全調節性咬合器
歯科補綴治療において使用される咬合器の一種です。
咬合器は上下顎の模型を固定し、患者の咬合関係を再現する器具です。治療の際、歯の形態や咬み合わせを調整する際に使用されます。
全調節性咬合器は、以下の調節機能を備えています。
・側方運動調節機能 顎運動の左右の側方運動を再現できます。
・前後運動調節機能 顎を前後に動かす運動を再現できます。
・上下運動調節機能 開閉口運動を再現できます。
これらの調節機能があるため、患者の実際の顎運動をできるだけ正確に咬合器上で再現することができます。
一方で、半調節性咬合器は側方運動の調節機能がなく、非調節性咬合器は全く調節機能がありません。
全調節性咬合器は構造が複雑で価格が高いものの、高い再現性から有床義歯や矯正治療などの補綴治療に広く用いられています。正確な咬合再現が求められる治療では全調節性咬合器が推奨されます。