的維持の代表的な方法には、アンダーカットとリテンションビーズがあります。
リテンションビーズは、金属表面にワックスアップして窓開けをし、接着剤を塗った後にビーズをまぶしますが、アンダーカット部分にはインビジブルオペークを塗布し、その上にオペーク、前装用レジンを積層が基本です。
これらの方法は、補綴物と歯質の機械的な結合を強化し、安定した接着を実現してくれます。

微小機械的維持の代表的な方法はサンドブラストです。
アルミナの粒子を用いて表面を粗造化します。
粒子サイズは主に27μmと50μmがあり、間接修復では50μmを使用すると宮崎歯科医師(以下:宮崎先生)。
処理圧力は0.2〜0.3MPaで、素材や時間に応じて調整します。
この処理により、金属やセラミックスの表面に微細な凹凸が生まれ、接着面積が増大し、接着強度が向上。
近年では、チェアサイドで使用可能な小型装置も普及しています。

介在型接着は、金属とレジンの間に何らかの物質を介在させる方法です。
この技術は、直接的な接着が困難な場合や、接着強度を向上させたい場合に用いられます。
介在物は、金属と接着性レジンの両方と親和性がある材料を選択します。
この方法によって金属と接着性レジンの間に強固な結合が形成され、長期的な接着耐久性が期待できます。
繰り返しますが、適切な介在物の選択と処理が重要だと宮崎先生は話しました。

直接接着型は、メタルプライマーを用いる方法です。
金属表面に直接プライマーを塗布することで、金属と接着性レジンの間に化学的な結合を形成すると宮崎先生。
この方法は、介在物を必要とせず、比較的簡便な操作で高い接着強度を得られる利点があります。
金属の種類に応じて適切なプライマーを選択することが重要です。
近年、技術の進歩により、より効果的なプライマーが開発されているのはとてもすごいことですよね。

ここでは振り返りとして、関節修復の流れをまとめています。
間接修復の一連の流れ
間接修復の手順は、以下のような流れで行われます:
1. 支台歯形成:適切な形態に歯を削り、補綴物の装着スペースを確保
2. 印象採得:形成した支台歯の印象取り
3. 模型作製:採得した印象から石膏模型を作製
4. 補綴装置制作:模型上で補綴物を制作
5. 内面処理:補綴物の内面に適切な前処理
6. 支台歯処理:支台歯の表面にも必要な前処理
7. セメント合着:処理した補綴物を支台歯に接着
この一連の流れにおいて、特に前処理とセメント合着の段階が重要です。
素材に適した前処理を行うことで、確実な接着を得ることができ、長期的な審美性と機能性が確保されるとのことです。
間接修復における接着では、素材の表面性状によって接着性が大きく変わります。
金属、セラミックス、ジルコニアなど、それぞれの材料に適した前処理方法を選択することが重要です。
サンドブラスト、シラン処理、新しい前処理材など、様々な選択肢がありますが、各素材の特性を理解し、適切な処理を行うことで、長期的に安定した接着と優れた審美性、機能性を実現できます。
患者様のお気持ちの満足度向上と補綴物の耐久性向上のために、適切な接着技術の習得が不可欠だと、最後に宮崎先生は仰いました。
ぜひ臨床の場で生かして下されば幸いです。
ORTConlineでは日頃の診療で他の人には聞けない悩みを解決するため、様々なテーマを取り扱っています。
1本15分程度で構成しているので、ぜひ隙間時間にスキルアップしてみませんか?
ここまでお読みくださりありがとうございました。
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編集・執筆
歯科専門ライター 萩原 すう

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