今村大二郎先生の 公開クリンチェック

補綴と矯正の組み合わせ:インプラントの為の傾斜歯コントロールテクニック

補綴と矯正の組み合わせ:インプラントの為の傾斜歯コントロールテクニック 今村 大二郎
講師
今村 大二郎
医療法人社団精密審美会
表参道しらゆり歯科 院長

講師紹介 今村 大二郎

  • 今村 大二郎
  • 医療法人社団精密審美会
  • 表参道しらゆり歯科 院長
  • 総合精密診療を掲げる歯科医院で院長として日々診療を行う傍ら、株式会社TSL クリンチェック代行・インビザライン導入支援 部門担当として、主に一般開業医向けに矯正治療導入支援やインビザライン治療の質の向上のための代行業務を行なっている。
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こんな方におすすめ

  • 補綴前処置としての部分矯正やインプラント連携に関心がある先生
  • クリンチェックのステージングやアタッチメント設定を学びたい方
  • 難症例におけるインビザラインのリカバリー法を知りたい歯科医師

動画の紹介

本動画では、右下第一大臼歯欠損により第二大臼歯が近心傾斜し、スペースが消失した20代男性の難症例に対し、インビザラインと歯科用アンカースクリューを併用してアップライトを行った治療経過を詳述しています。

初期計画での停滞から、アタッチメント変更やステージングの見直しによるリカバリー、さらには臼歯部離開への対応策まで、実際のクリンチェック画面を用いて解説。

インプラント補綴を前提とした矯正設計や、歯根コントロールに必要な生体力学的な配慮が学べる実践的な内容です。

動画内容

難症例におけるインビザラインとインプラントの連携

本動画で取り上げるのは、右下第一大臼歯の欠損により第二大臼歯が著しく近心傾斜し、隣接する小臼歯も倒れ込んでスペースが消失した20代男性の症例です。

本来、強力な整直(アップライト)が必要なケースではマルチブラケット装置が第一選択となりますが、患者の要望によりインビザラインと歯科用アンカースクリュー(TADs)を併用した治療を行いました。

動画では、初期計画での停滞からリカバリーに至るまでの試行錯誤と、クリンチェック設計の修正ポイントを詳細に解説しています。

把持力を高めるアタッチメントとステージング

初期計画では自動生成される「最適アタッチメント」を使用しましたが、傾斜歯を動かすには維持力が不足しました。

そこで修正プランでは、大きく四角い「通常アタッチメント」に変更し、歯冠側へ配置することでアライナーの把持力を最大化させました。さらに、全歯を一斉に動かすのではなく、最後臼歯から順に移動させるステージングを採用し、アンカーロスを防ぎながら確実な遠心移動を行っています。

臼歯部離開への対応とルートトルクの実現

治療中、咬合力とアライナーの厚みにより臼歯部が圧下し、コンタクトが失われる現象が発生しました。これに対し、ボタンカットと顎間ゴムを用いた垂直牽引を行い、挺出させることでバイトを回復させています。

最終的に確保されたスペースへインプラントを埋入し、機能的な咬合を再構築しました。本症例は、インビザラインは傾斜移動主体であるという認識を超え、適切な力学設定を行えば、歯根の位置をコントロールする「ルートトルク」も可能であることを実証しています。

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