講師紹介 山田 雅一

- 山田 雅一
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宇都宮矯正歯科
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矯正歯科経営における最大の課題は、既存患者の管理でチェアが埋まり、新患を受け入れる余裕がなくなる「キャパシティの限界」です。本動画では、デンタルモニタリング(DM)を単なる遠隔監視ツールではなく、医院の「OS(基盤システム)」として捉え、経営を劇的に改善する手法を詳述しています。
具体的には、初期導入費用63万円の妥当性や、1個あたり約8,000円のスキャンボックスをいかに効率的に運用するかといった実務的なコスト管理に言及。また、DMを活用することでリファインメント(追加アライナー)回数を減らし、高額なパッケージプランから安価なプランへ移行しても治療の質を維持できるという、具体的な利益算出シミュレーションも提示しています。
最終的に来院回数を60%削減し、空いた時間を新患獲得や高難易度症例に充てる「生産性の高い歯科医院」への転換を提唱する内容です。
デンタルモニタリング(DM)の導入には、初期費用として約63万円(設定費およびスキャンボックス48個パック)が必要です。スキャンボックスは1個あたり8,652円と決して安価ではありませんが、患者ごとに1台提供することで遠隔での精密なモニタリングが可能になります。当院ではコスト抑制のため、メーカー推奨外ではありますが、広角レンズ部分の滅菌・再利用を自己責任で行うなどの工夫をしています。
月額コストはフォトモニタリングと3Dモニタリングの2種があり、アライナーのアンフィット確認が主目的であればフォトモニタリングで十分対応可能です。最大請求額には上限(約4万円)が設定されているため、症例数が増えるほどスケールメリットを享受できる設計となっています。
DMの最大の経営的メリットは、技工料のコントロールにあります。インビザラインのコンプリヘンシブパッケージ(約30万円)は、何度でも追加アライナーを発注できる「高額な保険」のような側面があります。しかし、DMで常時フィッティングを確認すれば、アンフィットを最小限に抑えられるため、枚数制限のある安価なプラン(モデレート等)や、エンジェルアライナー等の次世代アライナーへの切り替えが可能になります。
例えば、技工料12万円のアライナーにDM運用費4万円を加えても合計16万円となり、従来のパッケージより10万円以上の利益向上が見込めます。質の低いアライナーを使ったとしても、DMによる厳密な管理を行う方が、管理なしのインビザラインより優れた治療成績を出せる可能性が高まります。
当院のデータでは、DM導入から3年でチェック目的の来院回数が8割減、全体でも6割の減少を記録しました。以前は2ヶ月に1回の定期通院が必須でしたが、現在はAIが異常を検知した「必要な時だけ」来院してもらうプロトコルに移行しています。この効率化により、アポツール上の予約枠には大幅な余白が生まれ、院長はカウンセリングや難易度の高いワイヤー矯正の処置、あるいは新患獲得のための施策に時間を投資できるようになりました。
年商5,000万円規模の医院であっても、DMを「デジタル衛生士」として採用1人分以上の価値があると捉えれば、早期導入による仕組みの標準化は極めて有効な投資となります。
DMを成功させる鍵は、オプション制にせず「全患者一律導入」にすることです。一部の患者のみアナログ管理を残すと、かえって業務が複雑化しDXの恩恵を打ち消してしまいます。運用にあたっては、まず院長自らがシステムを理解し、その後「DM専任スタッフ」を育成してドクター確認が必要なケースを抽出する体制を構築します。
トータルフィー制度との相性も良く、患者にとっても「通院負担が減り、早く終わる」という大きな付加価値となります。最終的には、DMを医院のOS(基盤)として位置づけ、属人的な判断を排除した再現性のある治療スタイルを確立することが、持続可能な医院成長に繋がります。
