下顎前突症(かがくぜんとつしょう)
歯科の用語で「下顎前突症」とは、下顎(下あご)が正常な位置よりも前方に突出している状態を指します。
専門的には「骨性下顎前突症」とも呼ばれます。
この状態により、下顎の歯列が上顎の歯列よりも前に出てしまうことがあります。
特徴
1. 受け口: 下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態です。
2.顔貌の変化: 横顔のプロファイルが変わり、下顎が目立つようになります。
3.咬合不全: 正常な噛み合わせができず、食事や発音に支障をきたすことがあります。
4.顎関節の問題: 長期的には顎関節に負担がかかり、痛みやクリック音(クリックジョイント)を引き起こす可能性があります。
原因
・遺伝的要因: 家族に同じような症状が見られることが多いです。
・環境要因: 早期の乳歯喪失や、不適切な哺乳瓶の使用、指しゃぶりの習慣などが原因となることがあります。
・骨格の発育不全: 骨格の成長に異常がある場合。
診断
歯科医や矯正歯科医が以下の方法で診断を行います
・視診: 口の中や顔の外観を観察します。
・咬合検査: 噛み合わせの状態を確認します。
・X線検査: 骨の状態を詳しく調べます。
治療
治療方法は、患者の年齢、症状の重さ、原因などによって異なります。主な治療法は以下の通りです
1.矯正治療: ブレース(矯正器具)やインビザラインを使用して、歯の位置を調整します。
2.外科手術: 成人の場合、下顎を後退させるための外科手術(顎矯正手術)が必要になることがあります。
3.機能的矯正装置: 成長期の子供に対して、成長を利用して顎の位置を調整する装置を使用します。
治療は、歯科医や矯正歯科医との相談を通じて個別に決定されます。