スタディグループ(勉強会)と歯科医学会の違いを理解しよう! 歯科医療の技術と知識を高めるために

ORTC Online, 歯科衛生士, 歯科医, 歯科助手

歯科医療の質を高め、患者様によりよい治療を提供するためには、医療従事者の継続的な学びが欠かせません。
そのための場として、「スタディグループ(勉強会)」と「歯科医学会(以下:学会)」という二つの重要な機会が設けられています。
 

これらは異なる特徴を持ちながら、歯科医療の発展に重要な役割を果たしています。
実践的な技術向上を目指すスタディグループと、学術的な研究発表の場である学会は、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。
 

本記事では、歯科医療従事者の皆さんに向けて、スタディグループと学会それぞれの特徴や役割、活用方法について詳しく解説していきます。

スタディグループ(勉強会)とは?


歯科スタディグループ(勉強会)は、歯科医師や歯科衛生士などの医療従事者が自主的に集まり、知識や技術を共有する学習の場です。
大きな特徴は、少人数制での開催により、参加者同士の密な交流や質問がしやすい環境が整っていることです。
 

また、実践的な技術習得に重点を置いているため、明日からの診療にすぐに活かせる知識や手技を学ぶことができます。
参加のハードルも比較的低く、興味のある分野から気軽に参加できるのも魅力です。
 

さらに、インプラント治療や歯周治療など、特定のテーマに特化した学習が可能で、自分の興味のある分野を深く掘り下げることができます。
経験豊富な講師から直接指導を受けられる機会も多く、普段の診療では得られない貴重なアドバイスを得ることが可能です。
 

このように、スタディグループは実践的な学びと交流の場として、歯科医療の質の向上に重要な役割を果たしています。
 

参考文献:歯科医師にとってセミナーと勉強会の違い

学会との違いは?


日本歯科医学会をはじめとする学会は、歯科医療の発展を支える重要な学術組織です。
25の専門分科会と21の認定分科会で構成される大規模な組織体制を持ち、体系的で学術的なアプローチが特徴となっています。
 

学会の中心的な活動は、研究成果の発表や討論です。定期的に開催される学術大会では、最新の研究成果が共有され、参加者間で活発な議論が行われます。
また、エビデンスに基づいた診療ガイドラインの策定も重要な役割の一つです。
 

さらに、学術論文の発表を通じて、歯科医療の進歩に貢献しています。
これらの論文は、国内外の歯科医療従事者に参照され、臨床現場での治療方針の決定に活用されています。
 

このように、学会は歯科医療の科学的根拠を確立し、標準化された治療法の普及に重要な役割を果たしています。

スタディグループが実践的な学びの場であるのに対し、学会はより学術的な知見の構築と共有を目的としているのが特徴です。
 

参考文献:

日本歯科医学会

歯科医師の歴史|歯科医師のみなさま|日本歯科医師会

勉強会と学会それぞれのメリット


スタディグループと学会、それぞれのメリットにはどのような特徴があるのでしょうか。

以下に、それぞれ簡潔にまとめてみました。

スタディグループのメリット

・実践的なスキルアップが可能

・参加者同士の密な情報交換

・現場で活かせる具体的な知識の習得

・柔軟な開催形式と参加形態

・地域に密着した情報共有
 

スタディグループのメリットは、実践的なスキルアップが可能で、参加者同士の密な情報交換ができることです。
現場ですぐに活かせる具体的な知識が得られ、柔軟な開催形式と参加形態で学べます。
また、地域に密着した情報共有も特徴です。

学会のメリット 

・最新の研究成果に触れられる

・幅広い知見の獲得

・専門性の高い学術的な学び

・公的な認証や資格取得の機会

・大規模なネットワーク形成
 

学会のメリットは、最新の研究成果に触れられ、幅広い知見を獲得できることです。
専門性の高い学術的な学びや、公的な認証・資格取得の機会があり、大規模なネットワークを形成できます。

実際の活用方法や勉強会に参加した方の声


多くの歯科医療従事者は、勉強会と学会の両方を上手く活用しています。
 

・学会で得た最新知識をスタディグループで実践的に深める

・スタディグループで磨いた技術を学会で発表する

・それぞれの場での人脈を活かして診療の質を向上させる
 

上記3つを行うことで、より専門的・実践的能力が身につくと参加者はおっしゃっています。

以下ではその参加者の声をご紹介します。

K・S歯科医師

難解とされている「咬合」に関しては学んでも学んでも五里霧中の状態でした。

しかし平成17年に咬合のコンセプトに出会い、断片的な知識の点と点がすべて結びつきました

それ以降、カリエス治療も歯周治療もこのコンセプトから外れることなくトータルで診断・治療が可能となりました。

しかし、理論と実践を同居させるためには、通り一遍等の勉強だけでは足りませんでした
 

診断は正しいのか?
治療計画は的確か?
治療は計画通りに進んでいるのか?
イメージ通りにゴールへたどり着けたのか?

これらについて、常に疑問が付きまといました。

現在は丁寧な指導、そして同じ思いで集っている仲間との切磋琢磨により、より精密で高いレベルへ向かうことが出来ています。

Y・S歯科医師

顎関節にトラブルを抱える患者の咬合治療に悩んでいることを相談したところセミナーがあることを教えていただき、その先生方とともに受講したのが始まりです。
 

咬合治療に関する知識が乏しかった私にとって目から鱗のような話ばかりで、これなら今まで治せなかった患者が治せるかもしれないと感じ、臨床実習コースで実際に患者様が治っていく様を目の当たりにして、このコンセプトに間違いはないと確信しました。
 

同窓の先輩である気安さも手伝い、様々な症例の相談にも乗っていただき感謝に堪えません。

 

ほか、勉強会で学んだ技術をすぐに臨床で実践できた」「他の医院の先生方と情報交換することで、自分の視野が広がった」「勉強会を通じて、モチベーションが向上した」などの声が挙がっています。

まとめ

歯科医療における専門的な学びの場として、スタディグループ(勉強会)と学会はそれぞれ異なる特徴を持ちながら、互いに補完し合う関係にあります。
 

スタディグループ(勉強会)は、少人数制で実践的な技術習得に重点を置き、参加者同士の密な交流が可能です。
特定のテーマに特化した学習ができ、明日からの診療にすぐに活かせる知識や手技を学ぶことができます。
一方、学会は大規模な組織体制を持ち、学術研究の発表や討論を中心に、最新の研究成果の共有や診療ガイドラインの策定を行っています。
 

これらの学びの場は、キャリアステージや目的に応じて使い分けることで、より効果的な専門知識の習得が可能となります。
例えば、若手の歯科医療従事者の方々は、まずはスタディグループから参加を始めることで、基礎的な技術や知識を身につけることができます。
その後、徐々に学会活動も視野に入れていくことで、より広い視野での学術的な知見を得ることが可能です。
 

このように、両者を適切に活用することで、実践的なスキルと学術的な知識の両面から、総合的な歯科医療の質の向上を図ることができます。
歯科医療の発展のために、スタディグループ(勉強会)と学会の両方を積極的に活用していくことがおすすめです。

 

参考文献:

日本歯科医学会

歯科医師にとってセミナーと勉強会の違い

歯科医師の歴史|歯科医師のみなさま|日本歯科医師会
 

編集・執筆

歯科専門ライター 萩原 すう

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