医療広告のガイドライン改訂されました

ORTC Online

 

 

2024年3月22日に改訂!

3月28日には新しい事例解説集も掲載されています。

 

医療広告のガイドラインの変更点について

 

 

 

 

みなさんは「医療広告ガイドライン」をご存知ですか?

医療広告ガイドラインとは、2018年6月に厚生労働省によって出された医療機関が適切に集客を行うためのルールブックであり、不適切な広告による患者の被害を防ぐものです。広告の内容や表現には細心の注意が必要です。万が一、医療広告ガイドラインに違反してしまった場合、保健所から調査・中止命令・行政処分などが行われ、医療機関としての信頼を落としてしまいます。あらかじめ知っておくと、リスクを未然に防ぎ正しい表現の広告を作成することができます。まずは医療機関の集客に関わる全員が、医療広告ガイドラインを熟読して理解する必要があります。

 

〜医療広告規制の基本的な考え方〜

医療広告は、患者等の利用者保護の観点から、次のような考え方に基づき、限定的に認められた事項以外は、原則として広告が禁止されてきたところです。

①医療は人の生命・身体に関するサービスであり、不当な広告により受け手側が誘引され、不適当なサービスを受けた場合の被害は、他の分野に比べ著しいこと。

②医療は極めて専門性の高いサービスであり、広告の受け手はその文言から提供される実際のサービスの質について事前に判断することが非常に困難であること。今回の広告規制の見直しに当たっては、こうした基本的な考え方は引き続き堅持しつつ、規制対象を「広告その他の医療を受けるものを誘引するための手段としての表示」に拡大する一方、患者等に正確な情報が提供されその選択を支援する観点から、医療に関する適切な選択が阻害される恐れが少ない場合については、幅広い事項の広告を認めることとしました。

 

〜通常広告とは見なされないものの具体例〜

(1)学術論文、学術発表等

学会や専門誌等で発表される学術論文、ポスター、公園等は、社会通念上、広告と見なされることはないです。

(2)新聞や雑誌等での記事

(3)患者等が自ら掲載する体験談、手記等

(4)院内刑事、院内で配布するパンフレット等

(5)医療機関の職員募集に関する広告

 

医療広告ガイドラインで留意するべきポイント

 

 

①比較広告

事実であったとしても「日本一」「NO.1」などの表現は優秀性について誤認を与える可能性があるため使用できません。

 

 

②誇大広告

施設の規模、提供する医療の内容などについて、事実を不当に誇張して表現していたり、人を誤認させる広告は禁止です。また、処方箋医薬品等を必ず受け取れると嫌いさせる広告も禁止です。

 

具体例

・知事の許可を取得した病院です!

→病院が都道府県知事の許可を得て開設することは、法における義務であり当然のことであるが、知事の許可を得たことをさらに強調して広告し、あたかも特別な許可を得た病院であるかの5人を与える場合には、誇大広告として扱うこと。

・比較的安全な手術です。

→何と比較して安全であるか不明であり、誇大広告として取り扱うべきであること。

・伝聞や科学的根拠に貧しい情報の引用

→医学的・化学的な根拠に貧しい文献やテレビの健康番組での紹介による治療や生活改善法等の紹介は、それらだけをもっては客観的な事実であるとはしょうめいできないため、誇大広告として取り扱うべきであること。

・「〇〇症状のある2人に1人が〇〇リスクがあります」

・「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受信ください」

→化学的な根拠が貧しい情報であるにもかかわらず特定の症状に関するリスクを強調することにより、医療機関への受診を裕度するものは、誇大広告として取り扱うべきであること。

・〇〇学会認定医(活動実態のない団体による認定)

・〇〇協会認定施設(活動実態のない団体による認定)

→客観的かつ公正な一定の活動実績が確認される団体によるものを除き、当該医療機関関係者自身が実質上運営している団体や活動実態のない団体などによる資格認定や施設認定を受けた胸については、患者等を不当に誘引するおそれがあり、誇大広告として取り扱うべきであること。

 

 

③虚偽広告

治療内容や期間の虚偽やデータの根拠を明確にしない調査結果、加工・修正した術前術後の写真等の掲載などが該当します。

 

具体例

・絶対安全な手術です!

・どんな難しい症例でも必ず成功します。

→絶対安全な手術等は、医学上あり得ないので、虚偽広告として扱う。

・厚生労働省の認可した〇〇専門医!

→専門医の資格認定は、学会が実施するものであり、構成浪土性が認可した資格ではない。

・加工・修正した術前術後の写真等の掲載

→あたかも効果があるように見せるための加工・修正した術前術後の写真等については、虚偽広告として取り扱うべきであること。

・1日で全ての治療が終了します

→治療後の定期的な処置等が必要であるにもかかわらず、全ての治療が1日で終了するといった内容の表現を掲載している場合には、内容が虚偽広告として取り扱うべきであること。

 

 

 

④患者等の主観に基づく、治療等の内容または効果に関する体験談

治療内容または効果に関する主観的な体験談を紹介することは、見る人に誤認を与える可能性があるため、掲載不可になっています。

 

 

⑤ビフォーアフター写真

治療等の効果または内容について、見る人に誤認を与える可能性があるため、掲載不可になっています。その一方で、以下に関する詳細な説明を付記することにより、掲載を認めています。

 

・術前または術後の写真を必要とされる治療内容

・治療期間と回数

・自由診療か保険診療など費用等に関する事項

・治療等の主なリスク、副作用等に関する事項

そのほかにも、自由診療等についても細かくルールが定められています。

 

⑥公序良俗に反する内容の広告

 

⑦広告可能事項以外の広告

 

⑧その他

品位を損ねる内容の広告。医療広告は、患者等が広告内容を適切に理解し、客観的で正確な情報の伝達に努めなければならないため、医療機関や医療の内容について品位を損ねる、あるいはそのおそれがある広告は行うべきではない。

・費用を強調した広告(具体例)ただいまキャンペーン実施中、いまなら○円で実施中など

・提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引(具体例)無料相談された方全員に〇〇プレゼント

物品を贈呈することなどを誇張することは、提供される医療の内容とは直接関係ない事項として取り扱う。

・ふざけたもの、ドタバタ的な表現による広告

 

 

 

 

今回は2024年3月22日に厚生労働省のホームページにて、医療広告ガイドラインの第5条2項にあたる「広告可能事項の限定解除の具体的な要件」に改訂がありました。追記された内容によると、承認等されていない医薬品や医療機器、再生医療等製品、あるいは承認等された効能・効果又は用法・用量が異なる医薬品や医療機器、再生医療等製品を自由診療で使用する場合に、限定解除の要件として、下記の5点を十分に記載する必要があるとされています。

 

 

①未承認医薬品等であることの明示

②入手経路等の明示

③国内の承認医薬品等の有無の明示

④諸外国における安全性等に係る情報の明示

⑤未承認医薬品等は医薬品副作用被害救済制度・生物由来製品感染等被害救済制度の救済の対象にはならないことの明示

 

 

 

 

 

 

出典 医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)

https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001231163.pdf

 

 

医療広告における情報提供の透明性は、必要不可欠です。

医療広告のガイドライン改訂を遵守しましょう。

 

ライター 大久保

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一覧へ