歯科の自費診療 最新相場まとめ|治療内容・費用・選び方のポイント

ORTC Online, 歯科知識

 歯科治療には保険診療と自費診療の2種類があります。
保険診療は国が定めた治療法や材料を使用する治療で、患者様の負担は3割です。

一方、自費診療は審美性や機能性を重視した治療法で、費用は全額自己負担ですが、より質の高い治療を受けることができます。

この記事では、歯科の自費診療について、治療内容や相場、選び方のポイントを詳しく解説していきます。ぜひご参考ください!

保険診療と自費診療の違い


保険診療は国が定めた診療報酬に基づいて料金が設定されており、全国どの歯科医院でも同じ料金となります。
患者様の負担は3割で、残りの7割は健康保険から給付されます。
 

一方、自費診療は歯科医院が独自に料金を設定するため、医院によって費用が異なります。
高額になる傾向がありますが、より良い材料や最新の治療法を選択できることが利点です。
 

保険診療では銀歯やプラスチックの詰め物など、見た目や耐久性に制限がありますが、自費診療では天然歯に近い見た目や高い耐久性を実現できます。

主な自費診療の種類と相場


ここでは自費診療の種類とおよその相場をまとめました。

自費診療は前述した通り、歯科医院によって金額が異なるため、あくまで参考程度に捉えてください。

インプラント治療

インプラントは人工の歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
1本あたりの基本料金は45〜55万円が一般的です。
費用には診断用CT撮影、インプラント本体、上部構造物が含まれます。
 

必要に応じて骨増量術(5.5〜11万円)やサイナスリフト(33万円)などの追加処置が必要となる場合があります。
多くの医院では5年程度の保証期間があるのが一般的です。

審美歯科治療(被せ物・詰め物)

天然歯に近い見た目を実現する審美治療では、主にセラミックやジルコニアなどの材料が使用されます。
 

・オールセラミッククラウン:11~13.2万円

・フルジルコニアクラウン:9.9~11万円

・メタルボンド:9.9万円

・ハイブリッドクラウン:5.5万円
 

セラミック系は見た目の美しさに優れ、金属アレルギーの心配もありません。
特にジルコニアは強度も高く、奥歯にも使用できます。

矯正治療

歯並びを改善する矯正治療は、ほぼすべてが自費診療となります。
 

・表側矯正:66万円

・裏側矯正:115.5万円

・マウスピース矯正:66~110万円

・部分矯正:11~44万円
 

治療期間は通常2〜3年かかり、定期的な通院が必要です。
見た目を気にする方には裏側矯正やマウスピース矯正がおすすめです。

ホワイトニング

歯を白くする治療には、歯科医院で行うオフィスホワイトニング(3.3万円)と、自宅で行うホームホワイトニング(2.2万円)があります。
両方を組み合わせることで、より効果的な歯のホワイトニングが期待できます。

入れ歯・義歯

保険適用の入れ歯もありますが、より快適な装着感や見た目を重視する場合は自費診療を選択すると良いでしょう。
 

・金属床:33~44万円

・ノンクラスプ義歯:17.6~19.8万円
 

快適な装着感を得る代わりに、自費診療の金額は上がってしまいますが、長い目で考えて選択をすることを筆者の歯科医院では進めています。

自費診療の相場が異なる理由


自費診療の料金は歯科医院によって異なりますが、これには以下のような理由があります。
 

・地域による物価や家賃の違い

・歯科医師の技術力や経験

・使用する材料の品質や原産国

・設備投資(CT装置やCAD/CAMシステムなど)

・技工料の違い
 

また、同じ治療でも患者様の症状や希望する仕上がりによって費用が変動することがあります。

自費診療を選ぶ際のポイント


自費診療は高額な治療となるため、以下のステップを確認することをおすすめします。
 

1. 詳しいカウンセリングを受ける

2. 複数の治療方法の説明を受ける

3. 見積もりを確認する

4. セカンドオピニオンを検討する
 

以下で詳しく解説します。

1. 詳しいカウンセリングを受ける

自費診療は高額な投資となるため、まずは無料カウンセリングを利用して詳しい説明を受けることが大切です。

カウンセリングでは、治療の必要性をレントゲンやCT画像で確認し、治療手順や使用する材料、通院回数、治療期間について具体的な説明を受けましょう。

また、治療後の状態をイメージ写真や症例写真で確認し、期待する結果が得られるか確認することも重要です。

疑問点や不安な点は遠慮なく質問し、歯科医師とのコミュニケーションを医院選びの判断材料にすると安心して診療を任せられます。

2. 複数の治療方法の説明を受ける

自費診療の治療方法は複数あり、それぞれ特徴が異なります。
たとえば、被せものの場合、セラミック系とメタル系では見た目や耐久性、価格帯が大きく異なります。

治療方法ごとのメリット・デメリット、費用の違いについて詳しく説明を受け、保険診療で代替可能かどうかも確認しましょう。

保険診療でも十分な場合や、一部だけ自費診療を組み合わせるなど、様々な選択肢があります。

ご自身の優先順位(見た目・耐久性・予算など)に合わせて、最適な治療方法を選択することが大切です。

3. 見積もりを確認する

自費診療では、治療費の詳細な見積もりを事前に確認することが重要です。
見積もりには基本治療費だけでなく、検査費用、材料費、技工料など、すべての費用の内訳が明記されているか確認しましょう。
 

また、途中で追加費用が発生する可能性がある場合は、その内容と金額についても具体的に説明を受けることが大切です。特にインプラントなどの高額治療では、骨造成などの追加処置が必要になることがあります。
 

さらに、治療後の保証内容(保証期間、保証対象となる症状、再治療時の費用など)についても、必ず確認するようにしましょう。

4. セカンドオピニオンを検討する

自費診療は医院によって治療方針や料金が大きく異なるため、1つの医院だけでなく、複数の医院でセカンドオピニオンを受けることをおすすめします。
他院での診断結果や治療提案、費用を比較することで、より適切な治療法や医院を選択することができます。

また、提示された費用が一般的な相場と比べて妥当かどうかの判断材料にもなります。

セカンドオピニオンを受ける際は、レントゲンやCT画像を持参すると、より具体的な相談が可能です。
信頼できる医院を見つけることが、治療の成功につながります。

支払い方法と医療ローン


自費診療は高額となるため、多くの歯科医院では分割払いや医療ローンを用意しています。
医療ローンは最大10年程度の分割払いが可能で、月々の支払いを抑えることができます。

クレジットカード払いに対応している医院も増えていますが、この点は事前に利用可能かどうか確認しましょう。

まとめ

自費診療は保険診療に比べて高額になりますが、より質の高い治療や見た目の美しさを追求できます。
長い目で見て、予防歯科は一生を快適に過ごすことにつながります。

治療を検討する際は、複数の歯科医院でカウンセリングを受け、自分に合った治療法と医院を選択することが重要です。
また、支払い方法についても事前に確認し、計画的な治療を心がけましょう。

 

編集・執筆

歯科専門ライター 萩原 すう

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