エナメル上皮腫

エナメル上皮腫(Ameloblastoma)は、歯科領域における腫瘍の一種で、主に顎骨内に発生する良性の腫瘍です。これは歯原性腫瘍の一つで、エナメル器(歯の発生過程においてエナメル質を形成する細胞群)から発生します。

特徴:

  1. 良性腫瘍: エナメル上皮腫は良性ですが、局所的に侵襲性が強く、顎骨を侵食することがあります。
  2. 再発率が高い: 完全に摘出されない場合、再発する可能性があります。
  3. 発生部位: 主に下顎に発生することが多いですが、上顎にも発生することがあります。
  4. 症状: 初期には症状がないことが多いですが、腫瘍が大きくなるにつれて顎骨の膨張や変形、痛みなどが現れることがあります。

治療方法:

  • 外科的摘出: エナメル上皮腫の治療の基本は外科的摘出です。腫瘍を完全に摘出することが重要で、再発を防ぐために周囲の健康な組織も含めて広範囲に切除することがあります。
  • 定期的なフォローアップ: 再発のリスクが高いため、手術後も定期的なフォローアップが必要です。

診断方法:

  • X線検査: 骨の異常を確認するために使用されます。
  • CTスキャンやMRI: より詳細な画像診断が必要な場合に使用されます。
  • 生検: 確定診断のために組織を採取し、病理検査を行います。

エナメル上皮腫は顎骨に関連する重要な疾患であり、早期発見と適切な治療が重要です。